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第14話

「よ、また会ったな」


やっとメラを倒したオレの目の前に次元の怪盗が現れた。


しかもヤツはメラの持っていたいくつかの魔玉の入った丸瓶を持っている。


「頑張って殺したが、残念だったな。


コレをお前に渡すわけにはいかねぇんだよなぁ」


と言ってヤツはメラの丸瓶をクルクルと回す。


「見ていたのか?


戦闘中だったとはいえ気づかなかったのは迂闊だったな」


「気にするな。怪盗である以上その手の魔術は並のレベルじゃねぇ」


「そうかい。じゃ、それ渡せ」


オレは刀を持っていない空いた左手を伸ばすが


「嫌だね。渡すわけにはいかねぇって言ったばっかりだろ」


「なら、力ずくで!」


オレは跳んで一気にヤツの目の前まで迫り刀を振る。


「おっとそう簡単にはね」


ヤツは後ろへ宙返りし、10Mほど先のフェンスの上に器用に立つ。


「ちっ」


「ほれほれ、さっさとしねぇと帰っ――!?」


ヤツが丸瓶を上へ軽く2回ほど投げた時、


一瞬にしてヤツの全身にいくつものクナイが刺さる。


「なっ!?」


しかし血だらけになり、倒れていくヤツの姿は陽炎のように揺らめき、


ついには消えてしまい、跡には刺さっていたいくつものクナイが残った。


「危ねぇ危ねぇ。まさかもう1人、いや2人いたとはな」


ヤツは無傷でオレの数M後ろに立って屋上への扉を見ていた。


「幻影か…今のを退けるとは、なかなかのやり手のようじゃな」


扉から白く比較的短い髪をして無月たちと同じ黒いコートを来た初老の男が現れた。


調律師の一人、『李白』。ちなみにさっきのクナイは李白の武器だ。


「よっ、無月」


そしてオレの隣にメデスが降り立った。


「何で李白がいるんだよ」


「さあ?たまたまだろ」


今ヤツは屋上の中心でオレたちに囲まれている。


「あ〜〜………調律師が3人じゃ勝ち目はねぇっぽいな。コレやるよ」


と言ってヤツはあっさりオレへと瓶を投げ寄越す。


「渡すわけにはいかねぇんじゃなかったのか?」


「まぁそうだけどさ。


3人相手じゃ分が悪ぃし、後でまとめてもらいに来るよ」


そう言ったヤツの左目にあるモノクルが光に反射し、白く光る。


何か余計な事考えてやがるな。


「魔玉はまだいくつか持っておるじゃろ?それも頂こうか!」


李白は瞬時にヤツを囲むように無数のクナイを出す。


「そんなんじゃあオレは捕らえられねぇよ」


しかしヤツは死角なく自身を囲むクナイを前に平然としている。


「死ねぃ!!」


李白が無数のクナイを一斉にヤツへと飛ばす。


「甘い甘い」


するとヤツが着ていた真っ白なマントがヤツを覆う。


そして次の瞬間にはヤツの姿は消え、代わりに白いハトが現れ、飛び立った。


そのハトは本物ではないようで何事もないようにクナイを擦り抜ける。


「なんという次元転移の速さ」


そう、ヤツはあの瞬間に次元転移魔法を使った。


難易度の高い魔法のため、発動するのに普通は数秒かかるが


今のヤツの魔法はクナイが飛び始め、自身に届く前に発動した。


そうとう鍛錬したようだ。


『次元の怪盗』の名は伊達ではない…か。


逃げられたのになぜ魔玉を寄越したのかは気になるが、


ヤツがいない以上気にしても仕方がない。


「ここにはもう用はないな。それは如月無月、お主に渡しておく。


お主らと世間話でもしたいが事態は一刻を争う。先にかせてもらおう」


一方的に言葉を投げかけ李白は次元転移して去った。


その後丸瓶に入っていた魔玉を調べた所、3つの魔玉を入手したことがわかった。


「さて、オレらも行くか」


そしてオレは呪文詠唱の準備に入る。


「ライとかの記憶消去はいいのか?」


「別にいいだろ。


そんなに深く関わってないし、ライはともかく他のヤツらの居場所なんてわかんねぇからな」


「!!待て!オレはまだルーエさんに別れの挨拶してねぇ!!」


「いいじゃねぇか、別に。始めるぞ」


「うるせぇ!今すぐ魔法を取り消せ!


さもないとオレが無理矢理やめさせてやる!」


そう言ってメデスは詠唱途中のオレの口を塞ぐ。


結構最後の方まで唱え終わっていたので、


止めることはできずにそのまま転移してしまう。


「くっっそぉぉぉぉぉ!!!」


最後にメデスの断末魔の叫びが響き渡った。



予定ではもう少し影との戦いを織り交ぜたかったのですが急遽変更。

せっかくライとか出したのでまたどっかで会わせようかと思ってます。

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