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第28話

「お、先に終わってたのか」


オレが長老と一緒に長老の間に戻った時にはすでに奏が戻っていた。


「先に終わってた」


奏は無感情にオレの言った言葉を復唱する。


奏の傍に来てそのやりとりの後、後ろを振り返れば長老たちが何やら話していた。


おそらく試練の事でも話しているのだろう。


「さて、試練も終わったようじゃし、任務に戻ってもらうとするかの」


「わかりました」


オレと奏は長老の間を出る。


「で、オレについてくるんだな?」


長老の間を出てしばらく歩いた所でオレは奏に確認する。


その問いに奏は静かに、だがしっかりと頷いた。


「そうか。じゃ、行くか」


オレは今後奏と行動を共にすることにした。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「ほお〜〜」


オレたちが着いて最初に見たのはゲームによくありそうな街並み。


まだ昼間のようでガヤガヤと街は騒がしい。


けっこう前康宏から借りてやったことがある


ファイ○ルファン○ジーシリーズの大都市にこんな感じの街があった気がする。


やり込むことなく一通りクリアしただけで返したんだが。


「さぁて、どうしたものか…」


強い反応はあるみたいだが手懸かりなんて何もない。


「無月……」


背後から奏がオレを呼ぶ声がしたのでオレは振り返る。


「吸う?」


奏はオレの目の前に腕、正確に言えば手首を持ち上げて見せつける。


「いい。あいつも吸わなくても生きていけるって言ってただろ」


別に血が必要でなければ吸いたくもない。


「ダメ、前みたいなことされると迷惑だから」


そう言えば血を全く吸わなければ欲に躰が支配される事があるとも言ってた。


支配されれば迷惑になるだろうな。


「……わかった」


オレは奏の手と腕を掴むとその間にある手首に咬みつき、奏の血を吸った。


奏は痛みに顔をしかめることなくその様子をじっと見ていた。


「悪いな」


オレは口から奏の手首を離し、オレの唇や奏の咬み傷についた血を拭う。


「別にいい。私は無月の餌だから」


そう言うと奏はオレの横を通り過ぎ、勝手に歩き出した。


「あいつどこ行くんだ?」


奏は何かを感じたのかてくてくとオレの前を歩き続けている。


「いい天気だな……お?」


高い建物がそびえ立っている上空一面に広がる青い空を眺めていると


オレたちの世界にあるような飛行機とも言えないなんとも大きな機体が空を飛んでいる。


「飛空艇ってヤツだな」


と借りたゲームにあった単語を誰に聞かせるわけでもなく呟いたのだが


「……乗ってみる?」


そう奏が振り返って言うので


「じゃあ行ってみるか」


街中にあったでかい街の案内図(形も道もかなり安易に描かれたものだが)


を頼りにこの街の一番端にあるターミナルへと向かった。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「こりゃすげぇな」


そのタームナルへ行ってみてわかったのだがなんとこの街は宙に浮いていた。


それにふわふわしているわけでもなくピタッと静止している。


非常に仕組みが気になる………わけでもない。


飛空艇が飛んでるということは他にも浮いている街があるのだろうか?


それとも大きな国自体が飛んでいてこの街はその一番端か。


だからといって現時点ではこれが魔宝への手懸かりになるような気はしないのだが。


奏はというと観光案内所みたいな所で何かパンフレットのような物を読んでいるようだ。


「これ」


そう言ってパンフレットを差し出し見るよう促す。


「こんな世界もあるんだな」


そのパンフレットの1文にはこう書いてあった。


100年前に起こった大洪水から唯一生き残った我が国『フライング』


そしてフライングの最大空港都市である『バーニア』は……(以下省略


まとめるとこの国は浮いていて下は海である。


他に国はなくこの世界に国はここだけだということだ。


このパンフレットがあった所を見るとこの国の他の街のパンフレットがいくつか置いてある。


そして少し気になった街のパンフレットを取る


「大都市『レジェンド』。


この国の中心にあるみたいだな。


そこならなんかあるだろ。


行ってみようぜ。飛空艇に乗ってな。いいよな?」


補足しておくが転移魔法は次元転移魔法と違って


一度も行ったことがない場所には移動できない。


「別に構わない」


ということでちゃんと金を払ってオレと奏は飛空挺に乗り込んだ。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「さて、例の如くここに来ることになるわけだ」


飛空艇による短い空の旅を終え、図書館に来たオレと奏。


なぜ他の国が沈んだのか、なぜこの国だけ生き残ったのか?


