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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
"SIX IMPOSTORS" AND "WHITE LIGHTNING"
1558/1612

1541件目【マリア「これが、芸能界………」】

「未來と月也ちゃんの件についてだが、どうやら未來の方は急遽転校が決まったらしいな。戦場ヶ原高校から月也ちゃんと同じ高校に編入することが決まった。事務所の方も決まっているようで、編入先の学校の……一応は普通科に入るみたいだ。月也ちゃんはタレントコースだったみたいだが」


「なるほど………ですね」


「そんなに高校って簡単に、短い期間で編入とかって出来るんですか?」


「普通は無理だけど………紫水家の力が後ろにあるとなれば、教育委員会の方でも認めざるを得ないってところでしょ。偏差値的にも別に問題の無い編入であり、芸能活動についての実績も充実している。そういう裏のやり取りがあったとしても、特に周りからは不自然さというのは無いだろう。夏休み明けからというタイミングも相まって」


「学校でも、会うことは無くなったね。となると、本当にプライベートでも仕事でも………めっきり会わなくなるってことなのかな?」


「どういう活動になっていくのは知らないけど、少なくとも日本のメディアに出ないという……従来の雛形ちゃんのスタンスに合わせるなら、共演することも一切無くなるかもね。多分、それを狙っている部分もあるかも」


「そこまでして、私達の関係を絶つつもりなんだ」


「こういうことが起こるのも業界全体で言えば珍しいことじゃない。明日は我が身が、本当に自分のところに振り掛かってきただけ」


「みっけ姉ちゃんも、みっけ姉ちゃんで苦しんだんだろうから。その決断を無下にすることは私達には出来ないよね」


「うん。元同僚、元メンバーとして出来ることは、抜けていった人の意思を尊重して見守る。それくらいしかやれることはない。余計なことをしないのがお互いにとって最善だよ」


「藍華って結構ドライだったんだね。いや、そういう風に見せているだけで、心の中はグチャグチャか」


「未來は何か切っ掛けがあれば、思い切って辞めると思っていたから。ずっとバンド活動に憧れているところもあったし。ライブの時には絶対にギター持ってきたりとか………多分、本当はアイドルじゃなくてバンドがやりたいんじゃないのかなっていうのは薄々気付いていたし。雛形ちゃんとも色々と話していたっていうことは………うん………点と点が結ばれたってところかな」


「藍姉ちゃんを見ている限り、どこかで分かっていたって感じは伝わってくるけどさ………それが無かったら、本当に藍姉ちゃんのメンタルがどうなっていたのかっていうのが心配で………」


「まぁ………一声掛けてほしかったっていう気持ちはあったよね。事情はあるにしてもさ。LINEもブロックされるっぽいし。STAY.㎡のグループからも抜けてるから」


「あっ………本当だ。マジで私達の関係を絶っちゃってるね」


「ふぅ………けど、あれこれ考えても起きちゃったことはどーにもこーにも出来ないし。受け止めるしかないもん。未來達は未來達で、私達は私達でやるっていうだけ」


「藍華って………やっぱり強いよ」


「無理してるだけかもしれんぞ」


「だからこそだよ、色々と見てきて。どこまでもカッコいいなって」


「ははっ、ファンでも遥華に言われると本当に嬉しいな」

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