表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と僕等を、繋ぐ線。  作者: 中め
1/7

線。




 VOCALOID


 VOCALOIDボーカロイドとはヤマハが開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称である。略称としてボカロという呼び方も用いられる。メロディーと歌詞を入力することでサンプリングされた人の声を元にした歌声を合成することができる。対応する音源については、主にヤマハとライセンス契約を締結した各社がサンプリングされた音声を収録した歌手ライブラリを独自に製作し、ヤマハ製のソフトウェア部分と組み合わせて製品として販売されている(「VOCALOIDボーカロイド」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標である)。


 なお、VOCALOIDという言葉は応用製品に設定されているキャラクターを指すために用いられる場合もある。


 Wikipedia抜粋。




 ボカロP


 音声合成ソフトのVOCALOIDボーカロイドを活用する人のこと。VOCALOIDの楽曲を作る人。



 


 普通の中学生だった。

 

 仲間と遊んで、たまに塾に行って、可愛い女のコにドキドキして、ヘッドホンを装着しながらエロDVDを見る様な、どこにでもいるただの男子中学生だった。


 ある日、そんな俺に仲間の1人が、「すげぇカッコイイMV見つけた。帰ったら検索して見てみろよ」と、あるバンドのMVを紹介してきた。


 名前を聞いたことのない、恐らくTVにはあまり出ていないだろう、そのバンド。


 寝る前にその言葉を思い出し、ベッドに転がりながらスマホを弄り、ネットでMVを検索した。


 衝撃が走った。


 音が、映像が、何もかもが、格好良かった。


 格好良すぎた。



 特に目を奪ったのが、ギターだった。


 そのプレイが、指先が、唸る様に叫ぶ様に鳴る音色が、俺の心を鷲掴んだ。


 俺にとっての音楽の立ち居地が変わった瞬間だった。


 今までも音楽は好きだった。

 

 通学時には、必ず耳にウォークマンのイヤホンを突っ込んでいたし。


 ただそれは、流行に乗っかっていたかったから。売れている歌を覚えて、カラオケでみんなと盛り上がりたかったから。


 だから、あまりメディアに出てこないバンドのことは知らなかった。


 こんなにも鳥肌が立ち、背筋がビクつく音楽が、この世にあるなんて知らなかったんだ。



 それからというもの、そのバンドの音楽にハマりにハマり、夢中になった。


 ギターへの憧れも、日に日に増していく。


 親にギターを強請ってみたものの、『それは将来に必要のないもの』と買ってもらえなかった。


 仕方なくコツコツとお小遣いを貯め、お正月に貰ったお年玉を合わせ、纏まったお金が出来ると、それを握りしめて近くの楽器屋に走った。


 そこで、手持ちのお金でギリギリ買える値段の中古のギターを購入した。


 中2の冬、初めてギターに触れた。



 ギターを買い与えてもらえない俺がを、親がギター教室に通わせてくれるはずもなく、HOW TO本を買って独学を試みる。


 全然弾けなかった。


 今度はネットに助けを請う。


 ネットというのは、本当に素晴らしいツールだと思う。


 ギターの得意なヤツが無料で教えてくれる動画が、わりとたくさんあるのだ。


 毎日飽きもせず、ネットを駆使しながらギターを掻き鳴らす日々。


 楽しくて仕方なかった。


 中3の終わり頃には、たいていのバンドのスコアは、上手い下手は置いておいて、弾ける様になっていた。



 すると遂には、自分で曲を作りたいという気持ちが沸いてきた。


 その頃から、ギターを触る度にメロディが浮かんできていたから。


 自分の頭から生まれる、自分が気持ち良くなれる音楽。


 みんなにも聞いて欲しいという欲求が芽生えた。


 高校に入ると、早速軽音部に所属した。


 念願のバンドが組める。


 ギター、ベース、ドラムとメンバーを集め、4ピースバンドを作った。


 メンバーに自分の自信作を聞かせると、みんなが予想以上に褒めてくれた。


 それが自信に繋がった。


 自分の音楽を受け入れてくれたヤツらとのバンド活動に、胸が躍った。

 

 ……が。


 みんなで俺の曲を演奏してみると、音やリズムのズレが気になり、どうしても赦せない。


 ソコはそうじゃない。なんで変に溜めるんだよ。


 自分の音楽を認めてくれたヤツらの演奏を、認めることが出来なかった。


 自分だってプロ並に弾けるわけじゃないのに。


 心の狭い俺は、無駄に几帳面な俺は、バンドには向いていなかった。


 結局、俺はバンドを抜けた。


 バンドの音が好きなのに、バンドに向かない自分。


 でも、音楽が好きだ。他に自分の音楽を伝える術はないのか。


 ギターを始めた頃の様に、ネットに助けを求める。


 パソコンを立ち上げ、ネットを繋ぎ、キーボードをたたきながら質問サイトに助言を求める。


【じゃあ、ボカロは? ボカロのソフトだったら¥15000位で買えるし、なんなら歌い手になって自分の声でやってもいいし。音の打ち込み出来るから、音とかリズムのズレもないし】


