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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
226/1612

224件目【アイカ「そろそろ事務所、向かいますかね」】

「誰が頭のネジから色々と抜けてる、だよ。そんなん灯籠3人全員がそうなっているだろうが。頭のネジが3人揃って抜けているからこその灯籠っていうグループが成り立っているようなもんだと私個人としては思っている。いや、私以外にも事務所の人達全員がそう思っているはずだ」


「私は正常だよ。おかしいのは水月と未來だよ」


「それは神に誓って言えるのかな?」


「トイレットペーパーに誓って言える」


「そっちのカミじゃねぇんだわ。ペーパーの方じゃねぇんだわ。ゴッドの方なんだわ」


「トイレットペーパーに誓うものって本当に格安だろうな。格安SIMよりも遥かに安そうな誓いだわ」


「私、そんなにコスパの良い人間だったのかー」


「悪い意味でだけどな」


「ねぇ、皆。そろそろ事務所いかない?こういう時に事務所に行って私達の顔を覚えてもらったり印象とかっていうのを知ってもらいたいんだけど?」


「私も。いくら変わっている事務所とは言えども、入ってきたばかりの新人にポンポンと仕事は回さないでしょ?明星に入っていても、ある程度の仕事を振ってもらうためには人となりっていうのを知ってもらわないことには、どういう仕事を振ればいいんだろう?っていう指標が分からないじゃん?それぞれの個性を上手く活かすっていうのを意識している事務所っぽいし。なおのこと私達のことを早い段階で知ってもらわないとねっていう気持ちはある」


「そう焦らなくても大丈夫だよ。もう一つの家くらいに考えたくれたら良いよ」


「入ったばかりだから、そんな図々しいことは出来ないし。ある程度の建前っていうのは必要でしょ?」


「堅物だね。柚依と咲希は」


「アンタ等がちょっとユル過ぎるんだよ。他の事務所は事務所に用が無くても顔を覚えてもらうためにも必死に社員の人とかに顔を合わせて話して、こういう人間なんですっていうのを印象付けないといけないんだから」


「そういうのを10年以上もやってきたんだから。一応は業界の先輩のアドバイスとして参考にしてもらえると助かる」


「そういうことでタレントにマウントを取る事務所ってどうなのかな?っていう疑問を抱えた人間が集まったのがワルキューレだから。タレントだけじゃなくて社員もそういう考え方だから。他の事務所とか……ワルキューレ以外のところは、そういう打算の塊で上手いこと仕事を回してもらえるように媚びを売って損得勘定で動いていくっていうのが当たり前っていうのは知ってるよ。けど、それに合わない人間が集まっている事務所でその考え方は正直浮くよ」


「うっ………」


「うへっ………」


「一応は事務所の先輩のアドバイスとして参考にしてもらえれば助かるよーん」


「まさか、同じような言葉を使って言いくるめられるとは………」


「芸歴なんて関係無い。実力と経験と頭の回転の早さが文句を言うんだから。芸歴だけで実績が付いてくるなら誰も苦労しないでしょ?それなら売れていないアイドル、子役、俳優、女優、声優……なんていうのが存在していないでしょ?私達よりも遥かに芸歴が上で、それでも全く売れる予兆も無い、一応は芸能界に縋り付いているような人間ってどれだけ居る?って話だよ。芸歴なんて業界に居ればいくらでも積めるものなんだから。そんなのを指標している時点で行き詰まった時に自分の首を絞めることになるから」


「は、はい………」


「肝に銘じておきまする……」

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