1034件目【ミク「遥華ちゃん……どんな走りを見せてくれるんだろうか?」】
「遥華ぁぁぁぁ!」
「あっ、藤華じゃん」
「あのさ………置いてかないでくれるかな?」
「置いていくつもりは無かったんだけど」
「しかも、藍姉ちゃんに絡みにいくなんて!自分の持ち場に戻りなさいよ!」
「えっ?やだ、無理」
「無理じゃなくて………一応は仕事なんだよ?」
「まだ契約していないし」
「藤華も優しくしてあげなよ。遥華は芸能界について知らないことしか無いんだから。暗黙の了解とかも………全く知らないっていうわけじゃないんだろうけど、細かいところまでは分からなかったり、仕事の流れっていうのは今はまだ自由にやらせておくべきだよ。まだ一般人なわけだし。そりゃ推しが近くに居れば少しでもコンタクトを取りたくなるっていう心理は当然と言えば当然の事だから」
「そ、
そういうことじゃなくて………!」
「私、負けませんから!全力で挑ませてもらいます!後、藤華………アンタにも負けるつもりは更々無いからね?」
「分かってるよ。私だって負けるつもりはないんだから!」
「こらこら、喧嘩しないのー」
「はぁ………もういいや。そろそろゲートの方に入るから」
「えっ?ゲート入るの?」
「そういう方がバラエティー性もあって面白いでしょ?っていう來依柰さんの判断で」
「姉ちゃんならそういうことを言い出しそう」
「競馬か………親戚のオジサンがちょこちょこやっているのは知ってるよ。競馬好きがあって、今は馬主としても活動しているし。私もちょこちょこ餌あげたりしているから」
「競走馬にする予定なのかな?」
「みたいだよ。まだ子供だから少し先の話になるかもだけどっていうので。登録する名前は【ホワイトライジング】っていう名前に決まってる」
「白い………えっ?ライジングって」
「私が付けたの。おじさんから私が好きに付けていいって言われたから。私のように全国大会で連覇するようにっていう意味合いを込めて、私の付けられている"白い雷神"から取ってホワイトライジングっていう名前にした。ライジングっていう単語なら、「昇る」とかっていう意味があるから。どこまでも上へ。天辺にいけるようにっていう意味を込めて付けたんだよ」
「ちゃんと光るネーミングセンスなのいいな。私なんて、面倒見てる牝馬の子馬ちゃんの名前なんて【リアルフェイス】だよ?特に思い浮かばなかったから。デビューが割と近いって聞いたから、だったらKAT-TUNのデビュー曲でも付けておくかっていうなで【リアルフェイス】って付けてあげた。気に入ってるようだから良いかなって」
「もしかして、ワルキューレの社長の牧場主が来ているっていう話を聞いたんだけど………その人の連れている雌の子馬が【リアルフェイス】なの?」
「そうそう。えっ?今日来てるの?牧場主さん?」
「みたいだよ。私のおじさんとも顔見知りだから。ホワイトライジングも連れてきてるって。同い年らしあよ。後、どっちも牝馬だし」
「な、なるほど………」
「子馬同士、仲良くしているっぽい」
「世間って狭いんだか広いんだか……よう分からんな」