 俺の質問に、知らないヤツからのアンサーがついた。


 ……ボカロ。


『音とかリズムのズレがない』


 やってみようと思った。今の俺にはそれでしか音楽を表現出来ない気がしたから。



 早速ボカロのソフトを購入し、いざ使ってみる。 

 

 パソコンは割りと得意な方だった為、なんなく使いこなせた。


 ソフトには予めサンプリングされたサウンドもあり、容易に音楽が作れた。


 サンプリングにない音は、自分で打ち込んでしまえばいいし。


 ただ、そういった音は、実際人間が奏でるモノとは違い、やはり抑揚はない。


 でも、全然我慢出来る範囲。というか、音楽にそこまで詳しいわけでもない俺にとっては、気にならなかった。


 音もリズムもズレない、規則正しい音楽。


 俺的には大満足。



 曲を作るのが、楽しくて楽しくて。


 夢中になって作曲し、歌詞をつける。


 出来上がった曲がある程度溜まると、誰かの評価が欲しくなる。


 出来れば褒められたい。しかし、ネットの世界で批評を免れるのは不可能に近い。というか、絶対的に無理。だって、自分がどんなに素晴らしいと感じたものも、必ず誰かしらの批判のコメントが付いていたから。しかも、身バレしにくいからって、何の気遣いもない言葉を浴びせてくる。それが、ネットという処である。


 充分に分かってはいるけれど、やっぱり酷評は少ない方が、心に負うダメージが少ない。


 だから、作った曲は自分では歌わず、キャラクターに歌わせた。


 本当は自分の声で歌いたかった。 


 仲間とカラオケに行くと、『歌、上手いね』と褒められることが多かったから、そこそこ自信はあった。


 でも、自作の曲に加えて歌声まで貶されたら、立ち上がれなくなりそうで。


 チキンな俺は、安全策で自分を守ることにした。


 そして、動画サイトにアップする。


 歌声をキャラクターにして正解だった。


 名前も通っていない俺が歌うより、耳なじみのあるキャラクターの声の方が、聴く側の興味を引いた。


 すぐにコメントが寄せられる。

 

 辛辣なコメントもあったけれど、『カッコイイ』『神曲』『無限リピ決定』など、高評価の方が圧倒的に多かった。


 嬉しくて嬉しくて。


 曲を書く手が止まらない。


 しっかりどっぷりボカロの世界に漬かりまくった。



 その世界では、ボカロの曲を作る人間をボカロPと呼ぶらしい。


 動画サイトで人気が出始めた俺も、【ボカロPのサク】と言われ始めた。


【サク】という名前は、苗字の桜沢から取った。何とも安易。正直、名前なんかどうでも良かったから、本当に何も考えずに付けた。


 学校の勉強はあまりせず、暇さえあればボカロ曲を作りまくっていた。


 真剣に進路を考えないと、いよいよまじでヤバイ高3の夏。


 物凄い人物が、俺の進路を導きに連絡をしてきた。



「ウチでボカロ曲を作らないか?」


 某有名レコード会社の関係者だった。


 人生最大のビッグチャンスが早くも17歳にしてやってきた。


 音楽で飯を食う。


 夢の様な生活だ。


 だけど……。


 ボカロ曲を作るのは楽しい。でも、本当にやりたい音楽はバンド。


 ボカロの曲を作りながらも、バンドへの憧れは消えずに残ったままだった。


 本当は、ギターを掻き鳴らしながら自分の声で歌いたい。


 でも、需要とされているのはボカロ曲。



「ボカロ曲も作ります。でも、1度俺の歌も聴いて頂けませんか? 俺がやりたい音楽は、他にあるんです」


 千載一遇のチャンスに、ダメ元で我儘を挟み込んだ。


「いいよ。じゃあ、今度スタジオに来てくれないか? 早速日にちを決めよう」


 俺をスカウトに来たその人は、アッサリと俺の要望を聞き入れてくれた。


「……いいんですか? そんなに簡単に俺の意見を通してしまって」


 自分の要求がすんなり受け入れた事に驚いていると、


「聴くだけ聴くよ。だって、お金になるかもしれないじゃない。キミのボカロ曲はお金になる。キミの歌声の方がお金になりそうなら、そっちをリリースする。良くなければ、もちろん却下するし。別にキミの意見を通したわけではなく、ビジネス的観点」


 レコード会社の人からシビアな言葉が返ってきた。 


 世の中、そんなに甘くない。背中がゾクゾクした。


 そうだ。もう、音楽は趣味や遊びではなくなるんだ。


 売れない音楽を作れば、それまで。


 俺は、そんな世界に足を踏み入れようとしているんだ。


 ……どうする?


