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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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937件目【???「STAY.㎡………鵺島、黒崎………」】

「やっぱり子役だったんだなって思うわ。ラップやってて「ぷちょへんざ!」とか「わっさ、うぇっさ!」とか言ってるから、子役上がりだったっていうことをすっかり忘れていたわ」


「ラップって難しいんだからね?歌詞を作るのも難しいし。それを綺麗に言うっていうのはもっと難しいんだから。英語とか使うときは、英語の発音に従うんじゃなくて、その前までの言葉の並び合わせて発音したりしないといけないんだから!英語と日本語を混ぜたりすると、余計にそういうところを意識しないといけなかったりするんだからね?」


「本当に田中君を目指しているの?」


「当たり前だよ。TikTokとかで田中君のラップとか聞いて色々と勉強しているんだから。ちょっと、Hilcrhymeとかケツメイシとか……そういうところをかじったりはしているけど」


「ちゃんとラップ勉強しているんだな」


「じゃなかったらラップの歌詞が掛けないんだよ」


「相方の水月は一生懸命作ったラップを横でブンツカブンツカ言ってるだけで済ませられる楽なポジションだからな」


「ボイパだって頑張らないと出来ないから!そんなに簡単なものじゃないから!」


「ボイパって1回出来るようになれば問題ないじゃん。1個ずつ覚えていて、それで自分の好きなように組み合わせていけば………あっ、大変だな」


「大変なんだよ」


「となると、柚依と水月ってサラッと凄いことやってるんだな」


「ちょっと軽い感じに言われるのがムカッてくるんだけど」


「でも、自分達よりも遥かに頑張っているっていうことを知っているから、何にも言えなくなってしまう自分が居る……」


「そうなんだよな。コイツ、めちゃくちゃ努力家なんだよな。歌声の音域の異常な広さとか、超高音域の地声から繰り出されるロングトーンビブラート………しかも、声量がイカれてる。才能だけじゃなくて、めちゃくちゃ努力したんだなっていうのが伝わってくるような歌い方だもん。並大抵のレベルじゃない……とかで片付けられるもんじゃないことをやり続けてのコレだから。努力に関してはマジで藍華と……それと、藤華には絶対に勝てないっていうのはある」


「藤華、キットカット。社長からの差し入れ。食う?」


「1個貰うわ」


「2袋あるから1袋あげるよ」


「わーい♪」


「聞けよ!私達が一生懸命話していんだから!2人のことをちゃんと真剣に褒めて、ちゃんと現実的な評価をしていたのに………!私の言葉はキットカットに負けるようなものなのか!?」


「ねぇねぇ、カントリーマアムもあるって」


「マジでか!社長、カントリーマアムも袋で貰えます?ありがとうございます!」


「やっぱ、カントリーマアムとキットカットは甘味の中でもトップクラスに旨いわ。考えた人はガチで天才だと思う」


「うん。マヨネーズとコーラとチーズを考えた人くらいに天才だと思う。私は神様だと思っている」


「私の褒め言葉、こんな高カロリーの食べ物に負けるような言葉だったのか?」


「褒め言葉で腹が膨れないっていうのを態度で示していくスタイルなんじゃね」


「そんなスタイル捨てちまえや!」

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