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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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966件目【トウカ「藍姉ちゃん?」】

私は自販機の脇に設置してあるゴミ箱の穴から飛び出しているコーヒーの空き缶をソファの前にあるテーブルの上に置いて、さっきまで寝ていた体勢から座る体勢に変え、ポケットに入っている紙タバコとIQOSを取り出してテーブルの上に置いた。


そして、紙タバコの箱の方からタバコを1本取り出し火を付ける。


本当は駄目だけど、10階だけなら灰や吸い殻をそこら辺に放置しなければ吸ってもいいという暗黙の了解がある。


タバコを咥えながらスマホをいじって、今後の敵となってくる人物の詳細を調べていた。


私だけじゃなくて、STAY.㎡のメンバー……由利ちゃんと姉ちゃんも連中の足取りについては追っている。裏稼業において主力勢の総力戦という状態だ。


社長はちょっとした情報しかくれないし、私達のように臨機応変に瞬間的に変わる状況を把握すると同時に、それに合わせた行動というのは取れない。


社長(アレ)に関しては、お世辞にも戦力にはならない。社長に誰も裏稼業の詳細を伝えていないから、全員が暗に「お前は戦力外」というのを通告しているようなところ。


社長も分かっているからこそ、ヘタに介入しないようにしている。私の指示待ちのマリオネットだ。


自分の判断で余計なことをした瞬間にお前の一族をお前ごと根絶やしにすると釘を刺しているから、勝手な真似はしない。脅しじゃなくて私はガチで潰すから。



8人で……うち6人は高校生という立場で、周りから見れば鼻で笑われるような戦力にしかなっていないと思われがちだが、そう思われる評価すらも武器として扱える人材が揃っている。


最終的に鼻で笑われるのどっちかな?第一、鼻で笑うことの出来る命がある保証すら無いような相手に挑んでるっていう自覚が無い相手と戦うのは凄くやりやすい。油断しているから穴だらけで攻め放題なのでね。


油断しているなら油断させっぱなしにして、準備が出来次第、一気に叩くのが一番理想の勝ち方。先制からの短期決戦。実力行使による畳み掛け。容赦なんて一切しない非人道なことも平気でやる。


現代における戦いなんて、そんなもんでしょ。敵の命乞いをマトモに受け入れるなんて………お人好しじゃなくて、何にも考えられない馬鹿なだけ。社長みたいなヤツのことを言う。


身内だから。人殺しはいけないから。そんな理屈が通るんだったら、世の中はもう少し平和だよ。法律なんて要らないし、戦争なんて起こりやしない。


法や秩序で固めても平気で罪を犯す人間が居るんだから。

そんな連中を相手にするのに、自分達が真面目に法という狭い場所で、そんな自由主義のイカれた奴等にどうやって打ち勝つんだよ?っ話になってくる。


殺しに来てるんだから、殺させる前に殺さないと駄目だよね?どう考えても。


こっちが殺したとしても、向こうが殺したとしても、その死体というのは、その死体を作った法で裁かれないように根回しがされている。最低限の下準備だよ。


"あっちの世界"になったら余計に法と概念が存在しない世界になる。"あっちの世界"で向こうが私達を殺すために、凶器を揃えてきたら……黒喰だけじゃどうにもならない。讎禍がどこまで対応できるかも分からない。


だったら、私達も凶器を使い相手を殺す。毒をもって毒を制すという方法しかないのだ。



ここまで来たら……もう、毒を食らわば皿までよ。

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