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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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902件目【シャチョウ「武運を祈る……!」ユリ「祈ってる場合じゃないですよね?」シャチョウ「おっしゃる通りです」】

「あっ、エレベーターに乗り込んだ。私も一緒に」


「怪しまれるから駄目だよ。次のエレベーターに乗り込もう」


「でも、私達が後ろついていっているのは気付いていないんでしょ?」


「そう思ったんだけど、ガッツリ気付いていた。ただ、私達がSTAY.㎡のメンバーっていうのは気付いていない。ちょっと挙動が怪しい高校生の女6人が後ろについてきたっていう認識かな。特に上層部に私達の事を伝えたっていうことも無いね」


「ああいうタイプの女って視野が狭いし、今みたいな大きめのトラブルが起きれば更に周りが見えなくなるもんだと思っていたけど………」


「そういうところも教育されているんだろうな。末端の受付嬢ですら、あそこまで勘が鋭くて緊急事態という最中でも周りの様子を把握できている。本社に居る人材は案外レベルが高いのかもしれないね」


「何人かワルキューレの社員に引き込んじゃえば?」


「いや、要らないでしょ。社長が絶対に嫌がるし。私達の言うことだったら何でも聞いちゃうような状態になっちゃっているから、心の中では嫌だと思っても私達が「良い人材だから社員にしましょう!」なんて掛け合ったら了承するしかないもん」


「社長の立場、どんどん弱くなっていくな………大丈夫なのかな?このままいっちゃって」


「大丈夫ではないけど、大丈夫なようにするのも私達の仕事だよ。名ばかりでも代表取締役をやってくれていた方が私達は楽だから」


「藍姉ちゃん、社長の事を人として扱ってないよね?」


「ギリギリ人間として扱ってる。こんな面倒事を押し付けて自分が安地で成り行きを見ている……そんな奴でも自分達をアイドルとして、自分のやりたいようにやらせてくれるっていう恩はあるから。一応は人間として扱う。それだけの話。あまりに度が過ぎたら本気で人として見なさなくなるかも」


「まっ、いいか。社長のことは。今は目の前の仕事のことだけを考えよう」


「ごもっとも」



エレベーターが来て、6人全員でその中に乗り込む。


さっきの受付嬢から読み取った思考の中にあった監視カメラの件………勿論、エレベーターの中にもあったのだが、全部ということだけあってエレベーターに仕込まれているものもしっかりと使い物にならなくなっているのは知っている。


監視カメラというか、防犯カメラなのだろうけど。私達みたいな輩が乗り込んできて余計な真似をしないように、事前に把握して自分達で迎え撃つためのもの。


それが全て原因不明の再起不能の状態になればパニックにならない人間は居ないだろうな。



私達は社長室のあるフロアへと向かい、エレベーターが指定のフロアに着き、ドアが開く。



ドアの目の前にはSPのような大柄のゴリマッチョの男がスーツを着て、ざっと数えて10人近くが待ち受けていた。


私達がここに来ることは予測したっていうことね。これくらいは想定内ですよ。売られた喧嘩は買う人間だっていうのは最低限の情報の入っているようで。



「取締役、CEO。STAY.㎡の6人を発見いたしました」


「…………殺害。かしこまりました。死体の方は上手いことをやってください」



おぉ、ちゃんと「殺害」ですか。


女子高生相手に大人気ない対応をいたしますなー。

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