その歴史を知ることが近道だろうということで図書館に来たわけだ。


やはり歴史についての情報収集と言えば図書館だな。


「広いな」


国一番の大都市にあるからかさすがに広い。


だが歴史のコーナーは入口からそう離れてない上、


けっこう大きかったので案外早く見つかった。


「さ〜て、どれだ?こんだけ多いと面倒だな」


と思って背丈を遙かに超える大きい本棚を眺めていたが


「これ」


といって辞書並の厚さにタ○ンページほど幅のある本(?)を差し出した。


厚さについてはそれ以上だ。


どんな歴史があればここまで分厚い本になるんだ?


「こんなモンのどこに――」


「2378ページ」


え〜とそんなこといきなり言われてもな……。


とりあえず言われたページを開いてみる。


「お、すげ」


ちゃ〜んと知りたい事が載っているページが開けた。


知りたい事とはもちろん他の国が滅んだ、そしてこの国だけが生き残った理由。


「ここだな」


その文章は非常に長いので抜粋&日本語訳してお送りしよう。



この世界の陸上は突然起こった地球の温暖化と


それによる水位の上昇によってほぼ全ての国は海中に沈んだ。


だがその時この国はなんと丸ごと浮かび上がったのだ。


そして長年に渡る調査の結果判明したのはこの国の中心に


科学では解明できない不思議な力を持った宝玉があり、


その力で浮かび上がったという事実だ。


その宝玉はたったソフトボール程の大きさであったため


信じられないと言う者もいたがこれは紛れもない事実なのだ。


我々は宝玉を中心に神聖な神殿を作り、崇めることとした。


なぜそのような物が存在しているのか、なぜ国を浮かび上がらせたのかは一切不明だが


宝玉によって今日我々は生き続けられているのだ。



なるほど。その宝玉ってのが魔玉そのものなんだな。


国を浮かび上がらせるとか意味わかんねぇぞ。


その本をパタンと閉じ、その本を一際大きい隙間があった場所に入れる。


神殿は多分この街のどこかにあるだろうな。


さっそく行ってみるとしよう。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「そうきたか」


残念ながら神殿内は立入禁止。


見た目はけっこうでかそうだが中の様子はわからない。


フェンスに囲まれているしよじ登ろうにも上には有刺鉄線がある。


過去に何かあったとしか思えないな。


どうせ中に入れないのだからって思ってるのかは知らないが他に人はいない。


「破壊する」


奏は新しく手に入れたミスティルテインとかいったかを取り出しフェンスを軽々斬る。


ちょうど人一人通れる分の入口ができ、奏はそうやって入るのが当然のように中に入る。


「ちょっと待て!」


背後から聞こえたその声だけで


オレたちを呼び止めようとしているヤツがなんとなく警備員だとわかった。


「?」


オレはとりあえず振り返ってみる。


その男の格好はそれなりに武装されている。


ただの警備員だったらおかしいがここは最も重要な所。別におかしくはなかった。


「そこに入るな!そこは立入禁止だ!」


「嫌だ…と言ったら?」


オレは殺気を込めて男を睨む。


「…撃つ!!」


数秒怯んでいたが腰にあった警備員が持つには少しゴツイ銃を構えた。


「邪魔」


その瞬間奏が男の背後に移動し、


うなじに手刀をくらわすと男はウッと呻いてその場に倒れる。


男が気絶したのを確認すると奏は再びフェンスの中へ入っていった。


「無茶なヤツだ」


嫌いじゃないけどな。


オレもその後をついて中に入った。


もうネタが・・・・・。

もうすぐテストだし、勉強ばっかで考えてる時間がないorz

あってもいいネタのが思い浮かばないですしぃ。

こんな私の書く物語もだいたい70%ぐらいは終わりましたかね。

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