 今なら断れる。 


 それで俺は後悔しない?


 ……後悔しないわけがないじゃないか。



「俺の歌、聴いてください」


 後悔をしたとしても、やってからの後悔の方が1億倍良いに決まっている。




 学生の俺はテスト期間中でなければ、都合なんていくらでもつく。


 レコード会社の都合に合わせ、スタジオに入る日を決めた。


 それまでに新たに何曲か書いた。


 納得のいく曲が書けたと思う。


 約束の日、自信作と中2から使い込んでいる中古のギターを手にスタジオ入りした。


 中に入ると、俺をスカウトしてくれたレコード会社の人に音楽業界の人たちを紹介された。


 もともと人の名前を覚えるのに時間がかかるタイプな上に緊張しているのも重なって、誰一人として顔と名前を一致させることは出来なかったが、とりあえずその場にいた全員と、片っ端から会釈と握手をした。少しでも自分の印象を良くすべく、笑顔で愛想を振りまく。


 そんな甲斐甲斐しい俺に、


「挨拶はその辺にして、早速歌を聴かせてくれないか?」


 プロデューサーが歌を歌う様に促した。


 ガッチガチに編曲までも打ち込んだCDを鞄から取り出し、プロデューサーに手渡す。


 それを流してもらいながら、ギターを弾き、歌う。


 鞄を適当に床に置き、ギターを肩に掛けると、プロデューサーに預けたCDを流してもらいながら、ギターを弾き、歌う。


 緊張余って声が裏返ったりしてしまったけれど、気持ち良く歌えた。


 やっぱり、俺は歌いたい。


「うん。いいんじゃない? いい声してると思う。ボイトレすれば、もっと良くなると思う。顔も悪くないし、スタイリストをつければ普通にカッコ良くもなるだろう。うん。キミの歌で行こう」


 プロデューサーは、俺の歌を認めてくれた。


 これからは、自分で歌おう。


 デビュー出来るのに、世間の声にビビってなんかいられない。


 誰にどんな酷い評価をされようとも、それでも自分で歌いたい。


 俺は、プロになる。



 その日から、学校が終わればボイトレに精を出した。


 合間を見つけて曲も作成した。


 高校を卒業したら、音楽活動をすると決めた俺の進路には、両親共に大反対だった。


 2人共、俺を大学に行かせて、安定した職業に就いて欲しいと願っていたから。


「大学に行きながらではダメなのか? 大学に通いながら仕事をする芸能人だってたくさんいるじゃないか」


 親父が保険をかける様、俺を諭す。


 親父の言っていることは理解出来るし、間違っていない。


 ただ、デビューの話が来てから、高校に行く時間も勿体無い。その時間を音楽に費やしたいと思っていた俺に、大学進学の選択肢はなかった。


「大学はいつでも行けるだろ。親には迷惑かけない。芽が出なかったら、自分の音楽はダメなんだって思ったら、ちゃんと手を引くから。ちゃんと大学受けなおすから」


「簡単に言うな。現役を離れた人間が大学を受けなおすなんて、並大抵の努力じゃない。仮に大学に入れて卒業出来たとしても、就活で若くもなくなった新卒を採用する企業がそうそうあると思うのか?」


 俺の主張を、何1つ間違いのない正論でねじ伏せようとする親父。俺を想っての言葉だということは、しっかり分かっているけれど、


「仕事なんか選ばない。何だってする。だから、1度だけ夢を追わせて欲しいんだ。デビューなんて、誰しもが出来るもんじゃない。このチャンスを逃したら、もうないかもしれない。賭けてみたいんだ」


 どうしても、目の前にあるチャンスに全力でぶつかりたかった。後悔したくなかったから。


 床に頭を擦りつけ、必死で両親に頭を下げた。


 未成年の俺には、何かと親の承諾が必要で、親を説得せずに何かをするのは不可能だった。



「…………」


 親父もオカンも、簡単に首を縦に振ってはくれない。


 無言の時間が流れる。


 暫くして、親父の隣で顔を顰めていたオカンが口を開いた。


「……悠斗が小さい頃は、悠斗の夢、応援してたのに。 いつからだろう。悠斗の夢を否定し出したのは。……でもね、分かってほしいの。それは悠斗が心配だからなのよ」


 俺にギターを持たせることも嫌がり、買ってくれなかった母親の目に涙が溜まっていた。


「……うん」


 オカンの苦しそうな表情を直視出来ずに俯いた。


「……私の親もね、凄く厳しい人だった。……私、本当はファッション関係の学校に行きたかったのよ。でもお父さんに『そんな才能がモノを言う様な安定していない世界は許さない』って言われて、泣く泣く大学に行って教師になった。今ならお父さんの気持ちが分かる。だけど、あの時に『私は子どもの夢を応援出来ない様な親にはならない』って思ったの。思ったのにね。お父さんみたいな親になっちゃった」


