いっしょに走ろ!
マラソン大会の日。
「いっしよに走って、いっしょにゴールしない?」
私は親友にそう持ちかけた。
「うーん。やめとくよ」
「なんで? こんなの遊びみたいなものじゃない」
「とにかく、やめとく」
「なんでよ・・・」
私はプリプリ怒りながら、その場を去った。
マラソン大会、結果。
私は1位だった。親友はビリだった。
親友は言った。
「ほらね。私といっしょに走らなくて正解だったでしょ」
たしかに順位にこだわるんなら、いっしょに走らない方がよかっただろう。でも、
「こんなの遊びだって言ったじゃん。私はいっしょに走って思い出つくりたかったよ・・・」
親友は困った顔をして、
「意見の相違だね。私はあなたに、ベストを尽くして欲しかったから」
私はとっさに、何も言い返せなかった。
それでも、やっぱり思い出つくりたかった。なんだか難しいなー、友達って。
私はたまにそう思う。