16:プレイヤー
「では明日は一日休みにしましょう」
今日の狩りを終え、明日の予定を伝える。最近ではカイトも混ざって二人で狩りをしており、経験値の効率も上がっている。
「ソラ、私は明日フィールドボスの調査をします。ソラにも一つやっていただきたい仕事があります」
ソラに声をかける。そろそろ問題を解決する方向に動こうと思う。
ソラに仕事を任せ、次の日は外に出る。ARデバイスを使用して周辺を探る。
(いた――)
先日すれ違ったフィールドボスだ。デバイスをつけたままフィールドボスの方向へ向かう。この足音がなっている時は、市民は音もたてず建物に引きこもっているので調査もしやすい。
(やっぱりそうか)
最近感じていたが魔物は俺に【反応していない】ようだ。仕組みは分からないがデバイスの手術を行った人間が、このゲームのような世界のプレイヤーとして活動できるようだ。
手術をしていない人間は、あくまで観戦者。現実世界にしか手出しは出来ず、拡張現実は見ることしかできない。しかしそれは好都合だ。
ドシンドシンと歩くフィールドボスの後ろをついて歩く、片手には地図を持って。歩く速度はそんなに早くなく、あくまで威圧を目的とした徘徊だ。3回プレイヤーを見つけフィールドボスの動きを見ることができた。
その動きを見ていてフィールドボスの特徴を大体知ることができた。これなら討伐は難しいが利用はできるかもしれない。家に戻り、ソラの帰りを待つ。しばらくするとソラが戻ってくる。
「ただいま戻りました」
「ああ、おかえり。どうだった?」
「……残念なことに、ヤマトさんの懸念した通りカイトさんは西東組と繋がっていました」