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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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277件目【クイナ「まぁ、大丈夫じゃない?」←植木の剪定なう】

「まだ普通に殺されるだけ良いでしょ。私の家に張り込んでいた奴は一族丸々消されるんだよ?それと比べたらね……」


「知ってる顔ぶれも居たけど、やってることがやってることだから。同じ事務所に居たから、そのよしみで可哀想……だなんて微塵も思わないね。それだけ淡白な関係の事務所だったってことよ」


「そういう事務所って基盤が崩れると一気に崩壊するからな。ネズミ講と一緒だな」


「藍華って色々と知ってるよね。分かりやすく例え話って言ってくれてるのは分かるんだけど、その例えの意味が分からん」


「こらこら、藍華。純情(うぶ)な女の子に余計なことを吹き込まないの」


「知っておいて損は無いだろ。そういうのに引っ掛かって人生終わりかけるよりは全然マシ。知ってるだけでいくらでも対処できるような簡単な問題だから」


「な、なるほど………」


「全然、分かんない………」


「いずれ分かるよ。水月、外の方って黒喰で探れる?」


「ちょっとやってみるわ」


「居たら教えて。あー、いいや。私がやるわ。私の方が精度高いだろうし。由利ちゃんからLINEとか送られてくると思うから、そっちの対応してもらって」


「はいよー」



私は黒喰を使って敷地内全体……そのから半径500メートル以内の「はるかぜ」の連中の散策を行った。


敷地内には人影すらもなく、家の周りにも「はるかぜ」の人間は居ないようだ。ただ、私の家から300メートルくらい離れたコメダ珈琲に何人か「はるかぜ」の連中が集まっている。


人数は……男2人女3人の5人か。


家の敷地内に入ってきた連中は500メートル圏内から居なくなっているようだ。


ただ、コメダ珈琲にいる奴等からの心理を読み取って動向を探ってみたら、私達の後を家まで付けてきたアホ共は渋谷と赤坂の二手に分かれてそれぞれ向かったみたいだ。


10人行くか行かないくらいの人数が私の家の前まで来ていて、その人数を半々にして向かわせたようだな。


渋谷と赤坂……渋谷は由利ちゃんの向かった先で、赤坂は社長が今向かっているはずだ。この2人のスケジュールはきっちりと把握されているみたいだね。


社長からは何にも音沙汰が無く、普通に「赤坂の得意先のところに行くから会社を空ける」というだけのメッセージしか送られてきていない。


社長……ちょっとは警戒してくれよ。めっちゃ後を付けられてるんだから。流石に得意先のオフィスビルまでは乗り込んでこないだろうけど……もう少し、周りにも気を配ってくれ。


こんなんでよく「はるかぜ」に情報が漏れてこなかったって思う。何も考えずにやったことが上手いこと作用しているだけなのだが………


持ってるんだよ、無駄に。神に愛されている人間っていうのは社長みたいのを言うんだなって思ったよ。


いつかは何処かで何か起こるんだろうって不安では居るんだけど、その様子とか兆候が一切見られないから本当に神に愛されている人間だと思う。何か問題があっても社長だけは神様が助けてくれるみたい。


人柄良いが報われる……お天道様はちゃんと見てるっていうのは、そういうことかね?

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