↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

異世界恋愛系 作品いろいろ

一方通行の優しさに何の意味があるのかしら? 〜ただ隣にいたかった、それだけだったのよ〜

作者: 四季
掲載日:2026/09/22

 ねぇ、あなたは……覚えている?


 別れを告げた日のこと。

 関係の終わりを宣言した日のこと。


 物心ついた時には婚約者同士だったから、いつまでも共に歩めると、それが当たり前だと信じていたの。

 あなたのことが好きだったわ、だから、あなたの隣にいてあなたと共に歩めることがとても幸せだった。あなたみたいな素敵な人と特別な誓いにくくりつけられていたことが誇らしかった。あなたのためなら何だってできる、あなたを支えるためならどんな運命を歩むことは怖くはない、そう思っていたの。


 けれどもあなたはわたしを切り捨てた。

 婚約は破棄すると言って。

 前触れも、相談も、何もないままで、いきなりわたしを切り離した。


 あなたは優しい人だから、きっとあれも、あなたなりの優しさだったのでしょうね。


 これからどうなっていくか分からない。

 あなたが進む道は血塗れのものとなるかもしれず、それゆえ、わたしを縛りつけたまま歩みたくはなかったのでしょう。

 わたしを巻き込みたくなくて、それで、あんなことを言ったのでしょう。


 ……あなたは何も分かっていないのよ。


 わたしはそんなことは望んではいなかった。

 わたし一人の人生の平穏のために関係を壊してしまう、なんて。

 どんな未来が待っていても、どんな悲劇に突き進むことになるとしても、最期まで隣にいさせてほしかったの。


 あなたとなら何も怖くはないから……。


 せめて前もって相談してくれたなら、わたしはわたしの気持ちを伝えられたのに。


 そんな大切なこと、勝手に決めないで。

 わたしはあなたについていく。

 どんな未来が待っているとしても、そんなことはどうでもいい。


 ……そう言わせてほしかった。


 あの時のあなたの優しさは、わたしのことなんて何も考えていない、あなたが納得したかっただけの自分勝手なもの。

 あんなのは、あなたがあなた自身を納得させるためのものでしかないわ。

 婚約者を悲劇に連れ込んだ、そう思いたくないから、罪悪感から逃れたいという心だけで勝手に決めたことでしかない。


 そんな一方通行の優しさに何の意味があるというのかしら。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。