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強烈な虚無
「ただいま」が 虚しく 部屋に 木霊したから。
今夜も独り 私は 強烈な虚無を 飲み干す。
訳もなく 零れる 涙。
寂しさで 震える 指先。
人恋しさに 掻き毟る 体。
皮膚の下では 芋虫が 這い回っているのではないかと 夢想する。
ああ、足りない、足りない。
虚無が、足りない。
慢性の嘔気を 嚥下すると それでも私は。
微睡を圧し除けて 本日 何度目かの 冷蔵庫へと 向かった。
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ヒント①…… 『強烈な』
ヒント②…… 『虚無』