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Gun Control  作者: 燐火
第一章 ユニットとトーナメント
5/21

No.005 うぅ………なんで……なんでこうなったぁ……ぁぁ………

次回予告で、二回戦行くかなー、行かないかなーっと言っていましたが。


行きました。


今回2回戦を終了しております。

「ただいま…」

「おかえりなさ~い。あら、元気ないじゃない。どうかしたの?」

「いや、別に」

「本当に大丈夫?」

「あぁ、いつも通りだ」

「そう…、ご飯もう少しでできるから」


 なんとか切り抜け、自分の部屋に戻る。

「はぁ…」

 溜め息をついてしまう。何が『いつも通りだ』だ。全然いつも通りじゃない。

 ベッドに寝転がる。

 夜なのに電気も点けないで、カーテンも閉めていない部屋に一人閉じこもる。


 なんでだ、なんで俺だけに復讐をしない。

 なんでユニットの仲間に手を出す。

 なんでみんなに迷惑をかける。

 その原因は全て俺じゃないか。


 何をしているんだよ、俺は。


 井上にもあんな事言ってしまった。


 中川は心配して追いかけてきてくれた。


 絶対星野や天野も心配している。


 無駄な心配かけてんじゃねぇよ。

 左腕にある傷。

 自分でつけた傷。

あいつらをいじめていた頃、いじめている自分が情けなくなってつけた傷。

一生消えない傷。


 入学式のあと呼び出され、あいつらと再会したとき、心臓が潰されるかと思った。

 体格も、性格も、口調も、何もかも小学校の頃とは違っていた。

 あいつらを変えた奴は誰だ。…俺しか、いないじゃないか。

 変えてしまったのは俺じゃないか。それも5人も。

 あいつらをまた傷つけてしまうと思うと体が震える。

 腕が、足が、手が、口が、心臓が、心が恐怖で震える。

 あの5人を傷つけない、強い自分でいないとダメだ。

 逃げるんじゃない。逃げてなんかいない。

 なら明日学園に行け。普通に試合をしろ。

 勝て。あいつらに勝て。負けるな。



□■□



「おはよー」「あ、おはよー」

 前を歩く同じく日向学園の女子制服を着た生徒2名が朝の挨拶をしている。

 こんな何気ない挨拶をしてみたいものだ。


 しかし、今日。そんな挨拶する暇もなく、何が起こるかわからないのだ。

 俺以外のCHAINメンバーを守れるのは、メンバーだと知られていない(可能性がある)俺しかいない。最悪の事態だけは避けたい。

 相手が1人ならまだしも、5人という複数だ。やろうと思えばできる事のスケールが格段に上がっている。その分注意を怠ってはいけないのだ。

と考えている間にもう【迷路】まで着く。

誰も来ていない入口に一人到着。前を行き交う人は多く、その中の大多数が2回戦の戦闘フィールドへ向かう人たちだろう。


 一人の時間が続く、まだ誰も集まっていなく、不安ばかりが積もる。第二回戦の開始時刻は昨日と同じく9時なのだが、現時刻は〔8:32〕。

 早く、誰でもいいから来てくれ。早く―――

「わっ!」

「うわっ!」

 一人で緊迫とした空気を作り出していた俺を打ち破るように驚かしにかかる誰か。

もう犯人はわかっている。


「健太…」

「あれ?いつもはビビらない井上がビビってる?」

「ちょっと色々あってな…」

 あぁ、なんかもう誰か来てとは思ったけど、健太じゃないんだよなぁ…。

「それにしても今日登校中面白いもの見たんだよな」

 面白いもの?今はそれどころじゃないっての…。

 興味がない俺をよそに話を続ける健太。

「運動一位の星野とその隣にいた女の子が体格のいい男3人に絡まれていたんだよ。でも男の方が2人やられて、もう一人も結構ボロボロになってさぁ、そのあと女の子は逃げたんだよ―――」

