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第53話

いや〜おまたせしました。

久々の更新です。

もしかしたら次も1週間後にはできないかもしれないです(というかおそらくムリ)

土日のどちらかに更新すると決めてるんで、何週間後になることやら・・・・・・・のんびり待っててください。

〜無月SIDE〜


「見つけた…って一番乗りじゃあなかったか」


この部屋にいるのはロキ、久遠、オレ、そして血溜まりに沈むルリアと李白。


ルリアと李白は身動きせず呼吸しているようにも見えない。殺られたか。


「お前を殺せばこの戦いもようやく終わるな」


「それは無理な話だな。今まで私は負けたことはない。勝ったこともないがな。


ここでオレたちは全員死に、


そして神々や巨人たちはいつかどこかで蘇り、再びラグナロクを引き起こす。


もしお前がオレを殺せたとしても


お前は終わるかもしれないがオレたち神々や巨人たちはそうではない。


再び蘇り生き残ったオーディンたちと戦うことになる。


その時はお前は死んでいるほど時間が経ってからだろうがな。


だが神は寿命なんかでは死なない」


「うんざりする話だな生き返ってもまた戦うしかないなんて。


仲良くできねぇのか?そうすりゃあ戦わないで済む」


「それこそうんざりする話だ。


それはつまりあいつらと二度と殺り合えねぇってことだろ?


