第49話
いや〜2週連続で3連休ってのはいいですね〜
サザエさん症候群なんてなんのそのですw
〜レミアSIDE〜
「さて、どうしましょうか…」
「殺すしかないでしょう。あそこにいてもらわれると兵が中に入れませんし」
城の入口前には上半身だけの巨人が入口を塞ぐように陣取っている。
その巨人は近づいてきたこちらの兵を巨大な腕で薙ぎ払っていくどころか
さらには口内から放たれるビーム砲で味方もろとも攻撃している。
まさしく巨○兵!! By作者
「『ユミル』…の複製ですか?
復活を試みたようですが中途半端になってしまったようですね」
そう、目の前のユミルは完全ではない。躰も上半身だけだ。
だが力は原初の巨人だけあって並ではない。
「だけど所詮は生物…」
私は特別製のレイピア、『ケニング』を取り出す。
ケニングは指揮棒の役割もあり、私の動きに合わせて対象物の様々なスピードを変化させる。
「時間の流れには勝てません」
私はケニングを振り始める。
速度変化させる対象はユミルの年齢。
どんなに躰を鍛えても寿命には勝てない。
最期には躰が腐食していき朽ち果てる。
「…変化なし?どういうこと?」
しばらく後で気がついたがユミルには何も変化は見られない。
巨人の寿命が非常に長いのは知っている。
それも含めた上での見解なのに。
「レミア、一度止めてください。
…これは全身が魔力でコーティングされてます。
強いです…このままでは効果がないですね。
このコーティングを弱体化させてからケニングを使ったほうがいいでしょう。
あと…頭部分に魔力のコアがあります。
そこにダメージをある程度与えられれば弱体化できます」
「そうですか」
ユミル北欧神話内でもオーディン様、ヴィリ、ヴェーの三神によって倒されたという。
三神ほどの力がなければ倒せないということでもある。
私は指揮能力に特化しているし、戦闘能力も指揮者の称号を持つだけはあると思っている。
『ワルキューレ』、それが私の名。神の力を持つ。
そしてフェイト様、彼女はまだどのくらいの力を持っているのか私は見たことがなかった。
さっきの攻撃、『アマテラス』と言っていたか、あの攻撃力は十分戦力になる。
他の力はあまり見ていないが期待する価値はありそうね。
あと1人神クラスの者がいればいいのだが…贅沢は言ってられない。
コーティングを何とかするぐらいならやれそう。
「フェイト様、アマテラスはまだ使えますか?」
「あれは魔力消費が激しいので本気は今は止めておきたいです。
さきほどの威力なら何発か」
さっきのは手加減していたのか。
(遠距離攻撃可能のエインヘリャルに命ずる。
ユミルの脳天、私の指示した箇所を攻撃せよ。私がサポートします)
宝具起動 魔導楽譜『無限楽譜』
No.23『反響する破擦音』
この曲は対象物が受けたダメージを増幅させる曲。
そして私の命を受け、
エインヘリャルはそれぞれ矢や槍、銃を放ち、ユミルの脳天を攻撃する。
さすがはオーディン様や私が選んだ勇士たち。
私のサポートもあって一点集中の攻撃により魔力のコーティングに歪みが生じる。
「行きます。『アマテラス』!」
さらにフェイト様の攻撃が加わる。これにより弱体化どころか消滅させた。
「あれだけのコーティングはすぐには再構築できません。レミア!」
「もうやってます」
私は再びケニングを振る。
今度は効果があったようだ。
次第にユミルは動きを鈍らせ最期には躰が砂のようになり消えてしまった。
ユミルによって両軍の兵が大きく削られた。
ここが片付くのも時間の問題でしょう。
「レミア、ここは任せます。私は城へ行き、久遠を止めてきます」
「そうですか。ではお気をつけて」
〜ソルダート姉弟SIDE〜
(どうする?これはやっかいな相手だぞ)
戦ってわかったことはヤツら『スコル』と『ハティ』と言われる狼は魔力を喰うようだ。
