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08:街への移動

 Lvがもう1つ上がり、Lv4になった。この辺の敵は弱くこれ以上Lvを上げるのは難しそうだ。


「では、いよいよ街へ向かうのですね」


 流石に攻撃スキルなしで向かうのは不安があるため、回転斬りを覚えて貰った。


剣士スキル:【回転斬り】

自分を中心に1回転しながら攻撃をする。周辺の敵に斬撃ダメージを与える。


 これで複数の敵に囲まれた場合も、対応できるようになった。


「大丈夫ですか?」


「はあ、はあ、はあ、大丈夫……です」


 ヤマトさんが凄く辛そうにしている。家から街まで大体2時間程度、徒歩で移動が必要になる。30分程度歩いたあたりからヤマトさんは体力がつきかけていた。


(これが手術を受けていない人の弊害なのか……?)


 圧倒的な知識を手に入れる代わりに、こんな数分歩いただけで体力が切れてしまっているのかもしれない。


 旧時代では手術者と未手術者で能力差が大きく、あまりにも差が出来てしまうため差別があったとも聞いている。その時代を体現するかのように、彼には体力の無かった。


 辛そうなヤマトさんを励ましながらなんとか平地に出て建物の中に入る。


「建物内には魔物は進入してきません。ゆっくり休んでください」


「ああ、ありがとう……」


 地面に横になり休む姿を見ていると、そうとう無理をさせてしまったみたいだ。


「ここで後どれくらいですか?」


「そうですねようやく半分というところでしょうか」


「なるほど……」


「向かう先は僕が借りているマンションになります。ここから先は道も舗装されていますので、恐らく先ほどよりは楽になると思います。」


 少しでも気持ちを楽にしてもらうため、知っている情報を伝えていく。


「うまく隠れながら向かえば戦闘もなく移動することができます。もう少し頑張りましょう」


「ええ、無事辿り着きましょう」


 休憩をはさみ移動を開始する。先ほど彼には半分と伝えたが実際は敵を避けながら移動するため、もっと時間はかかる。


「ヤマトさん、こちらに隠れてください」


 物陰に身をひそめる。前方にいるのは今のLvでは太刀打ちできない敵だ。


「ヤマトさん、こちらに隠れましょう」


 少し進むとまた敵がいた。その敵は集団で狩りをするタイプで、見えるだけでも5匹はいる。


「くっ、中々進めませんね。敵が多すぎる」


 中心街から外れれば外れるほど敵の数が増える。その理由として、間引きがされていないからだ。自分の居住区から近いところで十分狩りができるのなら、わざわざ遠くへは行く必要がない。


それで問題になっている地域もあるが……


 組織的に管理をすることで安全に狩れるが、それで差別や賄賂が行われている地域もあるという。


「ヤマトさん――」


「ちょっといったん、そこの建物に入りませんか?」


「え、はい。大丈夫です」


 どうしたのだろうか、体力はまだ切れている様子がない。まさか何か妙案が!? 建物の中に入り、彼の話を聞くことにする。


「これはシンボルエンカウントですね」


「シンボルエンカウント、ですか?」


聞いたことのない用語に戸惑う。


「はい、更にいえばランダムウォークです」


「……」


 旧時代の言葉だろうか。少し落ち着いたら僕も歴史の勉強をしようと心に決める。


「シンボルエンカウントには、大きく2つの弱点があります」


「それは一体――!?」

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