100件目【DON'T U EVER STOP】
意外とサクサクと話が進んでまとまってきたな。未來が思ったよりも私達が知らない間に多方面に動いてくれたみたいだ。どうやら、サブタイでふざけているだけでは無かったようだ。
さっきまでのJUMPトークとジャニーズの話でどうなることかと思ったが………特に問題は無さそう。今後の大体の動きの流れを3人で共有できれば良かったので。
とりあえずは一旦は例の件についての話は終わりか。これ以上話すこともないので。
「ありゃ?2人も弁当食い終わったの?」
「おん」
「仕事とかでパパッと飯食わないといけない時とかあるから、それで自然と食べるの早くなっちゃったよね。体には良くないっていうのは知っていても、そうはさせてくれないのが世の中よ」
弁当を食べ始めてから10分ちょい。3人全員が弁当をたいらげていた。
小さい弁当だから早かったっていうわけじゃい。寧ろ、私達の弁当は男子よりも量がパンパンに入った大きめの弁当を持ってきている。
食わないと消費カロリーに追い付かなくて死にそうになる。それだけ体を動かしているんですよ。部活もあって、歌番組とかライブとか……本番やらリハーサルやらで動きっぱなしなんだよ。
食っても食っても体重が変わらない。少し増えたりはするけど、筋肉が付いて筋肉の重さで増えているだけだから、見た目は細いまま。
ちょっと下半身の露出が高い衣装を着ると、全員がアスリートみたいに鍛え上げられた脚がそこにある。エゴサすると、掲示板で「ゴリラみたいな体型のアイドル」、「3人ゴリドル」、「アスリートが副業でアイドルやってる」って言われるくらいに体が仕上がってます。
鍛え上げようとしてそうなったんじゃなくて、気付いたらなっていたっていうのが正しい。
家で筋トレとかランニングはしていても、ジムとか通っていないのに体が筋肉でバキバキになるって……どんだけ動いてんだよって自分でも引いたもん。
風呂上がりに体拭きながら全裸で鏡の前に立ったら腹筋がいつの間にか割れていたんだもん。自分の体型に引いたよ。「えっ?なんでこんなことになってるん!?」って。
ちゃんとやっている証拠なんだろうが………ちょっと頑張り過ぎだなって。
「ちょっくら一服でもしますかねぇ~」
「屋上に喫煙所あるのは有り難いよね。普通に先生とかも使ってるし」
「昼休みは先生達は屋上の喫煙所使わないもんね。そもそも、生徒と教師のどっちもが屋上をあまり使わない人が多い。まぁ、こんだけ監獄みたいな作りをしていたら誰も使いたがらないよね」
「それな~」
そうなのです。
屋上は私達3人が基本的に貸し切りみたいな状況になることが多いのです。先生達も使っているところを滅多に見ない。
階段上がるのも面倒臭いっていうのもあって、折角の青空が周りの有刺鉄線の鉄格子のせいで雰囲気がぶち壊しだ。
昼間でも薄気味悪い空間に見える場所に好き好んで行く馬鹿は私達くらいなものだよ。誰も来ないからこそ、私達も裏稼業の話を遠慮なく話せるし、備え付けの喫煙所も普通に使ってる。
喫煙所って言っても、普通に灰皿が野晒しに置いてあるだけ。縦に長い直方体の灰皿。駅前とかに置いてあるヤツと一緒の灰皿。
そこで3人で飯の後の心休めの一服を始めてます。喫煙者にとっては飯とタバコはハッピーセットだよ。