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麗しき円盾 エレノア

「よし、それじゃあ行こうか。」


「はい!」


早朝、オールダートレント討伐に向けての準備を済ませた俺とエリザリアは早速、冒険者ギルドに向った。


「昨日はよく眠れたか?」


「はい、意外とぐっすり眠れちゃいました。」


エリザリアは笑ってそう答えた。


「ジャレオ様はどうですか?」


「俺は結構、鈍感でな、睡眠で困った事が一度もない。がっつり寝たぜ。」


「ふふふっ...万全ですね!」


「だな。」


俺達は意気投合した。




ギルドに着いた俺達はクエストの受付嬢に話しかけた。


「すまない、オールダートレントの討伐の依頼を受けた者なのだが......。」


「あっ、ジャレオ様とエリザリア様ですね。お話は伺っております。ドミニエル様がお二人にお話があるという事なので、ギルドマスター室へ向かって欲しいとの事です。」


「そうか、分かった。」


俺とエリザリアはギルドマスター室へ向かった。




「只今参りました。ジャレオとエリザリアです。」


ドアの外から俺はドミニエルさんに呼びかけた。


「来たか、入って良いぞ。」


「失礼します。」


ドアを開き、中へ入った。


部屋に入るとドミニエルと一人の女性がいた。


「うむ、早速紹介しようか。彼女は「エレノア」 職業は戦士だが、剣術も然ることながら、盾の扱いに非常に優れておる。パラディンとしても優秀であろう。」


ドミニエルが紹介を終えた後、エレノアはお辞儀をした。


俺とエリザリアもお辞儀を返した。


「オールダートレントのいる『ドンデリー山』行きの馬車は既に呼んである。準備が出来たらそれに乗ってくれたまえ。それでは宜しく頼むぞ。」


「承知いたしました。」


ギルドマスターの部屋から出た俺、エリザリア、エレノアは早速馬車乗り場へ向かった。




「すまない、待たせてしまっただろうか?」


「いや、私も君達と差ほど変わらない時間にギルドに来たから、問題ないさ。」


「そうか、それなら良かった......。」


俺達は馬車に乗り、従者が馬車を走らせた。


「そう言えば俺達の自己紹介がまだだったな、俺はジャレオ、今の所は冒険者見習いだ。」


「私はエリザリアと申します。職業はヒーラーです。よろしくお願いします!」


「ああ、こちらこそよろしく頼むよ......。」


俺とエリザリアはエレノアと握手をした。


「ジャレオは冒険者見習いなのか。」


「ああ、実はまだな。」


「その、失礼な質問なのだが、どうやってゴールデンプルリンを倒したのだ?あの魔物の固さは並の力ではビクともしないだろう?気になってしょうがなくてな。」


「ああ、実は『スキル施し』で『完全逃走』というスキルを授かってな。それとこのスピードナイフを組み合わせて攻撃力を上げたんだ。」


「なるほど...。」


「ジャレオ様はとっっっってもお強くて、どんな魔物も一撃でやっつけてしまうんですよ〜♪」


「それはゴールデンプルリンも?」


「1体は2発必要だったが、まあそんな所だな。」


「なんと......! それは頼もしいな。」


エレノアは感心していた。




エレノアはブロンドの髪を腰のあたりまで伸ばしていて戦士らしい凛とした顔立ちをした美女であった。胸は豊満であった。


また、髪を飾る花飾りと蒼を貴重としたドレスを着て、ガントレットと足部分しか、鎧らしい鎧は着けていない為、装備からはあまり戦士らしさを感じられなかった。


「エレノアは戦士だったな。」


「ああ、正真正銘のな。どうかしたのか?」


「いや、その勝手なイメージなんだが、戦士といえば男女問わず、全身を鎧で纏っている印象があってな、エレノアのような戦士は珍しいと思っていてな。」


「私が......そ、そうか?」


「エレノアさん、綺麗ですよね〜!」


「うん、エリザリアの言う通り華やかさがあって綺麗だ。」


「......そうか。」


エレノアはあまり明るい返事をしなかった。


「もしかして気を悪くしたか?したならすまない、謝るよ。」


「いや、そうではないんだ。私だって綺麗だって言われたら嬉しい、嬉しいのだが......。」


「......?」


エレノアは何処か憂い気な表情をしていた。



「あっ......そういえば作戦はどうする?今の私なら後方支援のエリザリアはもちろんの事、前線で戦うジャレオを守りながら戦う事が出来るが......。」


「ああ......そうだな......俺は庇わないでいい。エリザリアだけを集中して守って欲しい。」


「ジャレオは良いのか?」


「ああ、俺を守らなくていい。『完全逃走』で多分俺は何とかなるだろう。」


「そうか、そこまで言うならそうしよう。」


「すみませんエレノアさん、よろしくお願いしますね!」


「ああ、私の護衛対象には、かすり傷さえつけさせないって決めているのでね。完全なる勝利を約束しよう......!」


「冒険者の皆さん、そろそろ着きますよ。」


馬車の従者が俺達に呼びかけた。


「いよいよだな。」


俺は気合いを入れ直した。

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