11:釣り
「うん、この辺は良さそうだ」
家から徒歩で20分程度。このあたりまで離れると大分人の気配もなくなる。近くに小屋もあるので小休止も可能だろう。魔物のレベルは分からないので、適正かどうかは不明だ。ただこの辺は1体で行動している魔物も多く、ソロには狩りやすい狩場だろう。
「ソラ、適当に1体と戦ってみようか」
「はい!」
果たしてこの辺の敵は倒せるのだろうか。
小型の魔物を選んで攻撃を仕掛ける。
「ソラ、シールドバッシュだ」
「はい!」
バッシュを食らいスタンが入る。よし状態異常は問題なく効きそうだ。タウントは……今はよしておこう。
「ソラ、通常攻撃」
「はい」
通常攻撃を繰り出すと、スタンから回復した魔物に反撃を食らう。
「いけるか?」
「はい、大丈夫です!」
「よし、続けて通常攻撃だ」
というかこれなら俺の指示いらなくないか?
戦ってみた感想は倒せなくはないが、連続戦闘は無理といったところだ。戦闘が終わる、または魔物が2体以上だった場合は大人しく小屋へ避難をする。
(あまり効率は良くないな)
街の人間はこんな戦い方を常にしているらしい。それはレベルが全然上がらないわけだ。
さて、どうするか……
そんなことを考えていると一人の男性がこちらに向かってくる。
「ヤマトさん!」
「ああ、どうやら釣れたようだ」
待っていたよ、PK。