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第34話

最近巷では白い魔王が活躍してますが無月はどうでしょう?

「ふうっ、楽かと思ったけど案外そうでもなかったな」


1人1人に使う魔力はさほど多くなかったのだが人数が多かったし、


ずっとオレが相手をしていたので楽ではなかった。


「今日はもう授業ないから魔宝の捜索」


奏はずっと見ていたようだがそれはそれで疲れないか?


「はいはい。どこ探そうか」


そう考えるのも無駄のようで結局反応を確かめながら気ままに歩き回るだけだった。


反応はなかったか…。


と思ったのだが校長室の前で強い反応があった。


「お!この近くか?」


だが十秒ほどすると反応は消えてしまった。その時


「!!」


かすかだが感じた事のある魔力が急に感じられる。


「これは…誰だ?」


「上みたい」


オレと奏は広場へ開ける窓から飛び出して屋根に登る。


「お前か」


オレは誰も見えない屋根の一部へ向けて話しかける。


「バレバレだぞ。次元の怪盗」


「あれ?バレてた?」


そう言い終えると何もない所から真っ黒な服に身を包んだ次元の怪盗が姿を現した。


「久しぶりぃ」


「何しに来たんだ?」


「仕事してたら気になる魔力を感じたからな。


ついでにお前達の目当ての物もあるみたいだし」


「ここの魔玉は渡さねぇぞ」


「わかってるって。オレの雇い主はロキじゃなくなったんだ」


怪盗は肩をすくめてヤレヤレポーズをとる。


「じゃあな。今回はお前達の顔を見に来ただけ。元気そうでよかったよ」


「あ、そ。最後のセリフ、ホントに思ってんのか?」


「当たり前だろ」


そうしてニヤけた顔をした怪盗は次元転移魔法を使ってこの世界から去った。


「何しに来たんだ?」


「顔を見に来ただけだって言ってた」


「いやわかってるけどさ」


その後は何の変わりもなくだらだらとして過ごしていた。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



翌日、今の時間は昼過ぎ。2回目の授業である模擬戦を行う時間だ。


今日の相手は11年生………つまりこっちで言うところの高校2年生ぐらいだ。


「無月さんと同じくらいの子ですね。友達ができるかもしれませんよ?」


「いや、今のオレには必要ないですよ」


「そうですか」


ちなみに奏はここにいない。


どうせ模擬戦を見てるだけなのだから


いつ出るかわからない魔玉の反応でも調べてもらってる。


今頃校内のどっかを歩いてるハズだ。


「さて、着きました」


模擬戦を行う場所は昨日と同じ広い校庭だ。


オレの眼には昨日と同じような光景が映っている。


違っているのは生徒の姿ぐらいか。


「お待たせしました。では授業を始めましょう」


昨日と同じようなやり取りが行われるが


「今日の模擬戦の相手をしてくださる。如月無月先生です」


とオレを紹介した時生徒たちの何人かが疑いをかけているような顔をする。


「せんせー、どう見てもその人オレたちと同じぐらいの年ですよね?」


な〜んかガラの悪そうな生徒が手を挙げて質問する。


「そう…ですね」


雫はオレの顔を見て少し考えてから答えた。


「ちゃんと先生できるんですか?


逆にこっちが先生になってしまうかもしれませんよぉ?」


こいつ完全にオレをナメてやがるな。


「さあ?昨日見て思ったんですが教えることに関しては不器用ですが強いですよ」


「ホントですかぁ?」


質問した生徒とは別の生徒が訊く。


「じゃ、1回闘ってみるか?


本気で構わねぇし、何人一緒でもいいぞ」


どうやらこいつらには『灸を据える』ということをしなければならないようだ。


「いいんスか?先生」


「いいでしょう」


他の生徒や雫はオレから離れ、


最初に質問した生徒(以下生徒1としよう)と1対1で対峙する。


「来な」


「いくぜっ!」


威勢のいい声を上げてまず生徒1が杖を振り、魔力でできた球を放つ。


スピードも魔力の密度もあるし、さすがに昨日の生徒とは大違いだ。


だが所詮6年生でも扱える最弱クラスの魔法。


「まだまだだな」


オレは生徒1が放った魔球と同じぐらいの威力の火球を放って相殺させる。


すると爆発を起こし、煙で辺りが包まれる。


さらにその煙を突き破って極太のレーザーが向かってきた。


そしてドォォンと音を立てる。


「やった!!」


生徒1はオレに直撃させたと思って素直に喜んでいる。


わかってるとは思うがオレは服に擦ってすらいないぞ。


「甘いな」


オレは一瞬にして生徒1の背後にピッタリ付いて呟くようにして言う。


「な!?」


びゅっと音を立てて素速く振り返る。


「自分の攻撃が当たったからといって喜ぶのは速過ぎる。


防御魔法で防がれる可能性があることぐらいその年になればわかるだろ」


「うるせぇっ!お前ら!!」


生徒1の友人と思われる数人の生徒がオレを囲んでいる。


どうやら直接叩きのめされなければわからないようだ。


「撃て!!」


さっきのと同じレーザーが放たれる。


逃げ場はない…空が飛べなければ。


だが直接オレの強さをわからせるためにはそんな事をしても意味がない。


『ファイアウォール』


レーザーが当たる前にオレの周りを炎の渦が囲む。


炎が突き破られる事はなく、耐えている。


「手加減してやってんだから大怪我なんかすんじゃねぇぞ」


『ファイアボール』


攻撃が収まったのを見計らってオレは火球を渦の中から放つ。


「「「うわっ!!」」」


何人かの声が重なる。


渦が消えるとオレを囲んでいた生徒全員が吹っ飛んで芝生に滑った跡を付けている。


少し、頭冷やそうかなんて声がしたがこれじゃ逆だろ。


「わかっただろ?お前たちはオレには勝てない」


「わかったよ、わかったわかった」


ゆっくりと起き上がりながら生徒1は言った。


「じゃ、改めて模擬戦を始めましょうか」


と雫が言った瞬間だった。


(無月…強い魔玉の反応があった。


場所は…校長室……)


よし、魔玉は校長室にある。間違いないだろう。


(わかった。この授業が終わったら…… !!?)


ここからでもわかる強い魔力を感じる。


(敵の船が来た。それと強い魔力の持ち主が乗ってると思う)


(今行く!)


オレは念話を終わらせると雫に断りを告げずに校舎に向かって走り出す。


「みんな!安全な所に避難してて!ヤツらが来ました」


雫には言わずともこの状況に気づいたようで生徒たちにそう言うとオレの後を付いてくる。


誰だ?魔力の強いヤツって……。


案外そうでもなかったですねw

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