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合同依頼

「冒険者の皆様......! ありがとうございました......!」


ケイスター村の皆さんは俺達をお見送りした。


俺達は村人達に向けて手を振り、馬車に乗込んだ。


コーデリアさんもキャビンに乗り込み、馬車はロージアン王国に向けて出発した。





しばらくすると、馬車はロージアン王国に到着し、俺達はドミニエルさんのもとへ向かった。


ギルドマスター室に着いた俺はノックをした。


「ドミニエル様、只今戻りました。ジャレオです。」


「おお! 来たか......。入っていいぞ。」


「失礼します。」


俺はドアを開けた。


「ご苦労であった......。うむ......? そちらの女性は......?」


「あっ......えっと......お初にお目にかかります......! 『活性の魔女』のコーデリアです......! この度、ジャレオさんのパーティーに加入させて頂きました......。至らぬ点もございますがよろしくお願い致します......♪」


コーデリアさんはかなり緊張していた。


「おお! そうかそうか! ワシも大いに歓迎しよう!」


ドミニエルは続けた。


「さて、報告を聞こう。そういえば討伐した魔物を聞いていなかったな。どんな魔物だった......?」


「はい。ステルスウルフです。」


魔物を名を言うと、ドミニエルは目を見開き、驚いた。


「なに、ステルスウルフをか!?」


「はい......。俺が見聞して得た情報と一致していたので......。間違いないでしょう。」


「そうか......。」


ドミニエルは感心したようにそう呟いた。


「ステルスウルフはBランクの中でもトップクラスに討伐難易度が高い魔物だ。Aランクの冒険者が数少ない理由の一つとして、昇格条件にステルスウルフの討伐依頼があるからと、数多くの冒険者は言う......。強さは折り紙つきだろう。」


「ステルスウルフを討伐出来るなら、もう君達はCランクどころか、Bランクの魔物の殆どを余裕綽々で討伐出来るだろう。いや、大したものじゃ! ほっほっほっ〜!」


ドミニエルは満足そうにしていた。


「そうなんですか......。」


「ああ......間違いない......! あっそうじゃ、報酬を渡そう.....。」


ドミニエルは部屋にある金庫を開け、金貨の音がする大きな袋を取り出し、机の上に置いた。


その時に、明らかに重い物を置いた時の音がした。


「かなりの金貨が入ってそうですが......金額としてはどのくらいですか......?」


「400000ゴールドじゃ。」


ドミニエルは平然とその金額を口にした。


「400000ゴールド......!? そんなに貰っていいのですか......!?」


「もちろん構わない。君達の実力を考慮すれば、寧ろ、少ないくらいじゃ。」


ドミニエルは続けた。



「正直言って、冒険者ギルドの運営側の人間はそんなに立場は強くなくてな......。ギルドマスターですら、冒険者に対してあんまり強く物を言えない......。冒険者に愛想尽かされて、別のギルドに入ったら、ワシらとしたら終わりなんじゃよ......。」


「しっかりと冒険者の働きを考慮し、適正な報酬を払うのが、冒険者ギルドの理想なのだが、如何せん最近出費が多くての......。これ以上報酬を出すのは厳しいんじゃよ......。」


「なるほど......そうなんですね......。」


「ああ......。君達のような若い者に、金の話をするのは気が進まないが、知っておいて欲しくての......。」


「わかりました......。それでは有り難く、頂戴致します。」


俺は400000ゴールドを手持ちに入れた。


「それともう一つ話しておきたい事がある......。」


「何でしょうか?」


「君達には......ある合同依頼を受けて欲しい。」


「合同依頼......ですか。」


「そうじゃ......先程も言った通り君達の実力から考えればBランクですらほぼ生ぬるい。Bランクトップクラスの魔物でようやくそれなりに戦いになると言える......。ただ規則で2ランク以上の昇格はワシらのギルドだけでなく、全世界でも禁止されていてな......。Bランク以上の昇格は出来ないのじゃ......。」


ドミニエルは続けた。


「そこで君達には、14組のBランク上位層からAランクの冒険者パーティーが集う、大規模な依頼に参加してもらおうと思う......。そこでなら場所を選べばAランク級の魔物と闘えるだろう......。」


「どうする......? まあ、Bランクの依頼をのんびり進めてもらっても構わない。合同依頼は言わばボーナスステージみたいな物だからな......。成果によってAランク昇格に大きく近づくだろうが......。」


「少し話し合いをしてもいいですか?」


「勿論構わない。存分に話し合ってくれ。」


「有難うございます......。」


俺は皆と相談を開始した。


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