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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
977/1612

963件目【トウカ「参考書か何かと勘違いなさってる?」】

「自分でも何を言ってるのかわからない。……っていうのは良いんだよ。私がデスノートを読んだことで思ったこととか、今後の……まぁ、裏稼業の方についての活動方針といいますか………敵対する人間や組織が出てきた時に使えそうなのがありそうだなっていうので、参考がてらにデスノートを読んでたんだよ。これが正直なとこでござる」


「ま、漫画を参考に裏稼業の計画を練るって………流石にフィクションと現実の区別が付いてなさすぎるんじゃない?」


「デスノートは参考になるよ。そもそも、私達がデスノートの世界に入ったとして………お互いが腹の探り合いがキーとなる物語が、それが「心を見透かせる能力」っていうのがあれば、それ自体が崩壊する。どんなに天才でも心を探られたりしたら、どんな馬鹿にでも負ける可能性は十分にあるんだなって分かった。デスノートは顔と名前が分からないと殺さないっていう点でも、黒喰があれば顔=全ての個人情報っていうことになるから………デスノートの世界観では灯籠組は無敵だなとか」


「な、何が言いたいの?」


「ちょっと本心を婉曲的に言ってるような気がするな」


「私達って、まぁ………あそこまでのイカれた天才連中とは対峙しないとしても、心理戦においては自他共に認めるようなハイレベルな連中と対面にすることになるから。腹の内の探り合いをするってなると、黒喰が無くてもイケないことはないけど、勝率100%にはならない。せいぜい80%ってところに収まるだろうから」


「黒喰無しでも純粋な心理戦で勝率80%って言えちゃう藍姉ちゃんが凄い」


「でも、5回に1回は負けるっていうことだもんね。割合で言えば高いけど、数にするとまぁまぁ負けてるってことになるよね。100回やれば20回負けるっていうことになるから」


「あー、母数が増えると………確かに、ってなる」


「こんだけ負けるとなると、明らかにマイナスの方が大きくなってしまう。投資………FXや株式、仮想通貨っていったような損切りが出来ることでもない。大きなお金を動かすのに損切りが出来ないことほど痛いこと無い。損切り無しで負けたら全損………それで勝率80%っていうのは全然良くはない。寧ろ悪いっていう見方しか出来ないかな」


「その20%を埋めるために……黒喰をってこと」


「うん。心が丸分かりなら、まず心理戦っていうことがなくなるから。いかにも心理戦で相手の腹の内を探っているっていうふりで藍華の心理を掌握する。100%把握しているけど、実は80%しか把握していませんよー、みたいな雰囲気を出しておく。こうすることで、相手が黒喰について「黒喰は読心術を行えている」という情報や仮説を持っていたとしても、「本当に読めているのか?」という状態に陥る。その状態に陥った心理状態も確認できるわけだから、それすらも分かっているっていうことを表情に出さなければ、いくらでも自分の手のひらで転がせることが出来る」


「藍華はアイドルじゃなくて完全犯罪で食べているよね」


「いや、そんな稼ぎ方はしても虚しいだけだから。ちゃんとお金を稼ぐ時は極力正攻法で稼ぐよ」


「既にギリギリなラインやけどな」


「それはドンマイ」

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