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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
159/1612

157件目【アイカ「負けてらんねぇな……!」】

そもそも、元からある程度出来上がっていて、センスもずば抜けている3人だからな……初期投資を殆どしないで金は回収できるっていう優良物件だもんな。


私達は本当にズブの素人から始めたから……ね。今思えば、あんな不良物件をここまで育ててくれたよなっていう感謝だよね。



「何をしているんだ?さっさと入ればいいんじゃないか?」


「「「……………………うわっ!?」」」


「ん?」


「あっ、灯籠の3人。……と、社長」


「スタジオを覗きながらコソコソしていたからな。売上や事務所の資金繰りの心配をしていたようでな」


「あぁ、丁度話してましたもんね。そもそも、明星組には初期投資が無いし、CD以外にも音楽サイトでも一気に先行配信したりするから。今回もマイナスになることは考えにくいよ。アンタ等が不祥事でも起こして炎上しなければね?」


「縁起でもないこと言うんじゃねぇよ」


「そうならないっていうことを信じてるから言ってるんだよ。本当にやりそうな人間に炎上を遠回しに助長するようなことを言うわけないでしょ。こうやって素で話せるのも、仕事でもプライベートでも灯籠だけなんだから」


「明星組もいずれはそうなるんじゃね?」


「アンタ等みたいに生意気じゃないからね。真面目で良い子達だから。アンタ等よりも早く仲良くなれそう」


「へーへー、そーですか。生意気で悪かったですね~」


「あっ、藍華。どうしたの?社長と話していたみたいだけど?」


「今回のアルバムについてかな?利益とかの話をしていたから、大丈夫そうなんですか?資金繰りとかの方は?とかかな?」


「……………………………………………」



レコーディングが終わった千柰都と話し、とりあえず本当っぽい嘘を話してみた。そしたら、何とも言えない表情を浮かべながら私のことをじっと見つめていた。


………………早速、バレた臭いな。


社長達含めて水月と未來も気付いていない様子だが、全智混沌を使ったようだ。私に対してね。ちょっとばかり異能力の匂いがしたから。



「だったら、ここで話せばいいじゃーん」



千柰都、あくまで何も知らないふりをするつもりか。私の考えを綺麗に読み取ったってところだから、自分達を巻き込まないようにするための嘘っていうことを理解してくれたみたい。


さっきの何とも言えない表情は………能力を使っただけじゃないような気がするけど。私も黒喰を使おうかなって思ったけど、私の能力が届かないようにするためにシャットアウトしていることだろう。


千柰都の気遣いを無駄にするのも申し訳無いし、探るのは止めておくか。



「あっ、灯籠のお三方。戻ってきたんだね」


「ほらっ、次はアンタ等だよ。さっさとすませちゃって。下らないリテイクさせたら怒るからね」


「人間は1度誰だってミスするんだから。しかも、声というデリケートな部分を使っての作業なんだからさ。下らないミスなんて当たり前でしょうよ」


「どーせ、さっき社長と話していたんでしょ?タバコ吸いながら。吸ってすぐは誰であっても声の出が悪くなるんだからさ……社長も分かってるはずなのに、吸わせるなんて……何考えてるんだか」


「うぐっ」

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