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珍品のイーディー

「うふふっ...ジャレオ様♡」


エリザリアは俺の腕にしがみつきながら歩いていた。また俺の腕が彼女の谷間に挟まっていた。


「その...エリザリア...」


「はい!何でしょうか!ジャレオ様!」


「いや...やっぱり何でもない...。」


「?」


俺達はすでにロージアン王国の中央市街地にいて、通行人が大勢いた。そんな中、エリザリアがありえないくらい俺に密着してると、やっぱり目立つ。もう注目の的なのだ。


通行人に男女のカップルはそこそこいたが、どのカップルよりも俺達はイチャイチャしているように見えているのだろう。恐らくは一組だけクリスマスの熱々カップル状態になっていたのだろう。


もちろん凄く恥ずかしかったが、俺の腕にむにゅっと当たるエリザリアの豊満な胸の感触が、相変わらず最高だったので、俺は恥ずかしさを切り捨て、この瞬間を楽しむ事にした。


俺とエリザリアは依然変わりなくクリスマスカップル状態で歩いていると、ある商人を見かけた。


「あっ...!あの人だ!うん...間違いない...。」


「あの方がジャレオ様がお会いしたかった商人の方ですか?」


「ああ...その通りだ。早速声をかけるか...。」


俺は商人に近づいた。


「おーい!ちょっといいか?」


「おや...?」


商人はこちらを振り返った。




「貴方が商人のイーディーさんか?」


「はい、いかにも...、『珍品のイーディー』といえば私の事でさあ...。」


商人のイーディーさんは全身を覆うかのごとく大きなローブを着ており、フードを目元が隠れるぐらい深く被っていた男であった。


「光栄ですな...私の名前を覚えていただけるなんて...商人として嬉しい限りでございやす...。」


「俺の欲しい武器を売ってそうな商人に総当りで会っていこうと思ってな。昨晩この国で商売をする商人を調べた...。」


「へへへっ...それはそれは...。」


イーディーさんは笑った。


「それで本題に入るのだが...このナイフと同じ性能...、素早さが上がれば上がるほど攻撃力が高くなる武器を売ってないか?それで出来れば攻撃力アップの上限が高いものが欲しいんだが...。」


「スピードナイフと同じ性能...少々お待ちを...。」


イーディーは自分の馬車に入った。


しばらくすると、革の鞘にしまってあるナイフを持ってきた。


「『アレグレンズナイフ』...こちらなんていかがでしょう?50年前、最も悪名高かった盗賊団『ホワイトスネイク』のリーダー、アレグレンが愛用していた短刀でございやす...。攻撃力の上限は正直、あっしにはわかりませんが...、かなりのレアモノであることは間違いないでしょう...。」


「ちょっと持ってみてもいいか?」


「へい!もちろん!」


俺はアレグレンズナイフを持ち、スキル『完全逃走』を発動させた。


「ジャレオ様、どうですか?」


「ああ...これはいい。ステータスを見てごらん。」


「攻撃力...1350!!Aランククラスの剣士の攻撃力の平均が1500程度と言われていますから、この時期でこの攻撃力は規格外ですね...。」


「ああ...今のランク帯の敵ならワンパンだろう...。」


「お気に召されたでしょうかい...?」


「ああ...、素晴らしい短刀だ...。値段はいくらぐらいだ?」


「そうでさあねぇ...40000ゴールドと言ったところでしょうか...。」


「40000ゴールドか...現金は持ってないんだが、金塊2つと交換できないか?」


「はい、構いませんぜ...。金塊2つも40000ゴールドも同じ価値ですから...。」


「ありがとう助かるよ...。」


俺は金塊2つをイーディーさんに渡した。


「はい、確かに...。」


イーディーさんは俺にアレグレンズナイフを渡した。


渡されたアレグレンズナイフをしまい、イーディーさんに話しかけた。


「ところで他にもこういう系統の武器はあるか?」


「いえ...、今の所はそれだけでさあ。あっしの聞く限りではこういうタイプの武器の情報はかなり少なくて...。ダンナがお望みなら可能な限り品物か情報を入手して来ますがどう致しましょう...?」


「ああ...それは助かる。情報さえ手に入ればそれでいい、こちらから取りに行けばいいからな。物が手に入ったなら尚更手間はかからなくなる...。よろしく頼むよ...。」


「かしこまりやした...。」


イーディーさんは金塊を馬車にしまった後、俺達に尋ねた。


「そういえばダンナと彼女さんは冒険者ですかい?」


「ああ、そうだ。」


「それでしたらちょいと珍しいMP回復薬を売っていやして...こちらもどうでしょう?」


「MPって言うと魔法や特技技を使った時に消費する魔力のことか?」


「へい、いかにも...。」


「ちょっと見せてもらってもいいか?」


「どうぞどうぞ...好きなだけ見ていってくだされ...。」


イーディーさんはある木箱を取り出し、蓋を開いた。

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