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目撃

「にゃんにゃんにゃにゃーん♪にゃんにゃにゃーん♪」


『にゃんにゃんモード』に突入しているエレノアはとても上機嫌であった。


「いみゃ何時にゃん...? うにゃ、そろそろいい時間だにゃん.......。」


エレノアは手を洗い、エプロンを身に着けた。


「『にゃんにゃんクッキング』開始にゃ!」


エレノアは『にゃんにゃんクッキング』を始めた。



「にゃんにゃんにゃにゃーん♪にゃんにゃにゃーん♪」


エレノアは慣れた手つきで料理をしていった。




そして完成させた。


「みゃみゃ〜〜〜〜〜ん♪ 完成だにゃん!」


エレノアはキッチンミトンでスープ容器を持ち上げた。


そしてそのまま食卓へ運んだ。


「さあ、出来栄えを見てみみゃしょう!!にゃんにゃんカウントダウン開始にゃん!! 3...2...1...ごろにゃーーーーーーーん!!!」


エレノアはスープの入った容器の蓋を開けた。


「うにゃ〜〜〜〜ん♡♡♡いい匂いだにゃ〜〜〜ん♡♡♡美味しそうだにゃ〜ん♡♡♡」


お手製のミネストローネを視覚、嗅覚で愉しみ、エレノアはうっとりする。


「うみゃ、冷めない内に頂くにゃん♪ 

今、私はにゃんにゃんモードに入ってるけど、猫舌にはならないんだにゃん♪ 熱々も平気にゃん!」


エレノアは手を合わせた。


「それでは......いっただっきみゃ〜〜〜〜す♪」


蓋を開け、スープを飲んだ。


「うみゃ〜〜〜〜〜ん♡♡♡♡♡ 美味しいにゃ〜〜〜ん♡♡♡♡♡」


エレノアはそっとスプーンを置いた。


「さあ、今回のミネストローネスープ......果たしてにゃん点なのでしょうか......!?」


食卓に緊張感が醸し出された。


「ぐるぐるぐるぐるぐる......じゃじゃん! みゃん点......!!!」




「エレノア......?」




エレノアがとっておきの決めポーズをした瞬間、突然ジャレオが現れた。






「すまないが、ドアをノックしても返事がなかったから、勝手に入らせてもらった......。許してくれ......。」


俺は続けた。


「その...エリザリアにネックレスを預けていただろう......?それを返しに来た。渡して置くよ......。」


俺はエレノアにネックレスを渡した。


「それじゃ、俺はこれで......。」


「待て。」


俺はがっつりとエレノアに腕を掴まれた。


「どこから見ていた?」


「い、いや、何の事か...。」


「嘘つくな。正直に言え、何処から見ていたッ!!」


迫力満点の表情でエレノアは俺を問い詰めた。


「......『にゃんにゃんクッキング』が開始した所から......。」


「貴様......がっつり見ているじゃないか......。それならなぜ、黙って見ていたんだッ!!」


エレノアは迫真の形相で更に問い詰めた。


「すまない......面白そうだったから...つい...。」


「泳がせていたという事だな......。」


「...くくくっ。」


「どこが可笑しいッ!」


「いや、ギャップが凄まじくて...はははっ」


「笑うな。」


「ひひひっ......。」


「笑うなぁ!」


「ごめん.....ぷっははっ.....。」


エレノアの真剣な表情を見るとどうしてもさっきの『にゃんにゃんモード』とのギャップを感じてしまい、俺はどうしても笑いが堪えきれなかった。


「......盾と言うのは何も味方を守る為のスキルしか無いわけではなく、敵に反撃する為の攻撃スキルだってある......。その中で私は『シールドバッシュ』という打撃スキルが使える......。ジャレオ...反省するなら今の内だぞ。」


エレノアは盾を装備した。


まずい、エレノアの実力から言って相当な威力が予想されるだろう。しかも俺はしっかりとした防具を整えていないから、もろにくらう。


俺のレベルも期待できない。オールダートレントを倒しだからと言って、ほぼ無装備の状態でエレノアの攻撃を防げるほどレベルは上がってないだろう。せめてレベル差10は無いと危険だ......。


という事で今、エレノアを本気で怒らせて、『シールドバッシュ』を使われるのは非常にまずい。冗談抜きでピンチだ......。


エレノアは俺を逃さないように俺の腕に更にしがみついた。その時にエレノアの豊満な胸が当たるが、状況が状況なのであまり楽しめなかった。


俺は頭を下げた。


「エレノア、黙ってみていて本当にすまなかった。この通りだ......。だから許して欲しい......にゃん。」


「シールドバッシュッッ!!!」


「おおおっ!ごめんごめんごめんって!」


エレノアの『シールドバッシュ』をかろうじて俺は避けた。


「逃さない!逃さんぞ!!ジャレオォォ!!」


エレノアはどうしても俺を離してくれなかった。


「やめてくれエレノア、それくらったら、俺は死んでしまう!」


「死なない程度に威力を抑えてやる、だから安心してくらうといい!」


「それでも俺に...痛みは....あるぞ。はっ...はっ...ふんっ!!」


何とかして俺はエレノアの手を振りほどいた。そして『完全逃走』を使い、全力で逃げた。


「あっ...待てっ!」


エレノアが追ってきたが俺は振り切った。


「くっ...逃がしたか......。」


エレノアは残念がっていた。


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