「その話よく聞かせろ!」

「え?いやだから、星野とその隣にいた女の子が体格のいい男3人に絡まれていて、男たちの方が2人やられて1人もボロボロで、そのあと逃げたんだよ」

「どこで見た!」

「えぇっと…確か島南側の学生寮の近くだよ、って井上どうし―――」

「すまない健太、用事ができた!」


 畜生!登校中を狙いやがったか、健太の話だとほぼ3人やったっていうことだけどそれでも怪我をしていないとは言い切れない。


 人ごみを掻き分けながら南へと向かう。


 あぁ、どうか無事でいてくれ。

 汗が吹き出て息があがり、足が動かない。

 もっと運動しとけばよかったと心の奥で思う。

 街路樹が立ち並ぶ大きな道に出る。道の両脇には店などが所々連ねており、島の中でも活気がある場所だ。

 しかしこの時間帯はやっているお店も少なく、今の時間はみな学校なので全くといっていいほど人の気配がない。


 そんな閑散とした雰囲気が漂うこの道に、店と店の間に2つの人影が見えた。

 棒になりつつある足を無理矢理動かす。

「おい! 佳奈と香帆か!?」

「…!? 和樹くん!?」


 近寄ってみると服が少し破れ腕に痣ができている佳奈と足から血を流して壁に凭れ掛かっている香帆がいた。

「おい…血が…」

「………大丈夫……これくらい…ぐっ……」

「立っちゃだめって言ってるでしょ香帆ちゃん!」

「………でも、もうすぐ試合が」

 時計を見ると〔8:49〕。9時から【迷路】で戦闘が開始される。

もし智也が文を迷路まで連れてきていたとしても2人だけでは試合に勝つのは難しい。

俺の体力はもう限界に近く、走れそうにもない。

――――どうする、どうする。


「………佳奈……先に試合に行って」

「でも!」

「私なら……大丈夫だから」

「佳奈、俺からもお願いする。俺が迷路に着いたときは誰もいなかったからこの状況を智也と文は知らない。伝えるためにも行ってほしい」

「うぅ…じゃあ和樹くん!香帆ちゃんを任せた!」

「任された」


 俺に香帆をバトンパスするとそのまま俺が来た道を反対に走りだす佳奈。

 間に合うと良いんだが…運動1位なら大丈夫か。

「………和樹も…行って……」

「それは無理だな、佳奈に任されたんでね」

「………だけど」

「だけどじゃない、怪我して血を流している人をスルーするように育てられてないんで」

 とりあえずティッシュを取り出し、出欠部に当てて強く抑える。

 その間にハンカチを取り出し包帯代わりに巻く。

「立てるか?」

 手を差し伸べる。

「……大丈夫」

 しかしその手を無視して自分で立ち上がろうとする。が、よろけて慌てて俺が支える。

 やはり今は一人で立てなさそうだ。

 そのまま歩き出す俺ら。


「とりあえず、保健室に行かないと」

「………佳奈の言うとおりに」

「えっ?」

「………佳奈が逃げようって言った。でも私は逃げるのが嫌だった。その結果佳奈も傷つけちゃったし、私もこんな状態。佳奈の言うとおりにすればよかった」

 2人をやって1人をボロボロ状態にしただけでも凄いと思うけど、その場にいたら逃げたほうが正しい選択だったかもしれない。

「………私のせいで」

「はいストーップ。自分を責めても時間の無駄ーじゃなかったっけ?」

「………相手が和樹みたいにもうちょっと軟弱だったら良かったのに」

「ハハハ…、俺って軟弱なんだね」

「違うの?」

「……軟弱かもね」

 二人の間に小さな笑いが起きる。


 やがて南舎が見えてきた。保健室は南舎1階に位置し、活気のある街路樹の道からは約1kmの道のりだ。普通に歩けばそう遠くない距離なのだが、足に怪我を負っている人を支えながら歩く距離にしては少々遠い。

