表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/73

第5話

そして任務決行の日が来た。


『野々宮は自分が狙われている事に気づいているがいつ攻めてくるかは気づいてないようだ。


敵の多数はただの人間だ。それに魔法使いが傍にいようがお前たちの実力なら問題ない。


調律者が3人もいれば十分だろう。演奏者は支部の殲滅にあたる。少数精鋭で攻めろ』


という総帥の命令なので今回は無月、祢音、そして同じ調律者のメデスが本部を攻める事となった。


3人は今、転移魔法で敵の本拠地である5階建てのビルの前に移動した。


「さて、よろしくな。お2人さん」


無月の左隣にいる20代前半の男メデスがそう言って笑う。


メデスは髪を茶色に染めており、ワックスをつけているせいか髪はいくつか束になってボサボサで、


無月と祢音同様、任務用の黒いフード付コートを着ている。


「ああ、よろしくな」


「よろしくね」


2人はとりあえず挨拶を済ませる。


「祢音ちゃんと任務するのは久しぶりだよな。


今回は女の子も捕らわれてるみたいだし、楽しみだなぁ〜」


メデスは胸をときめかせ、何かしらの妄想をしている。


「はは、相変わらずだね」


祢音はメデスを見て苦笑いをし、


「いつものことだ」


無月はメンドくさそうに携帯のディスプレイに表示されているデジタル時計を見ている。


「さて、任務開始だ」


3人はフードを深く被るととビルに乗り込んだ。







3人はビルの1階に入ったはずだがそこで見たのは廃れた工場の中だった。


「おお!こりゃすげぇな」


メデスは辺りを見渡しながら驚いている。


「メンドくせぇな」


目の前には大勢の暴力団組員が銃やら鉄パイプやらを持って立っていた。


奥には次の階へと進むであろう階段がある。


「エレベーターじゃないのかよ…」


「どうやら正面突破しかなさそうだね」


そう言うと祢音は拳銃をメデスは金属でできた棒を取り出した。


「じゃ、早速行きましょか」


とメデスが言い、3人は集団の中に飛び込む。


「うらぁ!」


無月は日本刀を使い、敵を次々に斬りつけ


「はぁ!」


祢音は拳銃で敵を殴りつつ銃弾を放つ。


「オレたちの相手じゃないなぁ」


メデスは棒術で敵を倒していく。


あっというまに集団の中を抜けると階段を登り2階へと進む。


2階も3階も同じような場所で難なく進んでいく。


そして4階に来ると魔力が感じられた。


「魔法使いだね」


すると目の前から2人の男が現れた。


「魔法使いじゃ、ザコの相手は務まらねぇよな」


「だからオレたちがいるんじゃん」


1人は短剣、もう1人は長剣を持っている。


「じゃ、オレはヘラヘラしたヤツをやるよ」


長剣の男は長剣をメデスに向けて伸ばす。


「オレはどっちだ?男か女か?」


短剣の男は短剣をまず無月、次に祢音と向ける。


「どっちでもいいよ。どうせ最上階には頭がいるんだろ?」


「そうだな。じゃ女だ」


短剣の男はへへっと笑う。


「相談は終わったか?」


男たちの話が一段落ついた所で無月が言う。


「ああ、行くぜ!」


2人はそれぞれメデスと祢音に向かってくる。



カキィン



同時に金属同士のぶつかり合う音が響く。


「先に行けよ。無月」


「そうだよ。私たちで十分だよ」


次々に襲いかかる長剣と短剣を棒や拳銃で防いでいきながら2人は話す。


「…そうか。任せたぞ」


無月はそう言うと真っ直ぐに階段へと向かった。


「さて、さっさと終わらすか」




無月は階段を上り最上階に辿り着いた。


最上階はどうやら社長室のような所で、真ん中に立派な机と椅子が置いてある。


「お前が野々宮晴樹か」


無月は背中を向け窓の外を眺めている男に話しかける。


