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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
240/1612

238件目【はるかぜ、か……】

(はるかぜ、そんなに酷い事務所だったのか。けど、そういう事務所の方が多いのも事実ってとこほなんかな)



これは……ちょっと、「はるかぜ」に関しても少しはテコ入れをした方が良さそうだな。



「私達の事務所も特別優れているとは言わないけど、そんな下らない理由で他人の人生を平気で潰すような真似はしないよ」


「ちょっとミスくらい平気だよ。というか、3人とも……そんなにミスはしないでしょ。本番に強いタイプなのは分かるし。こんなにも色々と出来て本番にも強いタイプの人間を使わない事務所って、何を考えているんだかね?目先の利益に囚われすぎて本当に失ってはいけない逸材を平気で捨てるなんて………経営側じゃない、女子高生の私でも分かる簡単なことじゃん。よくそんなんで子役を預かって芸能事務所として堂々と構えていれるのかが謎」


「世の中、そう簡単に何でも上手くはいかないもんなんだよ。それは藍華達もよく分かっているはずでしょ?」


「それは……まぁ、そうだけどさ………それってどうなのかな?っていうはずっと引っ掛かってるからさ」


「……………………藍華」


「んにゃ?」


「まさか………「はるかぜ」をどうこうしようっていう考えじゃないよね?」


「考えていたとしたら、それを実行するのを由利ちゃん達は留めるの?」


「止めはしないけど。ある程度は加減してもらわないと困るっていうか……うちらの事務所に実害が出ていない以上は手の打ちようがないっていうのもあるからさ」


「実害?実害なら十分に出ているような気がするんだけどな………柚依と咲希がここまでボロボロになるまで放置して、冷たい言葉で突き放すどころか……平気でうちらの事務所に引き抜かせたっていうことは、要らないっていうことだったんでしょ?これを実害って言わないで何て言うのかな?由利ちゃん……私が納得出きるように説明してくれねぇかな?」


「…………………っ!」


「藍華………」


「ごめん………私達ももう少し、上手いこと立ち回っていれば良かっただけの話なんだから………」


「柚依と咲希は何にも悪いことはしちゃいないよ。悪ぃのは「はるかぜ」だ。さっきも事務所に入る前に「はるかぜ」に居る、見覚えのあるスタッフだか社員だかが事務所の周りのビルをウロウロしていたから。見覚えがあるだけでも2、3人は通りすがりのように見掛けていたから。今でもワルキューレの周りは「はるかぜ」絡みの人間が偵察というか……何かしらの形で情報を得ようとしているのは明らかだよ」


「えぇ!?」


「嘘でしょ!?な、なんで………」


「ワルキューレでのアイドルデビュー………しかも、灯籠の姉妹グループとしての活動と、やがては6人合同での活動までも確約されているっていう情報が漏れたんだろうね。私も少し迂闊だったな」


「ど、どういうこと?」


「ルノワールの地下に居た、投資の話をしていたオッサンと女子大生……アレ2人が事務所の周りに張り込んでいたよ。多分、はるかぜ所属の人間だったよ。事務所に所属している俳優一覧にも全く同じ顔が2人並んでいたよ」


「えっ、私達がルノワールに行くことを予想していたの!?」


「たまたま、だろ。あそこら辺一帯のカフェにああいう感じで配置させておいたっていうところだろ。数撃ちゃ当たるが見事に当たっちまったって感じだろうね」


「な、なるほど………」


「そこまでして、私達の動向を探る理由がわからない……」


「都合良く引き戻したい……っていうだけが理由じゃないだろうね。それだけなら事務所に直接掛け合うのが手っ取り早い。そこまでコソコソ嗅ぎ回るってことは別な理由が何かあるとしか思えない」

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