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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
"SIX IMPOSTORS" AND "WHITE LIGHTNING"
1512/1612

1496件目【トウカ「あっ………」ハルカ「あっ…………」】

「あっ……、って何やねん。カオナシかよ」


「そ、そんな怒らなくても………」


「えっと、これは、ちょっとしたじゃれ合いっていうか……なんていうか………」


「そのじゃれ合いで数日前にお互いがそれなりの怪我を負うまで殴り合ったよな?」


「うっ………それは」


「それはそれ、これはこれ……じゃん?」


「はぁ?」


「「すみませんでした。大人しくしています」」



いや、そんなにビビるなって。威圧しているみたいになるじゃん。ちょっと怒った口調で喋っているから、多少なりとも圧が掛かるかもしれないけど………顔面蒼白になるほどか?


藤華の顔が遥華の顔くらいに白くなってる。遥華は元が真っ白だから、それ以上に白くなりようがない。それでも明らかにビビっているのは分かるくらいに顔に出ている。


私を挟んで喧嘩しているから、余計にうるさいなって思っていたから強めに言っちゃったけど。ここまで怖がれると複雑な気持ちになるよ。


こういうのがあるから、喧嘩を止めたくないっていうのもあるんですよ……



「怖がらなくていいから。別に怒りたくて怒ったわけじゃないよ?ちょっと高圧的になっちゃったのはごめん……」


「あ、藍姉ちゃんが気にすることじゃないんだよ………うん、私達が悪かったんだ」


「藍華が気にすることは何も無いよ。はははは……」


「気を遣われるのが丸見えでツラくなってくる」


「おはようございます。本日は休みですが、少しスタジオを借りたくて来ました。大丈夫でしょうか?」


「あっ、月也だ」


「月也さんが来た」


「雛形ちゃん。よーっす」


「お、おはよー。何で遥華と藤華ちゃんは何かに怯えているような感じなの?」


「藍姉ちゃんに怒られた……」


「私も………」


「2人が何かやらかしたんじゃないの?そうじゃない限り、藍華だって怒ったりしないでしょ。何も無いのに怒り出すような癇癪持ちの女じゃないでしょうよ」


「ちょっとね。色々とあったんだよ」


「あまり深追いするつもりは無いから。どーせろくでもない理由なのは察しがつく」


「その通りでしかねぇ」


「でしょうね」



雛形ちゃんが受付に来て、社長からスタジオの鍵を借りるとすぐに受付から出ていった。

雛形ちゃんの性格だから、ダラダラとお喋りしている少しの時間も自主練に充てたいんだろうね。今までよりも仕事が増えて、求められる仕事のクオリティも高くなってくる。そりゃ気も引き締まりますわな。


事務所だけじゃなくて、今までのレコード会社からワルキューレの子会社の一つでもあるレコード会社に移籍することになった。


移籍してすぐに遥華と2人のデュエット曲と、ソロ曲も同時にシングルとして発売することにもなっているから、新曲のレコーディングや関連の取材なんかも入っていた。


私達の事務所に移籍したっていうことにも結構触れられたみたいで、それなりに時間を取られた取材の仕事だったみたいだけど、そこまでの拘束時間では無かった模様。


一昨日が朝から夕方くらいまでレコーディング、昨日が取材の仕事のみで昼から夕方あたりまで。それ以外はオフって形だったから。特に疲れがあるようには見えない。


高校生が仕事して金貰うっていうだけなら、雛形ちゃんくらいの働き方がベストなんだよ。


早朝から現場に向かって事務所に帰ってくるのが日付をまたいで数時間経ってるとか………絶対におかしい。私達の働き方がブッ飛んでるんだよ。


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