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エピローグ

その後、レミア隊長をトップとした『オルタナティブ』は


組織からの報酬を生活の糧とする者もいたため、


解散することはなく、希望者のみがそのまま残ることになった。


これによりいくらか規模は縮小されたが


本来の目的であったロキや巨人たちとの戦いも終わったため忙しくなったわけでもない。


オレたち調律師やソルダート姉弟はそのまま残って活動することにした。


ああ、フェイトの手の者であった3人は役目は終わったなどと言ってどこかへ去っていった。


そして死に物狂いで宿題を終わらせた夏休みが終わった現在、9月1日。


オレたちはいつも通り学校へ通うこととなった。





「じゃあな〜しっかり勉強してこいよ〜」


玄関で靴を履いているオレと祢音の背後で余計な声が…。


メデスだ。こいつも組織に残ったわけだが仕事の少なくなった今、


『住んでいる所』と言える場所がないのでオレたちの家に居候することとなった。


親父の部屋が空いていたし、生活費も組織からの報酬もあるから問題ない。


親父たちが残した遺産もかなりあるからな。使ってねぇけど。


「うるせぇな。さっさとどっかいけよ、鬱陶しい」


「いいじゃない。ある程度家事はやってくれるって言うんだから」


「あったりまえよぉ!生活費にも苦労させてないし、何も不便はないだろ?


しかもそのおかげでお前たちは宿題に専念できたんだしよ」


「そういちいち言ってくるのが…あ〜メンドくせ。行くぞ祢音」


「うん、お兄ちゃん。いってきます♪」


「いってらっしゃ〜〜い♪」


すっかり馴染んでるなこいつ。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「奏は?」


そういや朝飯を食ってから姿を見ない。


「ああ、ちょっとね」


「?」


祢音の曖昧な答えにオレは眉をひそめた。


「まぁすぐにわかるって」



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「久々の登場だぜ!新田康宏だぁ!」


「安井祐介に」


「新山千春です」


「ど、どうした?お前ら」


教室へのドアを開けるといつもの3人が並んで自身の名を名乗る。


「お前夏休み音信不通だったじゃねぇか!?何してたんだ!?


わかるか?夏休みというのはイベントの宝庫だ。


中でも夏祭りと海は女たちの浴衣姿や水着姿が見れる。


つまりこれらは男として心待ちするに足りるいや、心待ちにすべきイベントだ。


だがその友の誘いを断るというのはだな…」


「いやね、久しぶりだったし私たちのこと忘れてるんじゃないかって」


勝手に語り出す康宏を無視し、千春が説明した。


「どんだけつるんでんだよ。忘れるわけねぇだろ」


「いやいや、無月たちじゃなくて他の人だよ。でももう最後なんだよねぇ…」


「そうなんだよねぇ。祢音たちがうらやましいよ」


おいおい、何を勝手に話し出すんだ?


そしてしばらくの間5人で夏休み中の事を話していた。


まぁオレたちの話は全てでっち上げなんだけどな。


「SHR始めるぞぉ!」


という若き担任の声を聞いてそれぞれ散らばる。


「さ〜て、2学期の始まりなんだが…」


と決まり文句のような挨拶のあとそれは突然起こった。


「突然だが転校生を紹介する!」


その発言で教室内が一気に騒ぎ出す。


転校生の出現の前にはある程度噂はたつもんだと思っていたが今回は本当に突然らしい。


ただ、その横で不敵に笑う祢音だけは別のようだった。何か知ってやがるな。


「さ、どうぞ!」


そしてドアが開いた瞬間オレは驚愕の事実を知ることとなった。


教室内の生徒全員の視線を浴びているにも拘わらず


無表情な転校生は教壇の隣に立つと静かに言った。


「オルタナティブ所属、幻妖げんようの調律師、如月奏」


しっかり情報漏洩させている奏だが誰も変に思ってないのか


そう言い終えた瞬間、歓喜の声をあげる者とオレ、または祢音を見る者に二分された。


それにオレはつっこむこともなく祢音を見ると祢音はまだ笑みを浮かべ


―権威ってすごいでしょ―


と念話を使ってきた。一部の視線は気にしていないようだ。


―しっかり説明してもらうからな―


奏の席は祢音の隣。これも権力の力か?