神話の中ではそれぞれ太陽と月を喰ったと言われている。
魔力なぞ造作もないだろう。それに元が狼なだけあって素速い。
「リストの力でなんとかできないの!?」
「無理だ!相手が速過ぎる」
オレの魔法は時を止める事ができるが対象物の確定に時間がかかり、
それにこの魔法は対象物に自分の魔力を流し込む必要があるため
魔力を喰うヤツらに魔法をかけるのは無理のようだ。
素速い動きになんとか合わせて魔法をかけてみたが意味はなく。
その後ヤツが口から放った光線にオレの魔法の効果が見られた。
どうやら吸収した魔力を自分のものとして扱えるように変換して放つことができるようだ。
魔力でのダメージは望めそうにないな。
なら物理攻撃でダメージを与えるしかなさそうだ。
『サンライト』『ムーンライト』
それぞれ2匹の口から赤と黄の光線がオレたち目掛けて放たれた。
太陽と月の名は侮れず、放たれたソレは魔力の質が高く当たればひとたまりもない。
当たれば…な。
「「はぁっ!」」
姉さんの方はを目の前で振り空間を切り裂くと
赤い光線ががその中に入り込みそれから出てこなくなった。
オレの方は白い光線の時を止め、その後楽々とかわしてから光線の動きを元に戻す。
姉さんの力に比べれば被害を0にすることはできないので少々不便かもしれない。
ヤツらは魔力を吸収し、自分の物にすること。
さっきの光線、それさえ気をつければ何のこともない。
所詮は獣だ。
「仕掛けるよ」
「ああ」
オレたちは指揮者や調律師のように聖霊を扱うことはできない。
だがそれに代わる特殊な能力を持っている。
『狂戦士化』
狂戦士化、
簡単に言えば身体能力、魔力の量、質のような基礎能力の大幅強化。
力が弱いと急激な身体の強化に耐えられず暴走してしまうことがある。
ボロボロになるまで見境無く破壊活動を行う、文字通り狂戦士となるわけだ。
まず姉さんはスコルを空間内に閉じこめ、さらに自分もその中に入る。
再び空間に裂け目ができ、そこからは姉さんだけが出てきた。
普段姉さんが切った空間の裂け目の中は
切った空間と同じ空間、またはどこかと繋がっている他の空間との狭間だ。
外側から見ただけで実際に行ったことがないのでうまく説明できないのだが。
その間は強力で不可解なエネルギー同士が鬩ぎ合っている。
その隙間を移動できるように姉さんでも長い時間そこにいると躰が崩壊してしまう。
普通の生物ならもちろんオーディンのような
よっぽどの魔力を持たない限り、高尚な魔術師でも崩壊は一瞬だ。
オーディンでも全力で10分保つかどうか。
狂戦士化すればその空間の隙間にいる時間を結構長引かせられるがずっといるのは無理だ。
「後は任せたよ」
「ああ」
さらにハティを空間内に入れ、その後オレの正面3mほど前に出現させる。
近づけば近づくほど効果は高くそれに今は狂戦士化している。
完全に止められるか…?
いや、無理だろうな。太陽や月を飲み込んだほどだ。
せいぜい3秒かそのくらいだろう。だがそれで十分だ。
魔法を使うと予想通り動きが止まる。
「はぁっ!」
ヤツの動きが止まったのを認識した瞬間に
オレは動きだしヤツの腹に先を突き刺し引き裂いた。
「余裕だったな」
「調律師でない者なんかにやられるとは……まったく情けない」
「誰だ!」
そうして振り返った先にいたのは黒い髪を軽く束ねた女。
「…くっ!?」
ヤツは何も動いていないのに背後から何か刃物にに貫かれた感触と痛みがした。
オレはいつの間にか腹部を貫かれていた。
振り返ってみるが誰もいないしこの3人以外に何も気配はない。
「リスト!」
「目には目を歯には歯を、イレギュラーにはイレギュラーを。
あなたたちにはここで死んでもらいますよ」
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