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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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888件目【アイカ「藤華に負けてらんねぇわ」】

「まぁ、下見ても仕方無いし。うちらはうちらで頑張りましょうや」


「そうだね」


「藍姉ちゃん、ムーンサルトってどうやるの?」


「えっ?どうやるの?って………私は勘でやってみただけだからな」


「勘で出来るようなものじゃなくね?」


「そんなこと言われても出来ちゃったもんは出来ちゃったんだし。私も口での説明は出来ないから、今からやるのを見て体で覚えてってくらいしか出来ないよ?」


「それでいいや。お願いしにゃす!」


「あー、うん。フォームが乱れているとかは突っ込まないでね?あくまで形だけっていうので」


「大丈夫。それは頭の中で修正できるから」


「なんか、凄い会話しとるな」


「これが天才と凡人の差よ」


「私なんてラップ取ったら何にも残らないな………」


「私なんて楽器弾けるだけだから。ライブでは殆ど使えないし。お金も掛かるし。ラップの方が全然良いよ。楽器なんて練習すれば誰でもある程度は出来ちゃうわけだから。個性にしては少し弱いじゃん」


「そんなことないよ。ラップだって練習すれば誰だって出来るんだから」


「藤華、ロンダートやってからバク転して……そこからのムーンサルトで良いかな?」


「なんでもいいよ。ムーンサルトだけでもいいし」


「それだけにするか。ロンダートからムーンサルトで」


「藍姉ちゃんが出来るなら何でも大丈夫だよ」


「「藍華ァァァァ!頑張ってぇぇぇ!」」


「うるせぇ、ラッパーと魔王」


「娘というのも無くなったよ。魔王はパパだから。私は娘」


「なんだっていいわ、こまかいところは」


「なんだって良くないから言ってるんですが?」



ギャラリーのラッパーと魔王がうるさいが、それを無視して藤華に軽く流れを説明してから、ムーンソルトお披露目の準備をする。全身を軽くほぐしてから助走からのロンダート、そしてムーンソルトを行った。


ロンダートの勢いが強すぎて思ったよりも高さが出てしまったが、そのお陰で思ったよりも綺麗なムーンソルトが出来たような気がした。


ちょっと腰がピシッ……!ってなったような気がするけど、特に問題は無さそうなので気にしません。腰が定期的にピシッ……!ってなるのは今に始まったことではないので。


デビューしてすぐからアクロバットを披露し始めた頃からピシッ……!ピシッ……!ってなっているので。



着地をしてからラッパーと魔王からは「おぉー!」と言われながら拍手された。


藤華は口に手を当てて少し考えてから、「あー、なるほど」とボソッと独り言を呟いてから助走の体勢に入った。


私と同じように助走からのロンダート、そこから綺麗なムーンソルトを決めた。助走から着地までの全ての流れが綺麗だった。


流れるような美しいものだった。本当に美しいっていう言葉がピッタリのパフォーマンスだった。


やっぱり、ちゃんとプロのところで体操を習っていただけあって細かいところまで綺麗だな~っていうのが正直な感想。


私みたいに運動神経と直感だけで何とかしているような人間のパフォーマンスとは全然違うわ。同じことをやっているはずなのに、全く違うものを見ているような……そんな心境になってる。

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