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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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134件目【物論囂囂】

(芸能界って、本当に潰しちゃいけない逸材を潰しては、潰れたところで大したことない人間ばっかりをゴリ押しするのは何でだろうね?そうやってイエスマンのポンコツばかりがテレビの前に雁首並べたところで視聴者やファンが付くとでも思っているのかな?そういうのがあるから視聴率が下がったり、思うように収益が出なかったりするんじゃねぇのかなって。目先の金やら都合やらに左右されて長期的な物の判断が出来ない奴等が増えすぎたんだよ)



由利ちゃんは今年で28歳になる。


芸能界から姿を消して7年目になる。私達のマネージャーになってからは今年で4年目。空白の3年間は本当にツラかったっていう話を本人からも社長からも聞いている。


芸能界から姿を消した同時にワルキューレのマネージャーになったとは言え、心の傷が癒えない状態で自分が少し前までは同じような舞台で活動している人間のサポート。

目の前で自分が本当にやりたかったことをやっている他の人間が居るのだから、心穏やかで居られるはずもない。


一番タレントとの衝突も多かった。

「なんで私ばっかりがこんな目に!!」っていう気持ちが表に出過ぎちゃっていたみたい。私達が所属する前は特定のタレントやアーティストに付くっていうのは無くて、現場の裏方という環境に慣れていくために色々と回されたいたらしいけど、過去の自分のようにアイドルグループのマネジメントだけは本当に無理だったようで。


拾っていくれた社長の恩から無理をして口から血を吐いてまで頑張ろうとしていたっていうのを社長から聞いた。

社長が男子トイレの掃除を終わった時に女子トイレの前を通ったら、由利ちゃんが女子トイレの個室で何回も吐いている声を聞いたって。


その後に女子トイレの掃除も行った時に、その個室の便器の周りだけじゃなくて、洗面台のところにも血が付いていたって………


流石に見逃せなくなった社長からも「無理をするな」と強めに言われても、それに反発して号泣しながら「私だって……!こうなりたくてなったわけじゃないんだから……!」と社長に訴えかけたって。



それがあってアイドルのマネジメントはNG……所属している人間達も事情を知っていたから無理はさせないようにしていみたい。

ある程度は自分達のことは自分達でマネジメントを行うような風潮も出来上がっていったみたい。業界人で三日月の小鳥遊由利を知らないわけもなく、それがどうやって崩壊していったっていうのを知っている身からすれば、明日は我が身というのもあったのだろうけど。


「別に自分は関係無い」って思えるような事態ではなかった……と。そう強く業界の闇の恐ろしさを再認識させてるくらいに由利ちゃんはボロボロになっていたようで。


そこから落ち着いたところで、私達がデビューしたってところ。


そういう事情を当時は知らなかった私達からすれば、由利ちゃんは「私が面倒を見ます!」って自信満々に言った時は「こんな経験が少なさそうな人間に私達の何を面倒見れるんだ」って思っていた。



それは大きな間違いで……っていうのを知ってからは由利ちゃんは私達にとって偉大なる先輩であり、姉のような存在として見るようになった。

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