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20:手錠
え、殺し合い?
決闘がどんな意味があるかを聞いて冷や汗が出る。まずい、作戦の前に死んでしまったらどうしよう。策士策に溺れるとはこういうことか。だが言った言葉はひっこめられない。なんとか時間まで引き延ばしが必要だ。
「決闘ではコレを使用しましょう」
「それは……手錠か」
「ええ、これをつけて逃げれないようにします。死んだら負けです」
「……いいだろう」
それぞれの左手に手錠をつける。これで互いに逃げることはできない。明らかな弱者からの挑発のような提案、何か裏があると分かっていても乗らざるえない。そんな思惑があったが、あっさりと了承される。
「さあ、始めましょう」
殴り合いが始まる