06:新スキル獲得
「――すごい!」
こちらは安全圏から一方的に攻撃ができる。こんな狩り方は見たことも聞いたこともない。
旧時代の遺物を難なく使うことから、かなりの智者だとは分かっていたが、ここまでとは……
一体どういう生活を送れば、こんな妙手を思いつくのか、想像できない。
一方的な狩りを終えてレベルを確認すると、Lv3に上がっていた。信じられない速度だ。
Lvが上がったことでやれることも増える。これから少しでも彼の手助けをして、少しでも彼に追いつけるようにするべきだと思う。
「Lv3になりました。これで剣術スキルを覚えられそうです」
「いや、剣術スキルは後回しです。」
「え――」
剣士が剣術スキルを後回しにする理由が思い当たらない。
くそっ! 彼に少しでも追いつけるようになろうと考えた途端どうだ。彼の真意を読み取ることができない自分を歯がゆく思う。
「取るスキルは戦士スキルのタウントと盾スキルのシールドバッシュです」
戦士スキル:【タウント】
敵に挑発行動を行い、タウントを行った人間に攻撃を一手に集めるスキル。タウントを使った人間は積極的に敵に狙われる。有効範囲は使用者から半径20m以内の敵。
盾スキル:【シールドバッシュ】
シールドを相手に向けて叩きつけるスキル。バッシュを貰った相手は2秒間のスタンを食らい、行動不能となる。単体スキルでダメージはない。
二つのスキル説明を見る。シールドバッシュはまだ分かる。バッシュからの連携で攻撃を仕掛けることができるだろう。
「タウントスキルは、取る意味があるのでしょうか……」
「ああ、時期に分かりますよ」
そういって彼はニッコリと笑った。




