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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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140件目【アイカ「早く授業終わらねぇかな……」】

4人でワイワイ話している。ふと、時間を見てみる。まだ20分以上時間が余っている。意外と時間が経っていないことにビックリだった。色々と話していたつもりだったのに……


あらためて、どんだけ中身が皆無の会話しかしてなかったんだって思ったわ。


私達のノートは前の物理の時間から一切書き込みが進んでいない。

未來と水月は一応ノートと教科書は開いているのだが、私と千柰都に関してはどちらも開かずにスマホを開いてキャッキャッしている。


一休さんは頭だけじゃなくて目も悪いから、私達が何か後ろの方で遊んでいるっていうのは分かっていても、何をやっているのかまでは分かっていないはず。


チラチラとこちらを見ているのは分かるが……スマホをいじってるのは本当に見えてないみたい。

一休さんは生徒がスマホをいじっているところを見掛けたら、問答無用で取り上げて反省文を書かせるくらいの徹底ぶりを見せている。


そんな人間が授業中に生徒がスマホをいじっているところを見て見ぬふりなんてするはずがない。


チラチラと見ているのも、スマホをいじっているのを自分の目で確認して明らかにいじっているのことが分かったら怒鳴り込むつもりなのだろう。


一休さんのことを色々と理解しているから、後ろの席でスマホも死角になるようにいじってたんだよ。私がスマホをいじる時も近くの生徒の体に重なって死角になるように調整したから。


位置とかも何となくだけど計算して見えないようにしているし、視力の悪さも相まって私がスマホをいじっているっていう証拠を得ることは黒板の近くに居る間は不可能に近いだろう。


近寄ってくるかもしれないっていうのも想定内なので、一休さんの動きには常に警戒している。


他の要因としても、私達の不真面目な態度を嫌う生徒がチラホラ居るということも知っているから、ソイツが上手いことチクったとしても、しれっと隠すだけで体を触られることも出来ない。男女問わずに生徒の体を勝手に触るというのは教師としては問題行動になるわけだ。


それが男の教師が女子生徒の体を触ったとなれば………下手したら懲戒免職っていうことにもなるだろうね。流石に女子生徒にセクハラするようなオッサンを置いておけるわけもないのでね。


そこは自分でもズルいとは思うけど……性別というのを利用させていただきました。使えるもんは自分の性別すらも上手く使っておけっていうね。


女っていう性別の使い道はこういう時にしか使えないもん。他に使っている奴は後々地獄を見ることになるのでね。

まぁ……これに関しては今の私と関係無い話なので掘り下げません。



というわけでですね。一休さんが私のスマホを取るなんていうのは不可能に近い。こういうしょーもない事から自分の思いどおりにしていって、そこから裏稼業の完全犯罪に応用していくっていうことをやっている。


普段から意識していないと、どこかで綻びが出たりするものだから。日常生活から定期的にしょーもないことでも頭使ってズルいことやらないとやっていけない仕事なのよ。


人を騙すっていうのも、滅茶苦茶労力使うんだよ。よく詐欺師ってあんなにも当たり前のようにやれるよなって思う。その才能をもう少し有意義に使えよって思うのは私だけじゃないよね。

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