それにオレはあいつらと殺り合うのは嫌いじゃねぇ。むしろ愉しいな。


それが誰の仕業か知らねぇが永遠に愉しめる宿命にあるんだ。これほど良い宿命はねぇ」


「戦闘狂だな。


で?その久遠とやらの後ろにあるどでけぇ装置、


それがアポカリプスを蘇らせるヤツか?」


「残念だが本体は別の場所にある。これを破壊しても直接意味はない。


だがこの装置から力を受けオレはヤツの力を取り込み人類を滅ぼし、新世界の神となる!」


と壮大な野望を言ってるわけだがいやいやいや待て待て待て。


それ某死神漫画のパクリだろ。


「神となってどうする?」


「……………」


ヤツはそこで固まった。


「……………」


「……………ここで死ぬお前には関係ないことだ!」


考えてないのか。


「じゃ死んでもらうか」


「神に勝てるか?」


『焔刃』


レーヴァテインに焔を纏わせヤツへと向かい、剣の切っ先を突き出した。


『破砕』


それに対してヤツは余裕の笑みをしながら人差し指を突き出す。


魔力同士がぶつかり合い、ヤツの黒いマントがバタバタと激しくなびく。


これは出会った時と同じ状況だった。


「ちっ、レーヴァテインじゃ効果なしか」


「こないだとは違うぜ!」


そのまま炎を放つ。


だがヤツはそのまま動かずシールドを張った。


大きなシールドでオレの放った炎は奥にいる久遠にも装置にも届かなかった。


ヤツの空いた左手に魔力が集中する。


「っと」


炎の放射を止めて後ろへ退く。


「やっぱりこのままじゃ勝てねぇだろうな。来い!フェニックス!!」


『憑依』


「いくぞ、『灼熱の波スコーチングウェーブ』」


レーヴァテインを床に突き刺すとそこから津波のように炎が広がってゆく。


ヤツは寸前までバリアも張らずにただ立っている。後ろにいる久遠もそうだ。


『拒絶』


一瞬ヤツを包むガラス玉が見えた。


だがすぐに視界は炎に覆われ見えなくなる。


ここで攻撃を止める気はない。


炎の中からさらにいくつか魔力密度の高い火球を創ってヤツが立っていた場所へと放つ。


視界を覆う炎とはまた違った炎が上がる。


これで火傷ぐらいは負わせただろう。


するとある1点から魔力が放射状に広がり風に消されるように視界の炎は全て消え去った。


こちらに向かってくる炎に数瞬眼を閉じる。


その中から現れたヤツも背後にいる久遠も装置も無傷のようだ。


どうやらヤツらを覆うように強力なバリアが張られているようだ。


ヤツの方より久遠や装置の方がバリアに込められた魔力は多い。


『混沌』


ヤツが宙へ浮き、オレへ手を翳すとオレの足下から闇が這い出てくる。


離れた方がよさそうだな。


バックステップで後ろへ退くとオレのいた場所が闇に包まれた。


なるほど、そこにいたら闇に呑まれてオサラバってことか。


今ヤツはバリアを張ってない。


レーヴァテインで一発叩き込むか。


これで剣に血一滴でも着けばオレは吸血鬼化できる。


いくか。


ヤツに向かって真っすぐ走りだす。


何の策もなしに正面から向かっていくのはバカのすることだが


ちょっとやそっとの小細工じゃヤツには通じないだろうな。


まぁやってみなければわからないが。


「はあぁっ!」


『一閃 鎌鼬』


剣を2度振ると焔に包まれた斬撃が2発放たれる。


だが斬撃は難なくシールドで防御され、斬撃は黒い煙を残して消える。


「まだだっ」


右へ移動しそこからさらに4発斬撃を放つ。


「これでっ!」


『二閃 双月』


煙がまだ残っている状態でオレはロキへ接近し、剣を振る。


だがロキを斬り裂く手応えのないまま剣はピタッと動きを止める。


「っ!?」


剣の刃はロキに握られ、動きを止めたようだ。


動かそうとするが少しも動かない。


ロキの顔が認識できるほど煙が消えた所でロキが手を伸ばしてくるのが見えた。


後ろへ退こうとしたが剣が固定されて動きが一瞬止まった。


その隙に首を掴まれた。


「ぐっ…」


左手でヤツの右手を掴み、魔力を込めるが白い煙が上がるが灼ける様子はない。


それどころか首をじわりと絞められていく。


「ふん」


「ぐ…うあっ!!」


かなりの力があるように思えない体型の割に力が強く、


投げられるとオレの体は床を激しく跳ねていく。


「死ね」


『処刑』


仰向けになったオレ前にいくつもの槍が向けられて、そして降ってきた。


「やべっ!」


ほとんどは体を捻ってギリギリで避けたがミスったな。2本刺さってやがる。


適切ではないが邪魔になるから槍を抜いておく。


そして片膝を着いた状態のオレの目の前にはロキがいた。


「ぐあっ!」


避ける前に腹を思いっきり蹴られ、オレはさらに吹っ飛ぶ。


「ぺっ…くぅ……いってぇ…」


タイミングを見計らって後ろへ跳んでみたがうまくいかなかったみたいだ。


肋骨が1本2本イカレてるかもな。


それ以前に出血もヤベェかも。


『陽炎』


膨大な魔力を使って辺りの温度を上げる。


これでヤツにはオレの体はかなり揺らめいて見えるハズだ。


魔力で探知されないようオレは剣の焔を消し、魔力を抑える。


オレにはヤツが見えている。


いけるか?


「どこにいる?」


こんな状況でもヤツは冷静だ。


バサッという音が上の方でした。


「上か?」


ロキは上を見上げたが上には黒いコートがふわりと降ってくるだけだった。


「ベタな手引っ掛かってんじゃねぇよ」


その時オレはロキの真下にいた。


「下か!」


ヤツは体を仰け反り、回避しようとしたようだがもう遅い。


シールドをさせる暇も与えずオレはヤツの体を斬った。


「ぐぅっ!」


オレはヤツへ縦に傷を負わせた。


剣の刃にはヤツの血も着いている。


そしてオレは剣に付着した血を全て舐め、飲んだ。


「くっ…つっ…」


これが神の血か…躰が疼く。


頭や躰がかなり熱くなってきた。


神の血がここまでとはな。


落ち着け…冷静になれ…。


「ふぅ…」


よし、傷も癒えたしかなりの魔性を感じられる。


これなら多少の無茶はできそうだ。


それと昼間でもなく外でもなくてよかった。


これで日光なんか浴びたら火傷程度じゃ済みそうにねぇからな。


「いくぜっ!」


一気にヤツとの距離を詰め、剣を振り下ろす。


予想通りヤツは剣を掴んだ。


その瞬間槍をイメージし、左手を槍へ変え突き出す。


「くらえっ!」


「ちっ」


ヤツは右手でシールドを張った。


その間で激しい光が放たれる。


「いけぇっ!」


シールドは破壊され、そのままヤツの体を貫く。


はずだったがギリギリでヤツは体を右へ移動させ、


傷を負わせたものの致命傷は避けられた。


「まだだ!」


体を捻り、スケート靴をイメージし、足を刃物に変えて攻撃する。


「っと」


かわされた!


