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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
290/1612

288件目【クイナ「やばいっ!バレた!」】

「えっ?さっきまで來依柰さん、あそこの窓のところで植木チョキチョキしていたよね?」


「うん。剪定していたのに、いつの間に……てか、剪定のことを植木チョキチョキって小学生みたいな言い方すんのな」


「何て言えば言いか分からんかったから」


「まぁ、分からん人の方が多いか。特に同学年で剪定で意味が伝わる人間は極少数だと思う」


「藍華って色々と知ってるよね。本当に高校生なの?年齢嘘吐いてるっていうこと無い?実年齢は本当は50歳だったりしない?」


「そこまでの年齢で17歳とか言ってるのはマジでただのイタイタしいオバサン。そんなヤバいオバサンとか本当に関わりたくないんだけど」


「…………井上喜久子さん」


「ストーップ!ごめん、何でもなかった」


「えっ?何?」


「これは流石に問題発言だわ。これは不味いぞー?」


「絶対にヤバいって!何も考えないで言っちゃったけど………アカンかったみたいです」


「大丈夫でしょ。本人も言われる覚悟があってやってるんでしょ?流石に50歳過ぎてて娘さんも20歳越えてて「17歳でーす!」って言って、何にも突っ込まれない方がヤバくね?」


「ネタとしても扱われないのはアカンけどさ………私、めちゃくちゃ角の立つ言い方してたじゃん」


「角どころか刃先だよ。めちゃくちゃシャープな暴言吐いてたよ」


「今のは無しで。カット出来る?」


「こうして文字に残っちゃった時点でカットもクソも無いじゃん」


「やらかした………!どうしよぉ………!」


「そういう時は窓際見て、外の景色を見て落ち着くんだよ。見てみなよ?外には綺麗な空と緑豊かな植木が………」


「えっ…………?ん?なんだ、あれは?」


「ジワるんだけど、あの人」



なんか、余計なのが入ってるんですけど。


綺麗な空と緑豊かな植木があるのは分かる。そこに加えて変なのが混ざってるんだよ。


剪定バサミをこっちを見ながらパチパチ開閉しているアホみたいな女がハシゴの上から見下ろすように私達を見ている。


なんで真顔なんだよ。どういう感情でソレやってるんだよ。昼間じゃなかったらホラーだわ。


姉ちゃん、そんなことやってねぇ仕事してろよ。盗み聞きの次は謎の構ってちゃんアピールかよ。いつからやっていたんだよ。


千柰都が気付いた時にはやっていたんだから………でも、さっきまでドアのところに居たんだから、外に出てからハシゴを登ってすぐにやり始めたのか。


あの馬鹿メイド、暇してんのか?



「ど、どういう感情なの?何でもいいんだけどさ……一人でやってるんなら早く済ませないといけないんじゃねぇのかな?ここの家の植木、どんだけあると思ってんだろ?ちょっとした植物園くらいに色んな木が生えてんだぞ?」


「今日一日で全部終わらせられるもんでもないから良いんじゃない?そういう仕事のやり方っていうのも細かく分かっているから、上手いこと手ぇ抜いてるんだと思う」


「本当に仕事が出来る人間こそ、サボり方も手の抜き方も上手いからな。にしても……あのハサミをパチパチやってんの、ずっと見ているとイラッとしてくるな」


「面白いじゃん。「あー、頭おかしいジャージ着た自称メイドの変人の女が居るー」って」


「本人聞こえたから泣きそうだな」


「藍華ほどシャープじゃないから大丈夫」

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