10/12
ある日常
「弥生? どうした~?」
あれから一ヶ月が経ち、私と零と愛莉は帰路についていた。私と零の会話を微笑んで聞いている愛莉。当たり前だけど、まだ凜さんの一件を忘れられないみたい。だけど少しずつ回復はしているみたい。そこは安心かな。
「弥生っち、ちゃんと話し聞いてた?」
「ごめんって~」
そんな会話を聞いて零がくすくすと笑う。私もそんな風に笑えるようになったのはついこの間だ。
ぽん、と手を叩く音が聞こえた。笑って安心したのか、零が何かを思い出して目を丸くする。
「お財布……忘れたかも」