 人の力を借りようとも、今は人の気配が全くない。


 早く行かなければ。

 しかし歩くスピードを上げるわけにもいかない。

 そうやって自分の心の中でオロオロしていると、携帯のバイブ音が聞こえた。

どうやらこのバイブ音の正体は香帆らしく、カバンから携帯を取り出した。

「もしもし…佳奈、どうしたの?」

 どうやら電話の相手は佳奈らしい。無事【迷路】まで辿り着いたのだろうか。

「うん……うん……え?文が?……………そっか。ううん、そんなことはない、大丈夫だから。頑張って」

 何を話しているが気になるが、とりあえず待っていると、香帆が携帯を差し出してきた。

「文が、言いたいことあるって」

「文が…?」

 薄緑色をした携帯を受け取る。


「代わったよ」

『あぁ、井上か』

「うん…どうだ?調子は」

『良いとは言えないな。それより井上、昨日はすまなかった』

「謝られるのは好きじゃないな…。ま、それでも謝りたいなら3回戦に行ってから謝ってくれるか?」

『……おう、わかった。約束しよう。』

「じゃあ」

『じゃあな』

 と言って電話を切る。

 そうか、文は来ていたか…。できれば一緒に戦いたかったけど、やっぱり俺は香帆を保健室まで届けよう。


 そして今更ながらここで気付く。

「あぁ…切っちゃったけど、大丈夫だったか?」

「うん、私も文と話したから大丈夫」

「そっか」

 文と佳奈と智也。あの3人がいるならどうにかなりそうだ。



□■□



「じゃあな」

 と言って電話を切る。

 3回戦に行ってから謝れ…か。

 星野と井上がいない状況でどうやって勝つかなー。

 (さいわ)い接近戦向きの2人だからいいんだけど、やっぱり中央塔が問題か。

 迷路の中からは中央塔は見えないし、SRだって狙撃できない。

 指示を出すには最適の場所なのだが、迷路は半分までしか攻略できてない。

 ぶっつけ本番で攻略するしかないか…。

「よし二人とも、俺は中央塔へ向かう。そこから敵を発見し、それを二人に倒してもらう」

「え?文ちゃん中央塔までの道のりわかるの?」

「分からない、だから分かるまで2人に援護してほしい」

「「了解」」

「今回は参戦できない二人の分まで頑張らないとねっ!」


 あぁ、約束したんだ。絶対に勝ってやる。



□■□



「ちょっと沁みますよー」

「はぅっ……」


 消毒液に苦しむ香帆、保健室に着いたころにはもう時間は〔9:20〕となっていた。

 少しのんびりと歩きすぎた感じもするが、途中参加はできないし、そう急ぐ理由もなかった。試合は予定通り9時に開始されたみたいで、道中色々なフィールドから銃声が聞こえてきた。