んなわけでオレは隙だらけだ。


「吹き飛べ」


『闇球』


ヤツに指先に魔力の込められた紫の球体がオレの足へ放たれた。


硬質化できればよかったんだがそんなことやったことねぇしイメージの仕方がわからねぇ。


ドォン


と音を立てて爆発が起こり、オレはその爆風で吹き飛ばされる。


尻餅をつくオレの足は吹き飛ばされて太もも辺りから下がなく、


そこからボタボタと血が流れ続ける。


だが今のオレは神の血を吸った吸血鬼だ。


傷口から新たに細胞が構成され、再生される。


その様子は自分自身の事なんだが見ていても感覚もいいものじゃなかった。


「化物だな…」


ヤツの治癒魔法を使ったのか体の傷は癒えている。


「へっ、お前は神だろが」


ヤツの配下の巨人の中にも再生するヤツがいたしな。


再生した足の感覚を確かめながらゆっくりと立ち上がる。


コートの足下を覆っている部分は不格好に破れている。


「治癒しあってるんじゃあ決着つかないな。本気を―――」


「お兄ちゃん!!」


後ろからオレを呼ぶ声がしてヤツの方を注意しながら振り返ると祢音がいた。


「大丈夫」


「一応はな。お前祢音か?」


今、祢音には白と黒の羽が生えているが人格は天使と悪魔のどちらでもないようだ。


「そうだよ。色々あってね」


「そうか。なんか強そうだしいいか」


そして再び振り返り、ロキを見る。


「その姿…天使と悪魔を手懐けたということか。


やはりお前らはイレギュラーだな。最大の障害となるようだ」


「手懐けたってわけでもないんだけどね。ロキ、あなたの野望はここで終わりよ」


「何を世迷い言を――」


ドゴォォン


大きな爆発音と友に強烈な地響きが起こる。


「な!?…まさか…久遠!!!」


未だ続く地響きの中ヤツはこれでもかという程大声を上げる。


「アポカリプス復活のための動力源を破壊されたわ」


それに反して久遠は冷静な声でヤツの問いに答えた。


「くそ!何をした!?」


「私は何もしてないよ。


奏ちゃんが動力源を破壊したって念話を通じて知ってただけ」


「という事はあの女しくじったか。


久遠、そこに溜めてきたアポカリプスの魔力はどれだけだ?」


「本来持つ魔力の68、371%よ」


「ちっ、70%程度ではオレの目的は果たせないな。


まったく、こちらの用意したイレギュラーは役立たずだ。


もういい、この生にも興味はなくなった。久遠それだけあれば『あの詩』は謳えるな?」


「ええ、十分よ」


「コードを繋げて謳え」


「わかった」


久遠は装置の前まで移動すると自分の下に魔法陣を出す。


『滅びの詩  ラグナロク』


そして久遠は謳い始めた。


久遠の歌声だけでなくバックには何かの楽器による演奏まで聞こえてくる。


「これは…?」


「綺麗な声」


謳っているのは日本語でも英語でもない聞いたことのない言語だ。呪文か?


まぁいい、翻訳してみるか。


詠唱している時の言葉は何も意味なくぶつぶつと呟いているわけではない。


それぞれ意味がある。


この詩の歌詞が理解できればこの詩の効果もわかるはずだ。


戦闘中は戦闘に集中しているから普段は使わないが。


「…翻訳不可能?」


翻訳できないなんて出たのは初めてだ。


この魔法を使えば行ったことのない異世界でも言語が理解できるというのに。


―無月さん、祢音さん、今すぐその詩を止めてください!―


―フェイト様!?―


―その詩は滅びの詩ラグナロクです。その詩が謳い終わる頃にはこの世界と座標の近い異世界が消滅します・・・・・

いかがだったでしょうか?

読んでの通りもうそろそろ終わりです。

あと2話くらいかなぁって予定してます。

感想&評価待ってますよ〜

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