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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
208/1612

206件目【神殺】

千柰都は土御門魁聖の結界が張られていることを一発で見破り、その脆い部分も見極めて一撃で高威力のなんちゃらカメハメ波を打ち込んで破壊した。


千柰都は結界を破壊すると同時に少しばかり土御門魁聖とは距離を取った。土御門魁聖は僅かな隙を狙わんとばかりに、千柰都が距離を取った瞬間に式神である鬼の群衆を繰り出した。


推定……大小問わずに100匹は越えているだろう。


その式神を千柰都を囲むようにして、四方八方から追い詰める。千柰都の方からは特に焦っているという感情は読み取れなかった。寧ろ、この状況を楽しんでいやがる。


あの何年間前の裏組織の殲滅を行った時も、同じような気持ちでやっていたんだろうか。表面的に化物な奴は中身もそれとなく化物の思考回路っていうわけ。



人間が持ってはいけない3つの負の感情にダークトライアドっていうものがあるが……そんなものが可愛く思えるような狂気を感じた。


水月と未來に関しては結界が解かれていても、どうやら辺りに異能の残りカスのような分散したものがジャミングとなって2人の心理を読み取れていない模様。


私には意識的にそのジャミングを上書きして、あの2人の深層心理までも探っている。



戦う力さえあれば………私も千柰都と一緒に共闘できていたはずなのに。



「千柰都、囲まれてるじゃん……」


「大丈夫……千柰都なら……!」


「私も応戦する……!」


「柚依。待って。まだ(●●)出るタイミングじゃない」


「まだ………って?」


「良いから。待って」



柚依にも戦える力は十分あるが……あんなところに突っ込んでいったら、土御門魁聖の実力差というよりも千柰都の流れ弾を食らうことになる。


あんな全力でワケわからん能力をぶっぱなしている人間に少しでも触りでもすれば、普通の人間を持っている柚依……含めて灯籠組も、それだけで致命傷になる。


まだ……柚依さんに待ってほしい。



「さぁ?神石井千柰都だったか?テメェはこの式神の百鬼夜行をどう対応する?」


「……………………」



千柰都は土御門魁聖の言葉には一切反応しなかった。その代わりに千柰都の周囲には一瞬にして数メートルという大きさの大きさの鋼の山が無数に出現した。


それに突っ込んでいった鬼達は次々と消えていった。千柰都は……笑っているようだな。昔は感情は読めても、遠目からだと表情までは読み取れなかったんだがな。


土御門魁聖と千柰都の表情が目の前にいるかのように鮮明に見通せている。だが、今の状況には少し不要だったかもしれないという思いもある。


千柰都があそこまで戦闘狂だったっていう一面は見たくはなかった……!っていう気持ちが強くなっていってしまったからだ。



千柰都はその場に動かずに周りに囲まれた鬼達を全て蹴散らした。残り10匹程度になったところで鬼達は千柰都への攻撃を止めて、千柰都が鋼の山の壁を解除するのを待っていた。



「真上からも意味が無いか……何故、鋼の山が存在していないところまで……!」



鋼の山は存在していないが、何も存在していないわけじゃなかった。


気流を操って見えない刺を無数に出現させていたのだ。千柰都の心理を読み取れなかったら分からなかったトリックだな。

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