「そうだといったら?」


「お前の首をもらう!」


と言うやいなや無月は飛び跳ねて男の首筋をめがけ、刀を振る。


「!?」


しかしその刀は男の首をすり抜けてしまう。


「後ろか!」


後ろから放たれた電撃を無月は刀で受け止めた。


「お前が黒幕ってやつか?」


電撃を放った男はやせ細っており遠距離攻撃タイプの様な印象を受ける容姿だった。


「私の名はキリア。ついでにいうと私は助言しただけです。実際に行動したのは彼ですよ」


「野々宮はどうした?」


「殺しましたよ。彼は彼女の素晴らしい力をただ私利私欲のためだけに使っていましたから。


それに彼の役目は彼女を捜し出し捕らえ、隠す事。


あなたたちに見つかってしまえば用済みですしね」


と言ってキリアは微笑んだ。


「彼女…いつも野々宮が連れていた少女の事か」


「そう。あなたも彼女が目的でしょう?」


「まぁそれもあるな」


「渡しませんよ…彼女は」


そう言うとキリアは結界を発動し、電撃を放った。


「無駄だ」


無月は刀を振り払うようにすると電撃は簡単に消え去る。


「やはりあなどれませんね。ではこれでいきましょう」


すると新たにキリアの姿が10人ほど現れ、無月を囲む。


「幻術か」


無月周りを囲むキリアたちを見るとそう判断する。


「ではいきますよ」


そして一斉にキリアから無月に電撃が放たれた。


「ぐあぁっ」


無月は元々のキリアから放たれた電撃のみを切り払ったが残り9人の電撃を受けてしまった。


「何…?幻術なら攻撃は効かないはずだが…?」


床に膝をついて無月は言う。


「幻術なんて言ってませんが?これは全て本物」


無月を囲った全てのキリアから声が出されダブって聞こえる。


「なら全員倒せばいいだけだな」


すると無月の持つ日本刀『夢羅雨』が炎に包まれた。


「くらいやがれ」


無月が炎に包まれた刀を振ると炎が無月を中心として円上に広がり、


全てのキリアにダメージを与える。


「ぐああああ!!」


そして元々のキリア1人が残った。


「本物の方が体力があるのか?まぁいいこれで終わりだ」


無月は一気にキリアの目の前に詰め寄ると刀を脳天に突き刺した。


「何だ。あまりにも呆気なさすぎるぞ。…まぁいいか」


無月が階段に向けて振り返るとそこには祢音とメデスが立っている。


2人とも戦闘が終わったのに無傷だった。


「さ、嬢ちゃんを捜そうぜ」


とメデスは嬉しそうに言うが


「もう見つけたよ」


と言って組長室の机の傍にある大きな金庫を開けた。


そこには魔力のベールで拘束され、気を失っている銀髪の少女がいた。


無月はベールを切り裂くと少女が倒れ込むようにして出てくる。


少女は腰辺りまである長く白い髪をもち、野々宮から与えられたのか白い洋服を着ていた。


「おおっ!かわいーじゃん♪」


メデスは少女の顔を見てさらに嬉しそうに言った。


「ん…んん………」


すると少女が目を擦りながら目を覚ました。


「目を覚ましたみたいだね」


祢音が言う。


「あなたたちは?」


自分の周りにいる人が見たことのない人がいるのに気づき質問する。


「オレたちはお前を助けに来たんだ」


そう言って無月は座っている少女に手を差し出す。


「……!!早く自分の家に戻りなさい!!」


「うわっ、何だ?」


少女は何かを思い出したようにはっとするといきなり叫んだ。


「オレの家にか?何でそう思う?」


無月は頭に?マークを浮かべ聞き返すが


「いいから早く!後悔したくないなら!!」


少女は無月の質問に答えずただ無月の家に戻るよう訴え続ける。


「ああ…わかった」


無月は少女の気迫に押されながらも自分の家に戻ることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