1586件目【マリア「マジすか?(中丸君の真似)」】
「何があったんや」
「オーディションとかでもさ、審査員とかさ………いちいち「アイドルの貴方が、なんでこの役を志望したんですか?」って意味の分からないことを聞かれることもあるんだよ。いや、事務所が持ってきた仕事だから受けただけだし。そもそも、オファー来てんですけど?って。ちゃんと情報共有出来てねぇしっていうのでイライラしたから。その時は製作陣やら事務所にも「どういうことだよ」ってキレ散らかしたよ」
「藍華の不満は、若干ベクトルがズレているような気がしなくもないな」
「でも、言いたいことは凄い分かるなー。自己PRっていう体で、こういうことを聞いてる馬鹿も居るんだよ。何でお前みたいのが採る側なんだよっていうのはいっぱい居るよ?芸能界の採用方法に、一般企業の採用方法のテンプレ使ってんじゃねぇよって」
「リーマンの人事部上がりなのかな?って思う」
「ヤバイよね?」
「流石に何度も何度もって程回数は多くないけど……忘れた頃に来るからこそ凄ぇムカつくっていうのはある。はぁ!?ってなるもん」
「そんなに人材を選ぶ時って滅茶苦茶なの?」
「まぁ、作る側の頭の中によるからな………突飛なことを言い出しても、アドリブで対応できるだけの力を判断するっていう場合もあるし。ほぼ雑談で終わったこともあるし………極稀に、志望動機聞かれることもある。えっ?どういうパターン?ってなる」
「大変なんだな」
「あくまで個人事業でやっている部分もあるから、個人で仕事をしていくって、本当にどんな仕事でも「えっ?馬鹿なんじゃないの?」っていうことを聞いていくるのは一定数居る。そこの業界のことを知らなくても、何かの切っ掛けで馬鹿が上に立っちゃって……そこに当たった時に起こる。負の偶然が重なりまくった結果よ」
「へ、へぇ………」
「でも、慣れれば神様の仕事よりは圧倒的に楽だと思う。そんな世界創造なんてしないし。想像が付かないことをやるって、想像が出来ないくらいの労力を使うってことだろうから………それを経験しているマリアなら、芸能界の荒波なんて小波みたいなもんやろ」
「あれ?まだ藍華が面接官のターンって続いてるの?」
「スイッチ入っちゃったんだな~」
「ありゃりゃ~」
「藍姉ちゃん、落ち着け。マリアさんに言ったって仕方無い。過ぎたことをいつまでも気にしないの」
「藍華って意外と昔の事とかネチネチと気にするタイプなのね」
「こういうところだけ無駄に乙女なんだよ」
「にぃーもそうだよ」
「兄妹クリソツで草」
「ねぇーは、そんなことないと思う。………いや、あるわ」
「遺伝子って面白いね」
「・・・・・・・・・・話、戻してもいいかな?」
「あっ、すまんすまん。ちょっと喋り過ぎちゃったね」
「喋りすぎだね。どんだけ溜まっていたのかっていうくらいに出てきたよ」
「便秘3日目くらいのウンコくらいに出てきたぞ」
「例えが汚ぇんだよ。トイレットペーパーみたいな見た目しやがって」
「神じゃなくて、紙になっちゃった」
「やかましいわ」