 香帆の足の怪我はそこまで酷くないらしく、今日1日包帯を巻いていれば元気に走り回れるそうで、重症じゃなく一安心。


 しかし気になるのは襲われたことだ。

 保健室に来る途中聞いた話だと、襲ってきたのは例の5人ではなく、そこらへんにいそうな不良とのこと。

 多分5人の仲間か雇われの身だろう。

 だとするとやはりあの5人はユニットを設立していて、尚且つ2回戦に進みあがっている可能性が大きい。

 もしも襲って反撃をくらったら俺らみたいに試合には出られなくなるし、今後の行動がしにくくなると思う。

 それに俺らが学んだこともある。


 女子を襲わせるような奴等、ってことだ。


 この借りはしっかりと返さなければ。

「………試合、大丈夫かな」

 消毒を終えた香帆が呟く。

「大丈夫だろう、あの3人なら」

「………そうだね」

「見に行くか?今9時30分だから終わっているかもしれないがな」

「………うん」

 危なっかしい足つきだがなんとか歩けるまで回復した香帆と一緒に【迷路】へ向かう。


 3人で戦っているCHAIN。圧倒的に不利な状況でどうやって戦っているか。

 もしかしたらもう負けてしまったのではないか。

 そんな不安が脳裏に浮かぶ。


 いや、約束したんだ。2回戦を勝利で収め、3回戦へと進む。それから謝ってくれ。

 本当は謝罪なんかいらない。

 文が俺たちに何か悪いことをしたわけでもない、だから謝る必要もない。

 5人が俺たちを巻き込んで文に復讐しようとしていること。

 香帆や佳奈が傷を負ったこと。

 心配をさせたこと。

 それら全部を自分が悪いと思っているならそれは間違いだ。

 復讐などあってはいけない。

 文だってやり直して、今では学年1位の優秀生徒になっている。

 一歩踏み外したとしても、その人の努力次第でいくらだってやり直せるんだ。

 その努力を認めないで復讐などを考えているのであれば、それこそ人生が損をしている。

 あの5人だって今からでも遅くない。

 きっと文も、そう思っているはずだ。


「………和樹…?ねぇ、聞いてる?………殴るよ?」

「はっ、はい!なんでしょう!」

「………迷路、すごい人なんだけど…」

「え、えぇ?」

 いつの間にか迷路の前まで来ていたみたいで、足を止める。

 するとそこにはたくさんの人が試合を見ていた。

 試合が開始されると流れ弾が飛んできても良いように壁が設置される。

 試合の様子は外部からモニターで見られるようになっており、今はそのモニターにたくさんの人が群がっているのだ。

 多分迷路での試合で、MAPをモニターで見て攻略しようと考えているのだろう。


「………終わってないみたいだね」

「そうだなぁ…。試合観たかったけど、あそこに突っ込む気はないからなぁ…」

「………待ってるしかない?」

「そうみたいだな」

 座れるものはないかと探すが、ベンチはどれもほぼ満席。一つだけ、1人分のスペースがあるベンチが見つけられた。

「香帆、座ったほうがいいんじゃない?」

「………うん」

「あそこのベンチ1人分空いているから座ってきなよ」

「………ありがと」

 と言って、怪我した左足を引きずりながらベンチへ向かい、ゆっくりと腰を落とし座る。

 座ったのを確認し、自分自身も少し疲れたようで、植えられている木の陰に腰を落とす。


 迷路では試合が行われているみたいで、観客同士の話し声が複数混ざり合って聞こえてくる。

 度々その歓声が大きくなったりして、それぞれリアクションを取っている。

 迷路は基本、横3メートルの縦3メートル。色はそのままコンクリートの色、分岐点が次々と設置されてあり、曲がりくねった道も多く、更に行き止まりも多い。

 加えて分岐点から分岐点へ、更にはスタート地点へ戻ってくるなど、戦場という常に集中力が欠けることが許されない場所で、このようにやる気をなくすような仕掛け満載のフィールドが迷路なのである。

 更に練習での迷路解読は許されておらず、毎回戦闘を繰り広げながら道を選ばなくてはならないが、相手がふっと飛び出してきたらそこで考えていたものが全て吹き飛び、あれここはどこだ?となるのがオチらしい。

 フィールド設計者の悪意が感じられるこの迷路に当たってしまうなど、運がないとしか言いようがない。


「はぁ…」

 と溜め息をつく。

 今は試合中だし、ここは人通りが多いから大丈夫だ。

 やはり5人一緒に行動したほうが良いのか…?

