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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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900件目【開戦】

「あれ?松原………ってことは、もう明大前が近くに……?」


「そう、みたいだね」


「割とすぐだったように感じるけど、気のせいだったりする?」


「気のせいじゃね?もう事務所から車を出して30分くらい経っていたから」


「そんなに!?えっ?変な話しかしていないで、もう30分!?」


「前半はちゃんとイビルジョーズに関して、どういう動きで潰していくのかって話していたじゃん。それは変なことじゃないじゃん」


「それ以外は明らか無駄でしか無かったけどな!」


「えっと…………ここかな?」


「着いたっぽい?」


「あぁ、うん。ここだね。無駄にデケェなここのビル。ワルキューレの事務所もデカいけど、ワルキューレの場合はタレントが使うためのレッスンスタジオやら休憩室やらの設備が詰め込まれているわけだから。無駄にじゃないけど………イビルジョーズのは無駄にってことだよな。由利が「あそこはただデカいだけのビル」っていうのは何となく外観見ただけでも分かる気がするわ」



明大前駅付近、イビルジョーズの本社ビルへと到着した。


甲州街道から少し外れたところで、明大前から歩いて2、3分といった距離くらいだろうか。一際大きいビルがそこには立っていた。


ただでさえデケェ建物が並んでいるのに、その中でも悪目立ちしているくらいにデカいとは………どんだけ自分の見栄を張りたいんだろうか。


無駄にデケいだけの、自分の金をアピールするだけの高層建築物………その金は不特定多数から騙し取るようなやり方で掻き集めたものだろうに。


そんなことをしていても、体裁……世間体っていうのは無茶苦茶気にするような印象だったって由利ちゃんから聞いたな。

金を集めることに躍起になっているが、どことなく落ち着いた様子に見えたのは、世間体を気にして自分達のやっている裏での立ち回りをバレないように外面だけは良くしているのだろうって。


外面良くなかったら、そんなに金が集まるわけないよな。仕事上での関わり合いなら、第一印象だけを良く見せることができれば相手の信頼を獲得することはできる。


形骸化した善人面を作るために意識をそっちに全振りするだけで金を稼げてしまった……それで自分に金を稼げる能力があるって勘違いしている奴等にはしっかりと相応の現実っていうのを見せつけてやらないとね?


自分の資産が無くなるだけじゃなくて、命の危機にまで曝された時………どういうリアクションをするんだろうか?



「姉ちゃん、ここら辺でハザード焚いて停まって」


「了解!」


「咲希。イビルジョーズのビルの中って透視出来る?」


「もうやってるよー」


「ないすっ!で、えっと………監視カメラの位置や中にいる人間の詳細とかもハッキリと見える感じかな?」


「うん。見えてる見えてる。社長室には、社長のお兄様と妹様の2人が何か話しているみたい。声までは聞こえないけど、仕事の話をしているんじゃないのかな?どっちも真顔で顔を合わせていないし、どことなく距離があるようにも見えなくもないから」


「金だけ繋がっているような人間なんてそんなもんやろ」

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