 オカンが苦しそうに「はぁ」溜息を吐いた。



「……応援、しましょうよ。お父さん」


 オカンが親父の腕を揺すりながら親父の顔を覗いた。


 親父もまた、「ふう」と小さく息を漏らした。



「いいか、悠斗。お前は俺たちの言うことを聞かずに、自ら茨の道に足を突っ込むんだ。俺たちに迷惑をかけるのも、甘えも許さない。……でも、協力はするから。俺たちに何か出来ることがあれば言うんだぞ。どうにかして、何とか一旗揚げろ」


 オカンの説得に、親父が折れてくれた。


 親父もオカンも納得をして了承してくれたわけではない。だって、2人の眉間には深い皺が刻まれている。でも、自分の思いを押し殺して俺を応援しようとしてくれている。 


 俺は、なんて親不孝者なのだろう。


 でも、両親の気持ちが嬉しかった。


「頑張るから。絶対に旗揚げる。100本揚げる‼」


 親の気持ちに応えたい。悲しませた分、親孝行がしたい。




 高3の3学期にもなると、殆ど授業がない。


 学校へ行かず、スタジオに篭って音楽に浸れる日々が楽しくて仕方がない。


 デビューに向けて準備をする作業が、この上なく幸せだった。


 デビュー日が決まり、リリースする曲を選び、音入れをする。


 バンドを希望していたが、俺は本名の【桜沢悠斗】としてソロデビューする事になった。


 確かに、デビューの為に即席でかき集めたメンバーでのバンドというのも、ちょっとしっくりこない。


 ただ、プロのサポートメンバーを付けてもらえた。


 流石プロ。ハンパじゃなく上手かった。


 正直、自分のイメージと違う音を出されることも多々あった。


 だけど、テクに、上手さに圧倒されて、文句なんか付ける気にならなかった。


 俺の思い描いた音楽ではなくとも、別な形でカッコ良かったから。



 高校の卒業式を終えると、音楽活動は本格化。


 所属したレコード会社が大手だったこともあり、俺のデビュー曲はラジオ等々でパワープレイされ、ゴリッゴリに押されまくって、そこそこヒットした。


 会社の尽力には素直に感謝している。


 他にも多くのアーティストを抱えている会社なのに、俺を選んで押し上げてくれたのだから。


 だけど、世間の声は容赦なかった。


 公式HPには、『ゴリ押し乙』『売れたのを自分の実力と勘違いしないで下さいね』等々、心に突き刺さる言葉が打ち込まれていた。


 覚悟はしていた。


 でも、覚悟をしていたって、悪意の言葉は痛くて辛い。


 

 それでも、曲が売れたことに、両親も友人も喜んでくれた。


 てっぺんまで揚げられてはいないけど、まだ1本だけだけど、親父との約束の旗をささやかながら揚げられたと思う。


 次はもっと高く。もっと大きな旗を。


 どんなに心が傷つこうとも、折れはしなかった。


 だって、『超ヤバイ』『ファンになった』『桜沢さん天才』など、嬉しいコメントの方が多かったから。


 その中の、『もっと桜沢さんの曲が聞きたい』『次のリリースまで待てないんですけど』というコメントに目が止まった。


 ……もしかして、このコメントを書いている人たちは、俺がちょっと前までボカロ曲を作っていたことを知らないのかもしれない。


 まだまだあるんだよ。俺、カッコイイ曲いっぱい作っているんだよ。


 俺の曲を好きだと言ってくれた人たちに喜んで欲しくて、何より自分の曲をもっともっと聴いてほしくて、パソコンのキーボードに手を伸ばした。



『僕はかつて【サク】という名前でボカロ曲を作っていました。まだ動画サイトに残っていると思うので、良かったら検索してみて下さい』


 このコメントを載せた直後に後悔することになった。



 HPのコメント欄に悪口が流れる。


『ボカロだって。全然ロックじゃないじゃん』『イメージ変わったわ』『ちょっとオタクっぽい』


 ボカロに偏見を持っている人間が存在することは、作っている当時にも認識はあった。


 だけど、ボカロにも流行った曲はたくさんあるし、ボカロをバカにする奴なんかもういないだろうと思ってた。


 まだ、しっかりいた。


 聴きもしないで悪く扱き落とす奴らに怒りを覚える。


 さっきまで褒めてくれていた人々に腹が立つ。


 でも俺の仕事は、そんな人たちにも聞いてもらわないと成り立たない。


 コメントに反論さえも出来ずに、パソコンを閉じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