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魔女コーデリア

俺達の乗っている馬車はケイスター村に着いた。


ケイスター村は穏やかな村であり、多くの作物が栽培されていた。


「それじゃまずは村長さんに挨拶をしようか。」


「はい...!」


「まあ、まずはな...。」


俺達はケイスター村の村長のもとへ訪ねた。


「すみません、ロージアン冒険者ギルドの冒険者のジャレオです。調査依頼を受けて参りました。」


村長の家の前に立った俺はそう呼びかけた。


「おお! 冒険者様ですか! どうぞお入り下さい...。」


「失礼します。」


俺はドアを開けた。


中に入ると村長らしき老年の男が佇んでいた。


「どうぞお掛け下さい...!」


俺達は誘導された椅子に座った。


「魔女に襲われているとの事ですが......。」


「はい、ここ最近の村人が襲われる事件はすべて魔女の仕業でしょう......。」


「大型魔物の痕跡が見つかっていますが、それでも魔女の仕業と思われますか...?」


「魔女ですからね。魔物を手懐けるくらいなんて事はないでしょう......。」


「......そうですか、わかりました。魔女の居場所はご存知ですか? 今回は調査が主な目的でしたが、お望みとあらば敵の討伐も引き受けましょう。」


俺は続けた。


「我々3人の強さは、ギルドマスターのドミニエルに太鼓判を貰う程です。如何なる敵が立ち塞がろうとも、打ち砕く事が出来るでしょう。」


「おお! それは心強い! 魔女はこの村を北に進んだ所にいます。是非とも諸悪の根源を絶やしてくだされ......。」


「わかりました。では行って参ります。」


俺達は村長の家を出た。


「ドミニエル様の言う通り、確かに災難はすべて魔女の仕業だと思い込んでいるようだな......村長でさえも......。」


エレノアは腕を組みながらそう言った。


「ああ、現状では何を言っても信じないだろう......。」


「ジャレオ様...これからどうしましょう......。」


エリザリアは悩ましげな表情で俺を見つめた。


「...魔女のもとへ行こうか。ここの村人達より大型魔物について何か知っている可能性が高い。話を聞いてみよう。」


「わかりました...!」


「ああ、確かにそれがいいな。」


二人は俺の意見に同意した。


意見が一致した俺達は早速、村長の言う通り北の方へ進み、魔女の家へ向かった。


程々に穏やかな道を経て俺達は魔女の家に着いた。


ドアの前に立ち、俺はノックした。


「すみません、冒険者のジャレオです。『活性の魔女』さん、いらっしゃいますか?」


「はーい! 今行きまーす!」


家の中から女性の声が聞こえてきた。


少々急ぎ足の足音が5歩程聞こえた後、ドアが開いた。


「どうも〜お待たせしました〜♡ 『魔女』のコーデリアです♪」


コーデリアと名乗る魔女は、ニコニコと笑みを浮かべながらそう言った。


「急に訪ねてすみません。今ケイスター村の近辺に出没している大型魔物について調査をしていまして。」


「ああ、それならよく知っていますよ〜♪ 『ステルスウルフ』の事ですよね?」


「......! 正体を知っているのですか?」


「ええ! 勿論ですとも! あっ......立ち話も何ですので、どうぞお上がり下さい...。」


「それはどうもすみません、お邪魔します......。」


俺達はコーデリアさんの自宅に上がらせてもらう事にした。




魔女コーデリアの鮮やかな桃色の髪は背中まで伸びており、ウェーブがかかっていた。明るい翡翠色の瞳は人を惹きつけるのに十分すぎるほど美しかった。


そして顔つきだけでなく、スタイルも抜群であり、豊満な胸と、ほど良く大きいお尻をしていた。


また、俺はあまりアクセサリーに詳しくない為、しっかりとした鑑定は出来ないが、見た感じ高価そうなネックレスを掛けており、胸元が大胆に露出している真紅のイブニングドレスを着ていた。


「すぐお紅茶をお出しします。」


そう言って、コーデリアさんは部屋を出た。


「とてもお綺麗な方でしたね...!」


エリザリアが感心したようにそう言った。


「ああ、全くだ。」


「あまり魔女らしくない格好をしていたな。貴族の舞踏会に出てもおかしくないぐらいだ......。」


エレノアは冷静にそう言った。


「ああ、全く持って俺もそう思う。ロゼッタもそうだったが最近の魔女はおしゃれなんだな......。」


そう言いながら俺はコーデリアさんの家を見回していた。


一般的な家と変わりない家具の配置、間取りだったが、1つ変わった所に気づいた。


「コーデリアさんの家、かなりの枚数の子供の描いたような絵が飾られているな。」


「えっ! 本当ですか...?」


「私も確認しよう。」


二人は部屋を見渡した。


「本当だ...確かにありますね......。」


「1、2枚どころじゃなく、この部屋だけでも10数枚はあるか......。」


「タッチが一枚一枚違いますから、1人の子供が沢山描いた訳ではなさそうですね......。」


「服は所々違うが、ほとんどの絵にコーデリアが描かれているな......。」


「........。」


この謎は俺の心の中に秘めて置く事にした。機会があればコーデリアさんに聞いてみるか......。


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