―うん。これからは組織の仕事も少なくなるでしょ?


そうなるとやっぱり社会に出てくることが多くなるじゃん。


異世界一緒に旅してて思ったんだけど常識ってのがわかってない所があるんだよね。


初めに行った世界でちょっと置いてあったお札をくしゃくしゃにして捨てちゃったんだよ!?


何で捨てたのって聞いたらゴミがあったから捨てるべきと考えましたって言うんだよ!?―


―そりゃ筋金入りだな―


―そのための社会勉強だよ。同じクラスだと手助けもしやすいしね―


―あ、そ。がんばれ―


―お兄ちゃんもやるんだよ―


―やっぱり…―


さて、休み時間での奏は色々話しかけられてもポツポツとしか話さず、


そのため祢音がこちらを怨めしい眼でチラチラ見ながらサポートしていた。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



無事に2学期初日も終わった。


結局オレの色々とサポートするハメになったが


まぁ大きな問題が起きなくてよかったって所か。


初日は午前中だけだったので


オレたちは家に帰ってメデスが午前中に実行したナンパ話を聞くこととなった。


言うまでもないだろうが全敗だ。


昼食を終わらせ、オレは自室のベッドで横になる。


奏のサポートにメデスの話をほぼ延々と聞かされ結構疲れがたまった。


「はぁ…この間とは別の意味で疲れたな、半日でここまでとはな」


そして今にも眠りそうな瞬間


「お兄ちゃん!みんなで買い物行かない!?」


下から祢音の声が聞こえてきた。


「寝る!!」


と言ったのだが


「じゃあ無理矢理連れてくよ」


祢音の風により強制的に布団を引っ剥がされ、オレの体は玄関まで運ばれた。


玄関には出かける準備万端の3人がいた。


メデスは祢音と奏とだけで行きたかったのかオレを見ると一瞬嫌な顔をする。


やはり行くしかないんだな。メデスの監視もついでに。


そしてオレは腰を上げ靴を履いた。


「じゃ行こうか♪」


祢音が勢いよく扉を開ける。


まぁ平和なうちに楽しんでおくとするか。


いつまた離れ離れになるかわからないからな。





ラグナロクという大きな戦いは終わった。


だがオレは組織の活動は続けるからまだ戦い続けるだろうがもう誰も失わせはしない。


祢音も奏も、ついでにメデスも…。


大切なモノを守護るため、オレは戦い続ける


え〜これで長かった『終わりなき闘争曲』も終了です。

長かったです。作り始めようとしてから1年以上は軽く経ってますね。

ここまで続けられたのも頑張ったオレのおかげ・・・・・ではなく読んでくれた読者の皆さんのおかげです

本当にありがとうございます。

今後ですがまだまだ無月たちをいじりたいので普通の学園生活を外伝なんかとしてたまにですが書いてみたいと思います。

そうしつつ新たな物語を考えたいと思います。

ですが全く考えてないので時間はかかるでしょう。

一応恋愛物を書いてみましたがどっかで見たような展開の継ぎ接ぎになりそうな感じが・・・・

戦闘有りの物語なら魔法のような物から離して銃や剣での戦闘にしてみようかと思います。

ファンタジーにするなら戦闘物はやめて短編集みたいなのを作るつもりです。

さてさて、この3つの中からどれが出てくるか・・・・

最後まで読んでくれて本当にありがとうございます!

それではまた会いましょう!


祢音「さてさて!忘れちゃならないのが人気投票結果発表!」

メデス「どうにかランキングをつけるだけの票は集まったわけだが」

祢音「それでも予想より少なかったのでベスト3だけ発表しちゃうよ!」


1位 如月祢音

2位 メデス・ジュライアス

3位 如月奏


祢音「やはり私が1位!というこんな結果になったわけだけどいかがでしょうか?」

メデス「オレは2位だから文句はないな。無月なんて5位だし。ざまぁみろ」

無月「うるせぇっ!!」

メデス「ぐほぁっ!!!」

祢音「まさかのお兄ちゃん登場!?」

無月「まぁ最後ぐらい出てこないとだめだろ」

祢音「でも残念♪もう終わりだよ。じゃあね〜」

無月「何!?待てまだオレは―――」

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