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第2話

今回は如月家全員が所属する秘密組織『オルタナティブ』について説明します。


オルタナティブとは主に国際的に活動し要人暗殺(ハデに殺す場合あり)などをすることにより世界を調律(簡単に言うと護る)ことを目的としている。


組織内には主に5つの位に分かれており上から『長老』、『総帥』、『指揮者』、『調律者』、『演奏者』である。


無月、祢音の2人は組織内に8人に与えられている調律者で、日向は総帥、桔梗は総帥補佐である。


ちなみに長老は直接組織の決定に関わる事はなく、実際は総帥が組織の方針を決めている。


日本でいう天皇の様なものだろうか。


さらにいうと指揮者とは調律者の隊長のような立場であり普段は世界のどこかにある本部にいる。








家につくと無月と祢音は任務用の黒いコートに身を包み転移魔法で本部へと向かう。


本部についた2人は任務を受けるため総帥の間に向かう。


総帥の間に続く扉の前に金髪のロングヘアの女性が立っているのが見える。


指揮者である『レミア・シルヴァーレ』である。


「如月無月に如月祢音ですね。お入り下さい」


レミアはそう言うと大きな扉を魔法で開ける。


総帥の間に入ると玉座に座る父、日向と隣に立つ母、桔梗の2人から任務を言い渡される。


「では、任務を言い渡します。今回の任務はこの人の抹殺です」


と言うと桔梗は無月の目の前にターゲットの情報についてのホログラムを映し出し次に日向が話す。


「こいつは関東全土を支配する都内にある暴力団『覇道』の頭、野々宮晴樹だ。


覇道は主に麻薬取引、殺しの請負などを行っている。


不思議な事にこいつはギャンブルでの運が強くてな、外したことがないという。


そしていつも幼い銀髪の少女を連れているらしい。


そういう趣味なのかどうかは知らんがどうも怪しい。


少女については厳重に監禁されてるようでな、演奏者も手がつけられないそうだ。


危害がないようなら保護するべきだと考えている。


他にもこいつは関東の暴力団を支配するだけでは物足らず、政治にも手を出そうとしてるヤツだ。


暴力団なんかが政治に出たら何をされるかわかったもんじゃない。


ただの暴力団ならば演奏者の者たちにでもやらせればいいのだが一度送ったが帰ってこない。


演奏者とはいえ暴力団なんかにやられるほど生ぬるい者たちではないはずだ。


どうやら背後にやっかいなヤツでも付いているのだろう」


「とりあえず、暴力団の頭の野々宮を殺せばいいわけですね」


父親とはいえ今は上司と部下。無月は敬語要約して話す。


「そういうことだ。他のアジトはこちらで殲滅する。準備期間として1週間与える。


お前たちは1週間後の今日、野々宮を抹殺しろ。それだけだ」


「了解しました」


祢音がそう答え2人は総帥の間から出て行った。


「さて、今日はもう遅いし準備のために一旦戻るか」


「うん」


そして、本部を出た無月は再び転移魔法を使い、祢音と共に家に戻り眠りについた。





次の日、任務執行まで1週間あるため普段通り学校に通う事となった。


そして並木道を歩いてる途中何かの気配を感じる。


「誰かに見られてる気がしない?」


「ああ、2人だな。気配がする」


と無月が言った瞬間、2人は左右に走って森の中に入っていく。


すると2人の気配も無月と祢音、それぞれ別れて追ってくる。


ここからは2人別々に進行します。





  〜無月SIDE〜


無月はしばらく走り、人気のない空き地に来ると立ち止まる。


「誰だ?そこにいるのはわかっている」


無月がそう言うと男が1人、無月の背後に現れる。


「やはりわかっていたか」


「何のようだ?」


と問いかけると


「わかってんだろ?お前らがオレらの頭狙ってっから先に殺しておくのよ」


と言うと男は木刀を取り出す。


「見当はついていたがな。だが何故オレたちが狙ってると知ってる?」


そして無月は魔法で愛刀『夢羅雨』を取り出す。


「さあな!」


男はそう叫んで走り、こちらに向かってくる。


「ならば力ずくで聞くまでだ」


以前不良と戦った時のように振り下ろされた木刀を受け流すとその隙をついて峰打ちで反撃するはずだったが


「へっ動きバレバレなんだよ」


隙をついたはずだったが男はあっさり木刀から手を離すと、


懐から短刀を取り出して無月の首を狙って突き刺してくる。


「くっ」


無月はギリギリのところで避けるが切り傷を負う。


切り傷を人差し指でなぞり、血が流れているのを見る。


「ちっ」


続いて無月は男に向かって刀を幾度も繰り出すが全て寸前で避けられる。


「てめぇ、ただの人間じゃねぇな。反応が早すぎる」


無月は一旦男から離れてそう言う。


「オレはただの人間だぜぇ?ただ、魔法とやらでパワーアップしたけどなぁ!」


