あまりにも可愛かったので、思わず抱きしめてしまったぜ。
エリザリアを中心に発生した光は次第に収まっていった。
光が消えるとそこには、待望の裸エプロン姿のエリザリアが少し顔を赤らめながら立っていた。
「ど、どうでしょうか......///。」
上目遣いでエリザリアが尋ねた。若干前かがみになって、もじもじしている。
俺は心から叫んだ。
「はい、最高でぇーーーーーーす!!!」
エリザリアの、服はエプロンしか着ていないと言う事実がもたらす絶対的なエロスと家庭的な奥様の雰囲気の両方を兼ね備えた、立ち姿に俺は狂喜乱舞した。
「最っっっっっ高だよ!!エリザリア!!着てくれてありがとう〜〜〜!!!」
俺はエリザリアの両手を握った。
「ふふふっ......ジャレオ様に喜んで頂きまして、とても光栄です......!」
笑顔でエリザリアはそう言った。
「それでは早速作らせて頂きますね......!」
「ああ......頼むよ......。」
早速エリザリアはキッチンに向かった。予想通りエリザリアのほぼ裸同然の後ろ姿が顕わになった。
優しいのは俺なんかじゃないよ......本当に.......本当に優しいのはエリザリアの方だ......。本当は裸エプロンなんて恥ずかしくってたまらないけど、少しでも恩返ししたいが為に.......俺の為に我慢して着てくれたんだ......。
そんな献身に甘えて、エリザリアの後ろ姿をまじまじと見つめて更に恥ずかしがらせるなんて紳士として失格ものだろう。もう十分だ.......。ありがとう.......エリザリア。
「ジャ.......ジャレオ様.......///」
「うん?」
「その......あの.......///」
「?」
「身動きが......///」
気がつくと俺は背後からエリザリアを抱き締めていた。
「お気持ちはとても嬉しいのですけど......。」
エリザリアは困った表情で俺の顔を見上げる。
ああ......、困った顔のエリザリアもすっげえ可愛い。
「ああ......すまない。気がついたらエリザリアを抱きしめていたようだ......。」
俺はエリザリアから離れ、今度また無意識の内にエリザリアを抱きしめないように、俺はキッチンではなく寝室で待つことにした。
「寝室で待つことにする。出来たら呼んでくれないか?」
「わかりました!」
エリザリアは微笑みながらそう返事すると、再び料理を始めた。
「ふぅ......危ない危ない。」
寝室についた俺は胸を撫で下ろした。
あまりにもエリザリアがいい子すぎて思わず抱きしめてしまったぜ......。このままエリザリアのぷりっぷりなお尻が俺の体に当たり続けたら、しばらくしない内に揉み揉みモードに移行して、理性が崩壊するところだったぜ。
確か冒険者同士の恋愛はギルドの掟で禁止されているんだったんだよなぁ......。戦場で恋愛話をした者は怪我を負うリスクが増えるらしい。ギルドの調査でそう出たんだよなぁ......。だからもし掟を破ると、最悪の場合、永久追放になってしまうらしい......。
今俺は『冒険者見習い』で恋愛はグレーだから、最悪バレてもいいけど、正直冒険者見習いのままでは、受けれるクエストが少なくなる...。Aランク冒険者向けの依頼なんてまず受けれないだろう。トップクラスの冒険者として名を馳せたい俺に、それはかなりの痛手となる。
ベットに横になり俺は考えた。
うん、今後の為にもまずは転職する必要があるな...。選ぶとしたら『盗賊』がいいか......。アレグレンズナイフの他にも、盗賊が覚える特技『盗む』は
素早さが成功率に依存したはずだ......。俺の『完全逃走』の恩恵を存分に受けれる。うん、盗賊がいいな。盗賊にしよう。
後、出来れば二刀流に成りたいな。左手がお留守だからな...勿体無いというか、何か持ちたいというか......。
左手に持つのが盾だと俺の戦闘スタイルに合わない、一撃必殺スタイルでやってるからな。魔法使いみたいに本は持たないとなれば、必然的に二刀流になるな。左手にスピードナイフが持てれば攻撃力が底上げされるだろう。
二刀流はただ単に二本の剣を持てばいい訳じゃなく
、ちょっとした技術が必要らしい。俺の場合は短剣二刀流の熟練者に教えを請う必要がある。そういう人も探さなくてはならないな.......。探すにはまず冒険者ギルドで聞き込みするのが一番かな。
「ジャレオ様、準備が出来ました〜!」
エリザリアの元気な呼び声が聞こえてきた。
「わかった、今すぐ行く!」
俺はリビングへ向かった。
「うお〜!すっごい美味そうだぁ〜!」
食卓にはまるで料理店で出てきそうな程、気品漂う料理の数々が並んでいた。
「ふふふっ...どうぞお召し上がりください!」
「よ~し!いただきまーす!!」
俺はフォークを手に取り、料理を食べ始めた。