新たな仲間、エリザリア
寝起きのエリザリアはネグリジェの肩紐がズレ下がっており、エロかった。
「すみません、ちょっと準備してきますね...。」
「ああ...。」
エリザリアは洗面所に向かった。
いつも通りの冒険者の服装になったエリザリアは俺に尋ねた。
「すみませんジャレオ様...。一つお付き合いして欲しいことがあるのですが...。」
「うん?何だ?」
「その...私の両親とお会いしていただけませんか?」
「エリザリアのご両親に...。」
「はい、両親と共に改めてジャレオ様にお礼の言葉を言いたいんです。ジャレオ様は私だけでなく私の家族をも救って下さいましたので...。」
エリザリアは続けた。
「それに50000ゴールドという大金をいきなり両親にあげたら、間違いなく、不審がると思うので...。」
「なるほど...。」
「もちろん、お忙しかったら断っていただいても...」
「いや、それは悪い。行くよ。」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
エリザリアはお辞儀をした。
「うん、それじゃあまずエリザリアのご両親にご挨拶しにいこうか...。」
「はい!」
俺とエリザリアは宿屋を出て、エリザリアのご両親のもとへ向かった。
「着きました、ここです。」
「ここか...。」
俺はエリザリアの家に着いた。
エリザリアの家があった場所の近辺は、地面がえぐれていたり、そびえ立っている大樹が、葉がなく黒焦げになっていることから、この辺りで凄まじい戦いがあったことは容易に想像できた。
またエリザリアの家だけでなく、近辺にも仮設的に建てられた家が数多くあった。
「私が来た時よりしっかりした家になっていますが、もともと住んでいた家に比べるとまだまだ復興出来ていません...。」
エリザリアは続けた。
「それでは中に上がってください。あまりおもてなしは出来ませんが...。」
エリザリアがドアをノックするとドアが開き、一人の女性が出てきた。
「ただいま!お母さん!」
「あら!エリザリア!お帰りなさい。」
「お母さん聞いて!とてもお優しくてお強いこちらの冒険者様のジャレオ様が私達にお恵みなさって下さるの!」
「え?」
エリザリアのお母さんは困惑していた。
「なるほど...そういうことが...。」
俺とエリザリアはエリザリアのお母さんに50000ゴールドを手に入れた経緯を伝えた。
「申し遅れました...。私はラウレーナと申します。娘がお世話になっております。」
ラウレーナさんはお辞儀をした。
ラウレーナさんはエリザリアに似て、美人で豊満な胸をしていた。長く伸ばした黒髪は少しウェーブが掛かっていた。
「お母さん、お父さんは?」
「お父さんは今働いているわ、これ以上エリザリアに迷惑はかけられないって言って、仕事を掛け持ちし始めたの...。」
「そうなんだ...。じゃあお父さんにジャレオ様をご紹介できないね...。」
「ええ...。」
ラウレーナさんは続けた。
「ごめんなさい、ジャレオさん。せっかくお越しいただいたのに家族全員でご挨拶できなくて...。」
「いえいえ!そんな...。」
しばらく間があった後ラウレーナさんは言った。
「ジャレオさん、本当によろしいのですか...?こんなにも多額のお金を...。」
「はい、そのために手に入れたお金ですから...。なんの気兼ねなく貰ってください。」
「決意は固いようですね...わかりました.......。ありがたく...頂きます........。」
するとラウレーナさんはハンカチで目元を覆った。
「あぁ...なんとお礼を申し上げればよいのでしょうか...。」
「...!」
ラウレーナさんの頬に涙が流れていた。
「ジャレオさんの目を見て...全く偽りのない...真実のみを伝えているのだと実感致しまして...。ジャレオさんは...本心で私達を救う為に力を尽くして頂けたのだと実感致しまして...。」
「ラウレーナさん...。」
「やめてよ...お母さん...私まで...もらい泣き...しちゃうじゃん...今まで...我慢してたのに...。」
エリザリアも涙を流し始めた。
「エリザリアも...。」
「すみません...取り乱してしまって...。」
「いえ、そんな...。」
しばらくの間ラウレーナさんとエリザリアは溢れる涙をずっと拭っていた。
「本当にありがとうございました...。」
ラウレーナさんが深くお辞儀をした。
「いえいえ...。」
挨拶を終えた俺は再び旅に出ようとしていた。
「では、俺はこれで...。」
「あっ...ジャレオ様!1つよろしいでしょうか?」
エリザリアが俺を呼び止めた。
「うん?どうした?」
「その...私...ジャレオ様と一緒に冒険したいのですが...!!よろしいでしょうか...!!ご恩をお返しするどころか、ご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが...。それでもジャレオ様と一緒に居たいんです!」
エリザリアの決意に対して俺はこう答えた。
「もちろんいいに決まっている、大歓迎だ。エリザリア、俺と一緒に冒険しよう!」
「...本当ですか...?嬉しい...!ありがとうございます!!」
エリザリアの表情はぱっと明るくなり、俺を抱きしめた。
「あっ...そうなったら私も準備しなくちゃ...!ごめんなさい、ジャレオ様!少しだけお時間を下さい...!」
「ああ...待ってるよ。」
「ありがとうございます!すぐに準備しますので...!」
「別にゆっくりでもいいぞ。」
俺は晴天の青空を眺めながら、エリザリアを待つことにした。