男は再び木刀を持ち直すと無月に向かう。


「やはり魔法が一枚かんでやがったか」


向かってくる男にたじろぎもせず無月は刀を消し去る。


「どうした?刀無しでオレに勝とうってか!?」


「ああ、その通りだ」


無月の右手に燃えさかる炎のような紅い魔力が集められる。


「オレの属性は全てを焼き尽くす炎、お前なんかに負けねぇよ」


無月は迫る男に向かって右手をかざす。


「くらえ!『バーストフレイム』!!」


するとかざした無月の右手から激しい炎が放たれる。


「ぐああああああ!!」


炎が収まり、跡に残ったのは焼け焦げた男の焼死体だけだった。


「あ、聞き出すの忘れちまったな。ま、いいか」


『浄化の光 ライトパージ』


無月が焼死体に手をかざすと焼死体は光の粒子となって消え去った。


「これで証拠隠滅したし、祢音の方はどうなったかな?」


右手でカバンを持つと左手をポケットに突っ込み、祢音と別れた場所に戻った。





  〜祢音SIDE〜


無月と別れた祢音は中央に噴水のある公園に来ていた。


「ここならいいかな?もう出てきていいよ」


祢音が促すと木の幹に隠れていた女が現れる。


「やっぱりバレてた?」


「まぁね、何のよう?ま、見当はついてるんだけどね」


と言って祢音は女の方に振り返る。


「なら面倒だしやめとくわね」


「で、やっぱ戦うの?」


「当たり前よ」


と言うと女はどこからかマシンガンを一丁取り出し放つ。


「あははははは!死になさい」


祢音はカバンを持ちながら噴水の後ろに移動し噴水を盾にして銃撃を防ぐ。


「隠れたってムダよ!」


銃撃がやむと祢音は魔法で拳銃を取り出し


「さて、がんばろうかね」


と言うと再び女の前に姿を現す。


「もう観念したようね。じゃ、死になさい!」


そして女は再びマシンガンをしばらく放ち続ける。すると祢音の周りは砂煙に包まれる。


「これで蜂の巣になったかしら?」


女は銃撃を終わらせると煙が収まるまでしばらく待とうとするが



ダァン



と銃声が一発し銃弾が女の二の腕をかすめる。


擦った女の二の腕に一筋の切ったような傷ができる。


「それだけ?あなたの攻撃は」


砂煙が収まると中から全く傷ついてない祢音が現れる。


「な…あんなに撃ったのに…」


「全部弾いたんだよ。この私の愛銃『レリーフ』で」


と祢音は白銀に光るレリーフを見せつける


「そんなことが!?」


「じゃ、これで…」


祢音は銃を女に向けて構える。


そして銃を撃った。



カキィン



しかし祢音の放った銃弾は女に当たる寸前で弾かれる。


「え?」


祢音は眉を細めて女を凝視する。


そして再び早撃ちで4発放つがまた弾かれてしまう。


「これで終わり…とでも思った?」


女はマシンガンに変わって少しゴツい拳銃を持っておりその側面からは煙が出ていた。


「まさか…あなたまで弾き落とせるの?」


「そうよ」


女はそう言うとフフフと微笑む。


「そこらの暴力団にできる芸当じゃないはずよ」


「魔法って…いいわね」


「お父さんの言ってた通りのようね。だけどそんなもんじゃあ私に勝てないよ」


そう言うと祢音は再び銃を構える。


「いくら撃ってもムダよ。今の私には軌道が見えるのよ?」


それにもかまわず祢音は一発の銃弾を放った。


すると今度は女の右腕に命中した。


「!? 見えない…ただの銃弾じゃないようね」


右腕を撃たれ女の手から拳銃が落とされる。


「ただの銃弾だよ。ま、魔法で細工してあるけど」


「どういうこと?」


祢音の銃に魔力が込められる。


「特別に教えてあげるよ。私の属性は風。


銃弾の周りに特殊な風の流れを作って光を屈折させてるの。だから見えないってわけ」


そう言うと再び祢音は銃弾を放ち、それは女の左腕に命中する。


「くっ…やっぱりただ者じゃなかったって事ね…」


「じゃ、これで終わりね」


次に祢音の放った銃弾は女の眉間に命中し、女は声も出さずに倒れた。


『浄化の光 ライトパージ』


「さて、こんなヤツ相手に遅刻させられるなんて不甲斐ないからね」


噴水の傍に置いておいたカバンを持つと無月と別れた場所に駆け足で戻った。



〜共通SIDE〜


無月が戻ると丁度反対側から祢音がこちらに駆け足でくるのが見えた。


「よ、無事だったようだな」


「当たり前じゃん」


「やはり、魔法使いが関わってるようだ」


と話す無月を無視し祢音は駆け足で学園へと向かう。


「お兄ちゃん、話は後。遅刻しちゃうよ」


「オレは別にいいけどな」


と言いつつも祢音を同じように駆け足で学園に向かう無月であった。


補足ですが祢音の愛銃のレリーフは魔法で銃弾を作り出しているので弾切れは一切ありません。

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