三上幸星
「山本くんから聞いたんだけど、合唱でソロパート担当してたって本当ですか?」
「あ、…。本当です。でも、あんまり公表しないでもらえますか?」
「え?なんで凄いことだと思うよ」
「もう声変わっちゃって、あの頃の声が出せないから…。もう、歌えないから…。」
目覚まし時計が鳴り響いた。今日から入学式だとゆうのに、悪い夢を見た。あの事件の日の夢。
僕はあることをはっきり覚えている。事件の日の6時間目は音楽だった。そのことを。その日は少し乾燥していていつもより声が出づらかった。その時期は、ある歌手の曲を合唱ように譜面に起こした曲を歌っていた。さわやかなで涼しいような曲調。明るく切ない歌詞。あの事件とは、とても相性の悪い曲だった。この曲は12人で歌った最後の曲。僕はソロに選ばれてから、こっそり自主練をしていた。その日も。郁子山町の由来の学校の近くの山、郁子山の手前で練習をしていた。そのとき見たんだ。優希が誰かと話しているのを、顔は見ていない。気のせいかもしれないから、警察には言ってない。
バスに乗ると蓮と大和と美琴がいた。
「おぉ!幸星!おはよ!」
そう、美琴が言うと気づいたように蓮と大和もおはようと言った。僕もおはようと言って。みんなの近くの席に座った。