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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
278/1612

276件目【クイナ「もしもし、由利?」←植木の剪定なう】

(とりあえず、由利ちゃんからメッセージを返信しないとな……結構色々と送ってきてくれているみたいだから)



由利ちゃんから長文のメッセージが何個も届いていた。


「はるかぜ」の連中らしき奴等がワルキューレの前にずっと張りついているらしい。営業先に出掛けたら後ろから付いてくるみたいで。


ソイツ等の写真も送ってもらった。


その写真は柚依と咲希に確認してもらうとして……何よりも、由利ちゃんも警戒される対象になっているのか。私達の専属マネージャーみたいなもんだから、「はるかぜ」としては情報を引き出す人間としては狙うだろう。


ただ、由利ちゃんだって馬鹿なところはたくさんあるけど、こういうところで尻尾出して捕まえられるような人間じゃないのは間違いない。付いていったところで有益な情報を引っ張り出せるわけがないじゃん。


第一、後を付けられていることを気付かれている時点でこっちだって警戒するんだから。余計なことはしないっていうのは分かりきっているはずなんだがな………



「うーん……まぁ、了解っていうだけ返信しておくか」


「由利さんから?」


「そうそう。「はるかぜ」の連中に付きまとわれてるんだってさ。営業で外に出た瞬間にゾロゾロと何人も後をついてきてるみたい。ソイツ等の顔写真も送られてきたから」


「よく写真撮れたね」


「そういうのも得意なんだよ。盗撮に関しては由利ちゃんはプロだから」


「盗撮って………」


「使い方間違えたら逮捕案件ですけどな。柚依、咲希。さっき由利ちゃんから送られてきた「はるかぜ」の人間と思わしき人間らしいんだけど……見たことある?マスクとかしてるから、顔半分分からんけど」


「見たことある。1枚目の男のコイツ………声優養成所の講師までやっているよ。なんでこんなことをやってるんだか」


「声優養成所の講師くらいなら、ぶっちゃけマスク付けて街中フラフラしてても分からんからな。売れねぇ役者の顔なんて誰も知らねぇだろ」


「藍華、チクチク言葉出ちゃってるから」


「良いよ。コイツのことはどうでもいいし」


「女の方は?どうなの?」


「うーん……見たことないかも。似たようなのが多くなってるから、マスクされるとマジで誰が誰だか見分け付かない」


「役者って個性も商売道具の一つのはずなのに、量産型になっているって………売れる気無いやろ。一応は事務所に入って役者っていうポジションがあるから、そこだけで満足しているだけのしょーもない奴等だろ」


「本人達が聞いたら泣き出すレベルどころか、首吊るレベルの発言なの草」


「対面でも言えるけど」


「絶対に言っちゃ駄目。3人くらいは平気で自殺するから」


「そんな豆腐メンタルでこんなことやってんじゃねぇよ。刺し違える覚悟でやるもんだろ。こういう潜入捜査みたいのって。敵陣に乗り込んでいくわけなんだから。バレたら死ぬっていう覚悟がなきゃ成果は上げられないよ」


「ワルキューレのやり方的に、本当に顔割れた瞬間に殺しに掛かるよね」


「当たり前よ。ほぼ一般人みてぇな役者の一人や二人を殺したところで簡単に揉み消せるわ」


「怖いって、だから」

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