 しかし四六時中俺らが一緒に行動するわけにもいかない。

 例の5人をどうにかするしかないのか…。


「「「オォォオオオオ!!!」」」

 不意に前方から物凄い声と拍手が聞こえる。

 どうやら迷路での決着がついたみたいだ。

 香帆の方へ視線を向けると、あちらも気付いたみたいで立とうとしていた。

 慌ててベンチに走り、肩で支える。

 自分で歩けるまで回復したとはいえ、やはり一人では立てなさそうだ。

 覚束ない足取りで迷路の入り口へと向かう。

 観客は既に散っており、残っている人は数えられるほどしかいない。

 入り口に着くのと同時に扉が開き、文が最初に出てきた。その後に智也、そして地下から佳奈が出てきた。


「………お疲れ様」

 と香帆が声をかける。

 地下から佳奈が出てきたってことはやはり佳奈はやられてしまったか。

 しかし地下から出てきたのは佳奈だけ、と言うことは…。


「井上、約束通り勝ったぞ」

 たった3人で、しかも死亡仮定者は佳奈一人だけ、智也と文は生きて帰ってきた。

 圧倒的に不利な状況で約束を守り、勝利したのだ。

 こんなこと誰でもできるわけがない。

「おう、まぁ…約束だもんな」

「和樹くん素直じゃない~、ハイタッチでもすればいいのに」

 何故か考え生み出した言葉がこのようになってしまった。

 それを聞いて佳奈はハイタッチをしろと言う。

 ハイタッチかぁ…。それじゃあちょっとつまらないな。

 俺は右手をそっと握り、文の方へ突き出す。

 文は少し驚いた表情をし、そして、いつもの笑顔に戻り、左手を握り、拳を合わせた。

「………ごめんな、井上」

「謝罪されるのは苦手なんだけど……、こういう時なんて言ったらいいの?」

 普段慣れない言葉を受け取り、対応に困る。


 許す、っていうのも違うし。いいよ、っていうのもなんか違う。

 そもそもやはり謝る必要はないと思うし、許す、許さない、の問題でもないと思う。

 言葉が見つからず、あたふたしていると、佳奈の肩に掴まっている香帆が言った。


「………優勝したら仲直りってことでいいじゃない。まったく、不器用なんだから」

 優勝したら仲直り、か。

「それで…いいか?文」

「こうなると優勝するしかないじゃん」

 苦笑しながら答える文。

「あれ?最初っから優勝するつもりじゃなかったのー?」

「そうじゃなくて、負けられなくなったってことだ」


いつもの文に戻っているな…。やっぱりCHAINはこうでなくては。

「そういやぁ香帆りん。足の怪我大丈夫なの?」

 智也が香帆の怪我を心配する。やはりみんな心配だったみたいだ。


「………ダメ、死にそう。…すっごく辛い」

 え!? 香帆の足の容態はそんなに悪かったのか!?

 しかし香帆はいつもと変わらない普通の表情でいる。寧ろ、若干笑っているようにも見える。心配していた智也は更に心配し出した。


「マジで!?」

「………もう。冗談に決まってるでしょ?」

 なんだ、冗談か…。冗談にも程があるよ。まったく。

「今すぐ保健室に行こう!いや、救急車か?どうしよう!」

 しかし、パニック状態に陥っている人が一名。

「………いや、聞いてる?冗談だっt―――」

 香帆の言った冗談により聞く耳を持たなくなった智也が、なんと香帆をお姫様抱っこして校舎の方へ走り出した。


「……ちょっ………降ろしてっ………!」

 一生懸命智也を殴る香帆だが、体勢のせいか殆ど効いておらず、智也はどんどん走っていく。まるで暴走列車のようだ。


『えー、今を持ちまして二回戦終了をお知らせします。随時トーナメント表を職員室前で公表いたしますので―――』


「よし!このままトーナメント表見に行くぞぉぉ!」

 智也が叫ぶ。なるほど、一応智也は聞いていたのか。聞いたうえでお姫様抱っこをし、みんなでトーナメント表を見に行こうと。


―――お姫様抱っこする必要性は?


そんなことは気にしないでおこう。

 残された文と佳奈と俺も、一緒になって智也のあとを追いかける。

 

「うぅ………なんで……なんでこうなったぁ……ぁぁ………」


 と虚しく空に叫ぶ香帆であった。



☆★☆



「おい、奇襲はどうなった」

「不良共返り討ちにあいやがった」

「それで、あいつらの被害は」

「髪が短い女が足に、長い女は腕に傷を負わせたらしい」

「ちっ、たったそれだけかよ…おい、どうする」

「そういえば残り1人はわかったのか?」

「いいや、まだだ」

「そうか…、刀使いはとりあえず無視しとけ」

「わかった、神楽坂自体はどうするんだ?」

「あいつへの直接攻撃はつまらない、精神的に潰すのさ」

「俺らも順調に3回戦へ進んでいる。上手くいけばあいつらと戦うかもしれん」

「そこで潰すのか?」

「あぁ、わざと威力を低くして銃弾の雨を浴びせてやる」

「でも勝ち進む保障はないだろ?」

「そうだな、だったら―――――。       」

燐火:はい、おはこんばんにちわー。

   ガンコン五話目は、女子二人組みが襲われたという話です。

美帆:可愛い天野ちゃんや星野ちゃんに傷がっ・・・。

燐火:はい、井上が懸命に走りましたが、運動不足ですね。

美帆:井上は頭良さそうで、どこか抜けてるよね。

   まぁ、そんなことは置いといて。

   最後の会話は、例の5人の会話だよね。

燐火:うん、この会話の内容で、今後の展開がわかってしまうかもです。

美帆:最後の空欄も気になるところだしね・・・!

燐火:ということで、次回予告です。

美帆:了解っ、次回は三回戦目に突入です。

   なんとか勝利を積み重ね、優勝に一歩ずつ近づいていくCHAIN。

   またも許せない事件が………実は起きちゃったり起きなかったり………。

燐火:神楽坂は耐えられるのでしょうか、そして天野の足は大丈夫なのか!?

   そして井上の体にも・・・!?

   と、いうことで。

美帆:次回をお楽しみに!

燐火:今後ともどうぞよろしくお願いします!!

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