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01:希望
「ここか……」
今回ソラが訪ねたのは山奥にある一軒家だ。まわりには建物はなく自然溢れる場所で、およそ人が住んでいるようには見えない。
そんな山の中にその家は建っていた。
世界に混乱が起き、中々進まない魔王の攻略。そこに一縷の希望を抱いてこの場所を訪ねた。
「やあ。こんにちは」
その人物はまるで僕がここを訪ねることを知っていたかのように、家の前に立っていた。
「失礼ですが、貴方がヤマトさんでしょうか」
「いかにも私がヤマトです。ここへは例の件で?」
ドキリとする。家の前に立って待っていた件もそうだが、なにもかも見透かされているような感覚だ。
「はい、是非ヤマトさんには世界を救っていただきたく、こちらに来ました」
「……立ち話もなんです。よければ中にどうぞ」
そういって家の中に通される。