表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/41

14:ヤクザ

 決して枠に捕らわれない、そんな戦い方だった。僕では思いつきもしなかっただろう。


 拡張現実という枠を飛び越え、リアルに対して攻撃を仕掛ける。なぜそんなことを思いつけるのか、不思議で仕方ない。


死体を運ぶこともそうだ。


 戦闘終了後の死体を運ぶことは、ない。なぜなら魔物の死体は残らないからだ。いや仮想現実においては、存在していない。


 彼の言い方に揃えるなら、PvEとPvPは戦い方が違うという。その違いを身をもって教えてくれたのだろう。


「おすすめされた?」


「あ、ああ。知り合いが、人間を殺すのが経験値集めになっておすすめだぞ、って」


「ちょっとその人物のことについても教えてもらおうかな」


「いや、それはちょっと……」


「ヤマトさん、恐らく西東(サイトウ)組です」


西東(サイトウ)組?」


「はい、以前まではもう少し東側を拠点としていた団体なんですが、最近この辺にも勢力を伸ばしていると聞きました」


「ヤクザですか?」


「……そうです。さすがヤマトさん。ヤクザをご存知なんですね」


「ええ。以前そういったジャンルもやったことあるので」


「聞く話によると経験値を上納することで、身の安全を確保して貰っているとか」


「ああ、なるほど。そういう仕組みですか」


 ヤクザ。地域差はあるものの大体やっていることは同じで、周辺地域を取り仕切る人間たちだ。


「つまりこの男は、そのヤクザに経験値を上納するために、我々を襲ったということですか」


「ち、違う! 俺はヤクザの傘下には入っていない!」


「では、なんで我々を襲ったのですか?」


「知り合いにおススメされたんだ! 人殺しは経験値を貯めるのに効率がいいって! リスクも少ないって聞いてたんだが……」


「そうなんですか?」


「いえ、特に経験値の効率がいいというのは聞いたことありません。」


「じゃあこの男性は、騙されたってことですね」


「そ、そんな――」


 ガクリとへこむ男性。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