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恥ずかしがり屋の魔女 コーデリア

ベイシムさんを連れて俺達はコーデリアさんの家に着いた。


コーデリアさんは俺達をリビングルームに招待した後、ベイシムさんを自分の研究室に案内した。


「ここの本棚は私の研究記録が書かれています。持ち出しても構いません。ご自由にお読み下さい♪」


「おおっ! ここが......!」


「それでは私はジャレオさん達のもとへ行きますね♪」


「承知いたしましたっ!」


コーデリアさんはリビングへ向かった。





「お待たせしました〜♪」


コーデリアさんがリビングに戻ると、エプロンをつけ始めた。


「そろそろお昼ですね! お食事をご用意しましょう♪」


「あっ......私も手伝います!」


そう言ってエリザリアは『強制裸エプロン』付け始めた。どうやらエリザリアも昼食の準備のお手伝いをするようだ。


料理上手の2人が手を取り合えば間違いなく美味い料理が出来上がるだろう......。楽しみだ。


うん!? 待て、『強制裸エプロン』だと!?


エリザリアがエプロンを着け終わると、すぐさま身に着けている服が、するすると脱げた。


「エ、エリザリアさん......! 服が......!」


「あっ......これ、着ると服が脱げてしまう不思議なエプロンなんですよ〜! ジャレオ様が私にプレゼントして下さいました!」


「そうなのですか.....。ふふふっ......でも、何だか凄く興味深いエプロンですね......!」


コーデリアさんは笑顔でそう言った。


俺と共に遠くで二人の様子を見ていたエレノアは、静かに訊いた。


「ジャレオ......お前......もしかして変態なのか?」


程よく間を開けた後、真剣な表情でエレノアに言った。


「......ああ。」


「『ああ。』って......ふふっ......。」


エレノアは手で口元を覆い、笑みを隠していた。


ちょっと最近エレノアの笑いのツボがわかってきたような気がする。まあ、共に幾度の戦闘を潜り抜けてきた仲だからな......。


それにしても何故エリザリアは『強制裸エプロン』を持っていたんだ......。謎だ......。


程なくして料理は完成し、俺達は楽しく食事をした。




そして、こんな調子で楽しく過ごしていたら、あっという間に2日経った。


楽しい時間は本当に時間が経つのが早い。




「ここまで来れば、コーデリア様の教え無しに1人で読み進めても、ある程度は大丈夫そうだ......! 本当に有難うございました! コーデリア様......!」


ベイシムはこの2日間である程度、魔女の文献を読むのに慣れてきたようだった。


「いえいえ♪」


コーデリアさんは微笑みながらそう言った。


「すみません、それでは事前に言いました通り、ケイスター村の皆さんはベイシムさんにお任せします......。」


「はい! 承知致しました......! お気をつけていってらっしゃいませ......!」


コーデリアさんはベイシムの家を後にした。




「おっ......あれだな。」


ケイスター村の入口で俺は、ロージアン王国行きの馬車がこちらに向かって来るのを確認した。


「......二人とも悪い、やっぱり俺、行って......。」


「すみません......!! 皆さん......!! ちょっと待ってください......!!」


俺が言い終わる前に、コーデリアさんの大きな声が聞こえた。


ケイスター村の方を振り向くと、コーデリアさんがこちらに向かって走っていた。


「コーデリアさん、どうしました?」


「はぁ......はぁ......突然の申し出で申し訳ないのですが......。」


呼吸を整えた後、コーデリアさんは言った。


「私も......皆さんと一緒に冒険させて頂けませんか......!!」


コーデリアさんは続けた。


「皆さんと出会ってから今までずっと楽しくて幸せで......。そして......皆さんはとても心優しくて......それで今の私は、皆さんのお力になりたいって気持ちでいっぱいで......!」


「戦闘は、からっきし分からないのですが......それでも一生懸命、出来る事をしますので......!」


溢れる想いをコーデリアさんは熱弁した。


「......ありがとう、コーデリアさん。」


「......?」


「正直な所、コーデリアさんと一緒に冒険したくてたまらなかったんですけど、いきなり魔物との戦闘が当たり前な冒険者の旅にお付き合いさせるのはどうかな〜って思っていて、結局言い出せていなかったんですよね......。」


「直前の事は気にしないで下さい。俺も直前になってからコーデリアさんを誘おうと思っていたので......。」


「魔女の薬は偉大です。戦闘においても、例外ではなく、必ずや、大きな支えになるでしょう......。是非、俺達と一緒に冒険しましょう......!!」


「あ......あ......あ......ありがとうございます......!! 私......精一杯頑張ります......!」


コーデリアさんは深く一礼した後、すぐ、俺達の所へ駆け寄った。


恥ずかしがり屋の魔女、コーデリアさんが仲間になった。

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